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少年・魔女は子どもをつくれない

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【雑誌名】週刊少年VIP
【作品名】魔女は子どもをつくれない
【作者名】七個
【作品URL】http://majoha.web.fc2.com/








【推理漫画のよう】
 冒頭、悪いマミさんみたいな魔女が盗みを働き、それを謎の人物(同族殺し)が襲ってくるというシーンから。
 その後、教師と生徒の長文問答が繰り広げられる。
 世界観の説明のために必要だとは思うが、余りに長文すぎる。この半分以下ぐらいにはカットできたと思う。
 冒頭の戦闘シーンで漫画自体は上手いと思ったので読み続けられたが、一般的には小説でもきつい量だろう。
 その後、「同族殺し」が誰なのかを巡る話が続くが、視点が定まらない。というか誰が主人公なのかが敢えて明かさないスタイルだった。
 後に主人公は「同族殺し」のクロアで、ヒロインは委員長だと分かったが、それがはっきりするのは最初の大きなイベントが終わる6話ぐらいだった。 
 男なのに魔女というクロアの設定は意表を突かれたが、地味な容姿でモブだとばかり思っていたので、主人公だと分かった時は驚いた。タイトル的にも魔女(つまり女性)が主人公だろうし、てっきり委員長がそうだろうと、ずっと作者のミスリードに引っかかっていた。
 良い意味で読者の予想を裏切ってくれ、面白い。
 まるで推理漫画を読んでいるような感覚である。
 こういう長文やら分かりづらさは、普通ならマイナスになるが、本作に関してはプラスと言える。
 一回全部読んだが、世界観設定を詳しく知るため、読み飛ばしていた授業シーンを再度読み返したぐらいだ。


【もう少しだけ、分かりやすくして欲しい】
 それでも、長文や分かりづらさは諸刃の刃だ。
 かなり多数のキャラクターが出てくるのだが、誰一人名前がパッと浮かばない。割と重要そうなキャラでも名無しが多い。
 この感想を書いている時も、主人公のクロアしか名前が覚えられなかった。
 ヒロインはずっと委員長と呼ばれていたから名前は覚えられず。
 それ以外の、委員長の祖母の魔女や、その隠れ里のようなところにいた魔女や、警察関係者などはさっぱりだ。
 更にキャラデザもそう特徴がある訳でもないので、顔とそのキャラの立場は何となく分かるけど、それも通して読まないと理解しづらい。
 文章もそうだが、キャラクターも多すぎるのではないだろうか。
 ただ、その文章とキャラクターの多さが作中の雰囲気作りの役にも立っているので、難しいところ。
 分かりやすさより雰囲気や描きたいことを重視しているので、別にこのままでも良いとは思う。
 敢えて注文をつけるなら、キャラクター数をばっさりカットするのが難しければ、キャラデザだけでも変化に富んだものにしてほしいというぐらいだ。
 重要キャラは、クロア・委員長・警察のロンゲの人・マミさん・おばあちゃんぐらいだし。
 名無しのモブが多いだけに余計そう思う。
 また、モブではないが、作品全体の文章量はやはり多い。
 世界観説明とは関係ない箇所での不必要な長文というか、名無しのモブキャラの思考まですべてが描写されているが、視点が定まらなくて非常に読みづらい。
 メインとなる視点は主人公クロアとヒロインの委員長の2人だけで良いと思う。
 いくら推理漫画だとしても、頭に内容が気持ちよく入ってこないと、楽しく推理するのも難しいかと思うのだ。
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