【雑誌名】週刊少年VIP
【作品名】ましまろ君
【作者名】空と秋
【作品URL】http://masimarokun.web.fc2.com/
【文章が読みにくい】
文章が独特のテンポで、若干読みにくい。
まず二重表現が多い。「頭痛が痛い」みたいなやつ。
誤字脱字もたまにあるが、余字も多い。「多いいぞ」って感じで。
異星人っぽさを出そうと意図的なら別にいいけどそういう訳ではないだろう。
「白田家」「黒木家」「眼怪人」それぞれの台詞をフォントを変えて表現しているのは良いと思った。
ニーテルのメモ帳小説ではできないことだし、上手いと思った。
(※二行にわたって「思った、思った」で文末を切っていてしつこく感じるが、こういうテンポはくどく感じる)
独特のテンポの文章は、アクションをしている時は気にならないし、むしろ個性的にも感じる。
吹き出しの中の文章が小さすぎたり、変なところで改行してるのはどうかと思う。
あと内容には関係ないが、FC2のサーバーの問題? 画像が全然表示されず、各話最後の「次のページ」が機能しないことが多くてちょっとイライラした。
【既視感】
「ペニスマン」と「ナルト」あたりの影響が強いようだ。
オマージュだろうがパクりだろうが、アマチュア漫画だし、新都社だし、別にそこは問題ではない。
新都社にはパロディ作品が山ほどあるが、大半は「明らかにこれはパロディですよ」と分かる描き方をしている。
だが本作はちょっと微妙なラインというか、コメント返信で「参考にしました」とあるから作者さんもオマージュのつもりなんだろう。
ただ私のように捻くれた読者はそうは見てくれない。
「ペニスマン」っぽいキャラを出してそれが単なる下位互換にしか感じられないと、それは「ましまろ君」という別作品でやる意義がないのだ。
オリジナルに何かを足したり、組み合わせて、良いものにしてくれなければ。
あの愛らしいましまろ君の見た目も駄目ちんぽにしか見えなくなってくるし、黒木家は劣化喰神家で終わってしまう。
【絵に力強さを感じない】
本作は基本的にアクション漫画だと認識している。
ただその肝心のアクションはところどころ力が入っていて良いが、何をしているのか良く分からないところも多数ある。全体的に迫力に欠ける。敵味方ともあっさり死んでたりするし。
擬音が力強くないせいか、余計に迫力が無くて気が抜けた感じがする。
更新ペース重視なのかもしれないが、サムネイルにしている眼怪人の色付きの本気絵に比べると本編の絵に落胆を覚える。同人誌の表紙詐欺にあった気分だ。
恐らく本気を出せばもっと上手い絵が描けると思う。ところどころだけど眼怪人とか非常に上手い。
それなのに大半では省略して描いている感じがするので、ちょっと文句を言ってしまいたくなる。
TOP絵やサムネイルをわざと雑に描いて、本編を丁寧に描いている人だと「TOP絵で損している」と言われやすいが、隠れた良作を発見できたということで得した気分にはなる。
本作は逆だから、読む前は期待させるのに読後感は良くない。
外面に負けない内面を磨いて欲しいところだ。
【オリジナリティの出し方】
せっかく「しらほし星」と地球とは別の場所での話としているのに、地球と似たような文化しか見られない。もっと宇宙人っぽいオリジナルのSF要素も多少は欲しいところだ。
刀やら銃器やら出ているが、明らかに違う生命体同士が相争う世界なんだから、武器はそういう進化は遂げないと思う。もっと汎用的に殺傷能力がある武器なり能力なりが出現しているだろう。
ましまろ達も何で素手で戦っているのやら? マッチョマンに変身できるとしても、戦争するなら原始人でも石斧ぐらい持つ。ドラゴンボールみたいに素手の方が強いって明確になってないんだし。剣や銃器で死ぬ世界なのに素手で戦う意味は?
話の都合上とはいえ黄国兵も弱すぎる。銃を持った5000人の兵士というのはもっと強い。ゲリラ的に攻撃を受けたからって、ごくごく少数の素手や刀剣の相手に苦戦しすぎ。
などなど、話の展開や設定でツッコミどころを挙げるときりがない。
恐らく作者は若いだろうし、もっと想像力の翼を広げて欲しい。
今後に期待している。