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聖ブランカ女子高校 美術科(ひよこ踊りで哲学を)

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本日、自分の漫画を更新しようと思ったのだが、ちょうど、実家に帰って戻ってきたところで、過労で絵がかけない状態なので、こちらを更新しておこうと思う。(そして、この後、俺は飲み会だ!いえ~い! ゴールデンウィークは、仕事してるのより疲れるぜ!)

今回は、聖ブランカ女子高 美術部を取り上げよう。つぼにはまる人にはものすごくはまり、はまらない人には恐らく何が面白いのかさっぱりわからない漫画ではないか?

吉田戦車や榎本俊二と同じ系列の不条理漫画である。最近のものだと、クレムリン(カレー沢薫)あたりが似ているか?

ノウノ先生が描く、死んだようなキャラと死んだような線が、この漫画の不条理感を増幅している。

ぼくが猛烈につぼにはまったのは、女子高生がひよこのぬいぐるみを着て、踊りまくるシーンなのだが、よくよく考えると何故面白いのかよくわからない。今現在、ぼくはかなりの過労状態なので、そのあたりの体調なども大きな原因かもしれない。

今回、このひよこのぬいぐるみ踊りを通して、ノウノ先生の才能について考えてみたい。

ぼくが、これに一番、笑いの感覚が似ているなあと思ったのが、モンティ・パイソンの「バカな歩き方省」のコントである。風刺とかなんとかではなく、見てるだけで笑いたくなってくる不思議な笑いである。

これは、恐らく演技者の動作と感情が一致していないことからくる笑いではないか。文章にして説明されるとそうでもないのだが、実際に演技されるのを見るとと何故か爆笑するしかない不思議な笑いである。

ひよこ踊りについて言うと

① 中にいる女子高生が諦観を伴ったローテンション
② それにもかかわらず、ひよこ踊りは気狂いじみてハイテンション
③ そもそも、体操にひよこの着ぐるみを着る理由がよくわからない

という3点を同時に進行させると、何故か強迫的で不条理な不思議な笑いが起こるのである。ノウノ先生はそうじゃないと言うかもしれないが、ここには、哲学など一切ないと思う。ただもう、理由もなくおかしいのである。それと何故かわからないが、この死んだような線もノウノ先生のギャグに向いているように思う。

フナッシーが若干似ているかも知れないが、フナッシーに比べるとかなり冷たい笑いである。

なので、ノウノ先生の心境は実際は、こんな感じだろうか?

人生とは何かと、悩み過ぎた作者が到達しようとしている諦観が、この不条理な笑いであると。

ここに笑いのつぼを見つけられると言うのは、一種の才能だなあと思って、新都社の中でもかなりマイナーなこの漫画を今回、論評させていただいた。

ぼくが若い頃に、持ち込みをしていた際に、編集者から「おまえの漫画をギャグとして理解できる読者は10人に1人だ。おれは面白いけどな。」と指摘されたことがあるが、笑いと言うのはそのくらい個人差があるものなのである。

ぼくは、このひよこ踊りが猛烈に面白かったが、他の読者は別のところにつぼがあるかも知れない。

ノウノ先生は、発展途上だと思われるので、今後、どのように変化するかわからないが、もし、数年後に大化けしてモーニングあたりに連載するようなことがあったら、編集者より先に、ぼくがその才能に注目していたと、是非是非、誌上
で語っていただきたいと思う。


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