93話 創作者
「考古学と一口に言っても、私の研究対象は歴史、人種、民俗、言語と。多岐にわたっています。現代、近代、中世と遡り…齢千年を超えるエルフですら生まれていなかった、誰も見たことがない古代の先史文明まで辿っていくには、あらゆる知識を集合しなければならない」
ハルドゥ・アンロームは静かに語り出した。
甲皇国にもアルフヘイムにもSHWにもそれぞれの建国から現在までの歴史は、書物や口伝によって伝えられてはいますが、自国の都合の良い部分のみ切り取られ、歪められてもいます。
ですが、数々の物証と様々な立場から語られた書物を組み合わせることにより、より真実に近い歴史も見えてくる…。
例えば、甲皇国の建国についての歴史書があります。
「───建国期か。五百年前のことだな…」
ええ、ホロヴィズ将軍、そうですね。
何か、ありましたか?
「───いや。構わん、続けろ」
分かりました。
甲皇国の歴史書によれば……約五百年ほど前、当時の骨大陸にも多くのエルフがおり、なかんずくサルトゥニア王国のレンヌと呼ばれる邪悪なエルフの王が人間を脅かしていた。それを、甲皇国の建国王となる若き英雄ジクムントが人間勢力をまとめ、数々の戦いの後に遂にレンヌ王を討ち果たし、その後数十年を経て骨大陸に統一国家たる甲皇国が建国された……と、ありますね。
ですがそれも、アルフヘイムの口伝によれば…。
……レンヌ王は何の力も持たない人間を憐れんで麦やトウモロコシの栽培を伝え、その息子であるリヨン王子も人間と共存共栄しようと人間の娘と結婚するなど融和に努めていたが、人間以外の種族を認めようとしない差別主義者のジクムントは、エルフへの憎悪を煽り、大軍を率いてサルトゥニアを侵略して滅ぼしてしまい、邪悪な思想による甲皇国が成立してしまった……と、あります。
両者の歴史観はまったく正反対のようでいて、共通するところもあるとお分かり頂けましたか?
即ち、“エルフの王レンヌと人間の王ジクムントが対立し、ジクムントがそれまでバラバラだった人間勢力をまとめあげたことで、ジクムントが勝利して甲皇国は成立した”という部分です。
異なる立場であるから、どちらが善でどちらが悪だったかは今となっては分かりませんが、そのことだけは確かであると両者は伝えています。
第三者の資料がなくとも、対立する両者の共通する部分を最大公約数的に抜き出していく。
そういう検証を繰り返し、古代ミシュガルド帝国時代がどのようなものであったのか、仮説を打ち立てていきます。
───あくまで仮説ですから、これが真実ではないかもしれませんよ?
ですが、かなり真実に近づけたと自負しております。
古代ミシュガルド帝国が栄えたのは、かつてこの惑星ニーテリアに存在する大地が、超大陸ミシュガルドただ一つであった頃のことです。
およそ一万年以上前のことですね。
その一万年前には、アルフヘイムの古きエルフの方々からの口伝によれば、エルフと人間との間に大規模な戦争が起きていました。エルフは絶大な魔力をもって禁断魔法を使い、人間は現代よりも遥かに進んだ科学技術をもって禁断兵器を使った。
その結果、ミシュガルド大陸は四つに分裂したのです。
最も大きな一塊は、現在のミシュガルド大陸です。こちらだけは、謎の黒い霧に包まれ、一万年もの長きにわたって往来が不可能な状態になっておりました。
この黒い霧というのも、今ではおおよその正体が判明しております。禁断魔法と禁断兵器を動かしているエネルギーの元となっているもの───はっきりいって、良くないものです。世界の悪意、邪念、負の思念体、怨念……闇。そうしたものが具現化されたもの……闇の精霊とでも呼ぶべきものですね。
かの大戦でも、ユリウス皇子が使っていた禁断兵器であるフォデスの剣は、そのような黒い霧を放っていました。
また、クンニバル少将も悪魔的な死者との生体融合という魔法と科学が融合した技術を用いて巨大な化物と化しておりましたが、その時にも黒い霧のようなものが見えた。
そして、精霊の森の巫女ニフィルとアルフヘイムの巫女たちが放った禁断魔法も、それらすべての戦いで使用された黒い霧が残留していたものを集合せしめ、遂には地獄から恐るべき魔王のような化物を生み出してしまった。
このようなことが一万年前にも同様に──いえ、大陸を割るほどの凄まじさですから、それ以上のことが起きたのでしょう。
禁断兵器と禁断魔法が多く使用されたことで、この黒い霧が大量に残留してしまい、ミシュガルドを覆い隠してしまったのです。
先日、アルフヘイム軍の──多くは亜人の方々が造反したとお聞きしております。
目撃者によれば黒い霧のようなものが覆ってきたとありますが、これは、恐らく禁断魔法か禁断兵器が、もしくは同類の何かが使用されたのでしょう。
「……ううむ、やはりそうか」
ゲル・グリップ大佐…。
かの力に対抗するためにも。
「ああ、私達は知らねばならない。続けてくれ」
かしこまりました。
───ミシュガルド以外の三つの大陸。
南に割れた大陸がアルフヘイム大陸に。
西に割れた大陸が骨大陸に。
東に割れた大陸が東方大陸に。
生き延びた人々は、それぞれの大陸に散っていきました。
禁断魔法と禁断兵器は封印されたと言われていますが、実のところ、禁断魔法を扱えるエルフも、禁断兵器を扱える人間も、それぞれ失われただけのこと。エルフも人間も、その時を境にして、大いに衰退したのです。
実際、私が解読した禁断魔法についての書物も、ボルニア要塞の図書館に無造作に保管されていたのですから。
力を失った人々は、それぞれの大陸で平和な時を刻み続け、かつての古代ミシュガルド帝国は伝説の彼方に消え去った。
しかし、なぜ古代ミシュガルド帝国は、自らを滅ぼしてしまうほどの戦争をしなければならなかったのか?
人間とエルフが争ったと言われておりますが、なぜそれほどまでに両種族は憎み合わねばならなかったのか?
そも、古代ミシュガルド帝国の人々というのは、どのような人々で、どのような文明だったのか?
───私は、知らねばなりませんでした。
この体に流れる血が、知らねばならないと湧きたったのです。
「ハルドゥどの。あなたは、確か──」
ええ、ダート・スタン首相。
私は、ゼロ魔素の体質です。
魔素が少ないと言われる人間族でもゼロではない。
魔素がゼロなのは、生物としてはありえないとまで言われておりますが、ゼロなのです。
その血が、古代ミシュガルド帝国のことになると、どうしても惹かれてなりませんでした。
古代ミシュガルド人は、万能とも思える魔法とも科学ともつかない力を持っていました。
“彼ら”は何者だったのか?
エルフでも、人間でもないのです。
かつての古代ミシュガルド帝国人は、あらゆる種族を生み出したと言われております。
先の大戦で、クンニバル少将が禁断の生体融合の結果、恐るべき化物になりおおせていましたが、あれも一種の新人類。これまでの種族の壁を打ち破った新たな生命の形ではあった。
古代ミシュガルド帝国人は、それをもっと大規模にやったのです。その結果、エルフが、竜人が、人間が、様々な獣人、魔物さえもが生まれたのです。
あの獣神帝ですらも、その古代ミシュガルド帝国人によって生み出された魔物の一種に過ぎないのです。恐らく、何らかの獣と人間を掛け合わせた生体実験の結果に。
ひょっとしたら、あの獣神帝は、誰よりも長命であり、一万年以上もの昔から生きているのかもしれませんね。でなくとも、当時に生み出された生物の子孫なのでしょう。でなければ、自らをミシュガルドの支配者とは称しません。
───そして、我々は非常に遺伝子が近い。
遺伝子という概念は分かりますか?
その種の生物の情報というものです。
我々は遺伝子情報により、先祖からの姿を子孫へと繋げてきたのですが…。
エルフ、人間、竜人などなど。
様々な種、まったく異なる姿の人々が混在する世界ですが、我々は自由自在に交配が可能です。エルフと人間のハーフも簡単に作れますし、ずっと遠い先祖に竜人の血が混じっていて、子孫に偶然竜人の特徴が表れたりもしています。どんなに見た目が違っていても、交配はかなり自由にできてしまう。
そのことに疑問を感じたことはありませんか?
人ではない野生の獣や魚などは、それぞれの種の間でしか交配ができないというのに。
なぜ、人間やそれぞれの亜人間では交配が可能なのか。
おぞましいことですが、それらすべてが同一の遺伝子を元に“作られた生命”であったなら納得でしょう。
古代ミシュガルド帝国人は、生物、種の多様性を望みました。
自らは単一の種族であったがために、様々な種族が共存するという未来に、希望を見出したのです。
「愚かなことだ。多様性など、争いを生むだけだ」
ホロヴィズ将軍?
どうなされたのですか……?
「───わしの醜い顔を見るがよい」
ホロヴィズは骨仮面を外した。
これまで誰もが彼の素顔を見たことがないと言われている。
頑なに素顔を見せず、亜人を絶滅せよと叫び、なかんずくエルフに対しての敵意をありありと向けてきた甲皇軍きっての過激派である丙家の総帥───その素顔は。
「……っ!? そ、そんな……馬鹿な!」
「エルフ……だというのか? ホロヴィズ将軍が!?」
誰もが驚きを隠せない。
そも、ホロヴィズの年齢は誰も知らない。
齢九十を超える甲皇国皇帝クノッヘンとは旧知の間柄と言われていることから、人間族にしてもそれに近い老人とは思われていたが、時折見せる異様な身軽さや声の張りは、案外もっと若いのではとも言われていた。
だが、そこにあった顔は、まだ青年と言っても良いほどの若々しさに満ちた、凛々しい金髪のエルフだったのである。エルフの特徴である長耳は、純粋なエルフほど長くはなく、多少短くはあった。どことなく、本人は醜いと自嘲したが、一般的な美意識でいえばかなりの美形と言えた。ちょうど、銀髪のクラウスを金髪にしたような涼やかさがあった。
「わしは……いや、俺はハーフエルフだ」
咳払いをして、ホロヴィズは語った。
それまで老人のふりをして話していたが、瑞々しい張りのある青年の声に戻していた。
一般的にエルフは長命だが、長命なのは古からのエルフのみであり、ハーフエルフは純粋なエルフよりも短命と言われている。現在のエルフは、実のところかなり混血が進んでいる。古からのエルフ族もまだ残っているが、先祖を辿れば人間や獣人が一人か二人はいてもおかしくはない。精霊との共鳴がしやすいビビのような精霊戦士は純粋な古のエルフの血が濃く残っていると思われるが、それでも完全に一滴も他種族の血が入っていないかどうかは分からない。少なくとも五百年は生きていないと古のエルフ族かは分からないのである。ビビやクラウスのような純粋なエルフ族とされている者でも、実際のところは百年そこそこで寿命がきてしまうかもしれなかった。
「ふふふ……実は、甲皇国の建国期から生きている。もう五百年以上も生きているのだよ。まぁ、人間の中で生きるには不自然に長生きすぎる。ずっと骨仮面を被って生きるにしてもな。この骨仮面は丙家の総帥の証だとして被り続け、百年おきに名前を変えて代替わりしてきたが、ずっと中身は俺だったというわけだ」
五百年以上生きているという事実だけで、ホロヴィズは古のエルフ族と人間とのハーフであるにしても、一般的なエルフ族よりも遥かに長命であり、古のエルフ族の血が濃いのだと分かる。
「な、なぜ……ホロヴィズさまが……!?」
動揺が大きかったのはゲル・グリップだった。
孤児であった彼は、幼い頃にホロヴィズに拾われ、教育を施され、軍人としても大成してきた。いわば父親代わりでもあり、恩師でもある。亜人を、エルフを殺せと言ってきた当の本人が、まさかエルフであったとは。
「ゲル。俺がハーフエルフであるからこそ、強く思うのだ。亜人は、エルフは存在してはならん種だとな」
「……」
ゲルは呆然とし、二の句が継げない。
ホロヴィズは首を振る。
「言ったであろう? 多様性など争いを生むだけだと。世界は真の人間の手によって統一されるべきだ。愚かな亜人などは絶滅してしまえばよい」
「ですが……あなたはお子を作られている。メゼツさまや、メルタさまなどを……。エルフは滅ぶべきであるというなら、なぜご自身の血を残されようと……」
「ああ、四分の一程度はエルフの血が流れておるからな…。だが、幸いなことにメゼツやメルタは人間の特徴が濃く、忌まわしいエルフの血の要素が見られなかった。ゆえに、生かしておいた。もし耳が少しでも長ければ、生まれ落ちたと共に殺していた」
ゲルだけではない。
余りに苛烈なホロヴィズの言葉に誰も声が出ない。
その漆黒に塗り固まれた瞳は暗く燃え上がり、亜人への憎しみが渦巻いていた。
端正な素顔の口元を歪め、亜人への悪罵を隠さない。
人間の中で素顔を隠して生き、亜人絶滅を叫びながら丙家、ひいては甲皇国を裏から操ってきた黒幕は、ハーフエルフとして生まれ落ちたことによって、どのような過酷な運命を辿ってきたのであろうか…。
「続けよ、アンローム博士」
「し、しかし……」
「俺も知りたい。なぜ、古代ミシュガルド帝国人は、俺のような忌まわしき存在を生み出したのかをな……」
「分かりました……」
古代ミシュガルド帝国人によって、エルフも人間も、他のすべての種族も生み出されました。
順序としては、まず最初に自然、そして魔素と精霊がありました。
そして、自然に宿る精霊や魔素を使うものとして、数々の生物が生み出された。
中でも竜……現在の我々が知る竜人ではなく、古代のミシュガルドに生きていた古にして純粋な竜は強大な存在だった。魔素を体内に取り込み、魔力のブレスを放つことができた。
それからエルフやドワーフといった様々な亜人が作られた。
なぜ、様々な種族を作り出したのかと言えば、先にも申し上げた通り、古代ミシュガルド帝国人は単一民族だったと考えられているのです。
多様性こそが生物に永遠の繁栄をもたらすと考えられていたのですね。
ですが、彼らの予想を超える出来事が起きた。
人間の誕生です。
魔素を殆ど持たず、精霊の力も借りずに生きられるというのが人間の特徴でしたが、代わりに特別な能力も無く、短命でした。
そのため人間は、造物主である古代ミシュガルド帝国人に学んで多くの技術を得ようとした。優れた生徒であった人間は、先進的な技術力を使うようになり、他種族をも圧倒する存在になりかけていました。
これに反発する他種族──特にエルフは、精霊魔法を使って人間と争うようになりました。長きに渡る人間とエルフの戦争の始まりです。
造物主である古代ミシュガルド帝国人は悩みました。
どうすればそれぞれの種族が融和することができるのかと。
その結果、彼らは人間とエルフの混血を推奨しました。
だけでなく、混血が普通のことであるとして、竜人や獣人といった存在も生み出していった。
特に、古くから生み出されていた竜は、強大である代わりに知性が乏しかった。長命ですが、長く生きていくと理性を失って完全に獣のようになってしまう。でも、人間と交わることによって竜人として生きることで、次第に理性を勝ち取っていったのです。
「それは聞いたことがあるな」
ヴァルギルアさま。
竜人の里でも、この話は伝えられているのですね…?
「うむ。我が父なども、私よりももっと原初の竜に近い見た目をしておった。古くから生きていた竜人族は、今よりももっと竜型竜人という種類が多かったのじゃ。レドフィンなどもそうじゃな。だが、竜型竜人と生まれ落ちた者どもは、多くが理性を失って獣のようになってしまう。これを解決するには、より人間の要素を強めていくしかない。つまり、人間と混血していくしかなかった」
はい、ありがとうございます。
そうなのです……そのために、亜人というものが広く一般的なものになっていったのです。
ですが、そび努力も空しく、各種族間の対立は先鋭化していきました。
結果、遂にはミシュガルドそのものが滅亡することになってしまった……。
このあたりのことは、アルフヘイムの口伝にも、甲皇国に伝わっている歴史書にも書かれていることですね。
ですが、肝心なことは書かれていない。
結局、古代ミシュガルド帝国人とは何者だったのか?
精霊、エルフ、人間などなどを生み出し、自らはひっそりと姿を消している。
彼らは一体どこから来て、どこへ消え去ったのか?
結論から言いましょう。
古代ミシュガルド帝国人は、状況証拠的に、エルフでも人間でもありません。
エルフや人間の“素体”となった種族です。
様々な古文書、遺跡を辿りました。
私が発見された交易所の東に広がる大森林にも一つの遺跡がありましたが……私はそこで見たのです。
一つの壁画を。
“天”から神々しくも降臨する天空城アルドバランと、その周囲を漂う数々の星船。
“彼ら”は「星船」というものを操り、天の彼方から現れた。
重力を自在に操り、天の遥か彼方へも浮上することも、地上へ降臨することもできた。
つまり、天空城アルドバランを遥か上空へ浮き上がらせたように。飛ぼうと思えばニーテリアを覆う大気の層を突き抜け、天に輝く星々の彼方へも飛び上がることができるのです。
古代ミシュガルド帝国人というのは、ニーテリアに元からいた人々ではなく、天空の彼方の星々から渡ってきた……移住してきたのか、開拓してきた人々だったのです。
彼らがニーテリアに訪れた時、この星には何にも生物がなかったようです。
というのも、地層がそれを示しております。
ニーテリア最古の土地であるこのミシュガルドの地下奥深く掘っていったとしても、生物の痕跡である化石などは、せいぜい十万年前までしか遡ることができない。十万年というと途方もないように感じられますが、星の歴史としては非常に浅い。我々が天空を仰ぎ見る時に光り輝く星々は、数億年、数十億年もの昔から存在する。にも関わらず、ニーテリアの生物……知的生命体でもなく、ただの精霊や植物といったものでさえ、十万年前までしか遡ることができない。
つまりそれ以前のニーテリアは、緑も水も大気すらも無い。精霊も魔素なども無い。ただ、ごつごつと無機質な砂と岩山だけが広がっていた原始の星でしかなかったことの証左なのです。
“彼ら”は、ニーテリアを、なかんずくミシュガルドをゼロから創生した。
豊かな自然───大気を、海を、緑を。
そして、そうした星に宿る力───精霊と魔素──をも生み出してから、エルフ、人間、獣人らを作った……。
“彼ら”こそが造物主だったのです。
そして現代では、その“彼ら”は、突如としていなくなってしまった。
最初はミシュガルド帝国として、すべての種族を支配することで争いを抑え込んでいたのでしょうが…。
神々と同一であるとも言える“彼ら”がいなくなったことにより、ミシュガルドの支配者たらんとするエルフと人間による争いは激化していくことになります。
その“彼ら”というのは、ニーテリア固有のエネルギーである魔素を持たぬ人々。
今となっては人間、エルフ、様々な種族に同化して消え失せていきましたが。
天空──いえ、宇宙の彼方から訪れた開拓者たち。
すべての生物を創作してきた人々。
すべての始まりとなった人々。
私は、彼らの事を“|創作者《クリエイター》”と名付けることにしました。
つづく