【雑誌名】ヤングVIP
【作品名】凛ちゃん奮闘記
【作者名】ヤベクレよね
【作品URL】http://yabeuwaaa.web.fc2.com/index.html
【1年ぶり】
昨年の感想企画の時にも感想を書いた。
これは昨年の反省なのだけど、いちいち各話のストーリーを交えて感想を書いていたので要点がぶれた感想になっていた。
企画を立てた者として気合が空回りしていたかもしれない。
今回は四十~五十話の感想をまとめて書きたい。
ちなみに2回目の感想だが、面白かったので甘口になっているぞ。
【進化する絵柄】
絵柄がどんどんリアルになっていっている。
やくざ編に入って更に迫力を増したようだ。
初期の正統進化形という感じで、今の絵柄は好みである。
やくざの放出、此花などはとても良い表情をしている。此花が片目開けて睨んでるところとか、放出の入れ墨とか凄く良い。
絵の進化に関してはもはや言うことはない。
前の感想時で言っていた奇形っぽいデフォルメは気持ち悪かったけど、本当に良くなったと思う。
デフォルメキャラの極致とも言えるあひるですらリアルになった。
デフォルメが悪かったという訳ではない。あの絵柄の方が好きだったという読者だっていただろう。
「大牙」の頃の粗削りな絵柄の方が好きという読者だっているはず。
格闘も描くヤベクレ先生には今のリアルな絵柄が合ってるだろうし、この路線は正解だと思うだけだ。
【奮闘記とは…】
牛島ぱいせんに完全に惚れちゃっている凛ちゃん。
前回の感想で「牛島ぱいせんに惚れる展開になるのかな?」と言ったのがその通りになってて驚き。
トラウマになってる中学時代の女ヤンキー先輩と同じ道じゃないか!
大子との友情にひびが入る展開になりそうで不安。
何よりやくざの放出とのトラブルが最悪だ。
この暴走、少し前にデパートで放出とぶつかってトラブルになったことを完全に忘れている模様。
大子・牛島はそれでも凛ちゃんを守ろうとしてくれているが…。
大子・牛島がとても良い人たちだけに、この2人がくっついて欲しいなと思う。完全に凛ちゃんお荷物&邪魔者じゃない?
いや本当、やくざの放出もおかしいけど凛ちゃんが余りに基地外すぎる。
凛ちゃんのこのぶれぶれ具合はどういう意図があってのことなんだろうか?
少し前にまもりんのストーカー騒動で株を上げていたのにまたまた台無しだ。
ヤベクレ先生はノリで描いているのかな?と思っているが、どうなのか分からなくなってきた。
恐らくだけど、わざと凛ちゃんの株を下げて、大子と牛島をくっつける算段なのかな? と、予想している。
凛ちゃんとんだピエロというか当て馬状態だけどそれが良い。
話の方は相変わらずツッコミどころ満載だが、WEB漫画らしくて良いと思う。
本作は、別に凛ちゃんの成長を描こうとしているのではなく、暴走や空回りを楽しむ漫画だと解釈している。
「凛ちゃん奮闘記」というタイトルにはそういうニュアンスが込められているのではないだろうか?
「~~ちゃん」は、お菓子の飴とか男性にも使うが、親しみを込めてはいるがちょっと舐めた感じというか馴れ馴れしい呼び方だ。
「奮闘記」もみっともなくあがくようなニュアンスだろう。
また、「奮闘するも及ばず」という結末も感じさせる。
面白いことに、本作で凛ちゃんは一度も登場人物から「凛ちゃん」と呼ばれていなかったりする。
「雪松」か「凛」と呼ばれているのみ。
凛ちゃんの成長を描くのなら、ちょっとバカにしたようなこういうタイトルはつけない。
ぶれぶれな凛ちゃんだが、作品自体がその場のノリや勢いでどうにでもなる自由さがある。
読者の反応をうかがいつつ、路線変更も容易にできそうだ。
【アウトロー対決】
やくざに喧嘩を売るのは今迄で一番しゃれになってない。凛ちゃんの暴走はここに極まれりだ。
ひったくり、偽警官、ストーカーときたアウロトー相手のバトルでは今迄で一番ヤバイ相手だとは思う。
これで死ななければある意味最強と呼べなくもないかな…?
つまり、凛ちゃんは自分の強さを求め、敢えてそういう危険に自ら突っ込んでいる可能性が微レ存?
いやいや、まさかそこまで考えてはいないよねぇ?
死んでなければ負けじゃないとは思うが、勝ちでもないと思うぞ。
凛ちゃんはどう奮闘していくのだろうか、続きも楽しみにしている。