【雑誌】ニートノベル
【作品名】ミシュガルドを救う22の方法
【作者名】新野辺のべる
【作品URL】http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18653
【ゲームブック形式】
新都社で空前のブームとなっているシェアワールド企画・ミシュガルド。
様々な作者により、ミシュガルド企画で使用するためのキャラクターが登録されている。その数はもはや1日1キャラクターを使って日めくりカレンダーを作れるほど。
各々好きなミシュガルドキャラを借りて、多くの小説・漫画が創作されているが、やはり「どのキャラを使うか」は悩みどころだ。
なるべく多くのキャラを使いたくなるのが人情というものだが…。
余りに膨大なキャラが設定されているし、中には「こういう使用はNG」と制限をかけられているキャラもいる。
「自由に使用OK」と書かれてあっても、そのキャラの作者に遠慮してそこまで自由に使えない場合も多い。
水面下ではミシュガルドキャラを使ったゲーム化計画も進められているらしい。
そうだ、ミシュガルドにはゲームこそ相性がいい。
ドラクエ3みたいにルイーダの酒場でミシュガルドキャラと出会い、パーティーを自由に編成して冒険の旅に出てみたい。
ただ、ゲーム化にはまだまだ膨大な手間と時間がかかりそう。
その点、本作はゲームブックという形式でその夢を叶えてくれた。
慧眼の至りである。
【ゲームブックゆえに】
ゲームブック化というアイデアは素晴らしかったが、小説として見ると描写にちょっと物足らなさは感じる。
展開がスピーディーなのは良いが、事実の羅列にとどまり、脚本を読んでいるかのようだ。情景がちょっと想像しにくい。
わざとそういう書き方をしているのだろうか?
まぁ、こういう書き方でないと多くのキャラ・多くの話はカバーしきれないのだろうが…。
でも6章とか良かった。ユリウスとアウグストを出してくださってありがとうございます。
あの2人の関係性をしっかり理解して書いてもらっていてうれしかったです。
クノッヘン皇帝の子供たちがぞろぞろ見舞いに行ってそこで骨肉の争いを繰り広げるシーンとか爆笑。
……ということで、サクサクすぎるけど、代わりに本当にかなりの多くのキャラが使われている。
自キャラを使われてるのを見るのは本当に嬉しいのだ。
そういう意味でミシュガルドにキャラ登録している作者さんは必見。
スタッフロールにキャラ名があるなら一読に値する。
【マルチエンディング】
22の方法と言うからには22通りのエンディングがあるのだろうか?
メゼツがウンチダスに転生するというあたりで全部ギャグだと思っていたら、予想外にハードでシリアスな結末も用意されている。
超展開の連続だったりもするし、シャルロットの演説なども超笑った。
他はどんなエンディングになるのか楽しみである。