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三月一日ニノべ感想

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 三月一日のニノべ更新・七作品

 はい毎回恒例の鹽竈です。暖かくなってまいりましたね、非常に良いことです。やっぱり春と秋が季節的には最高ですね、ちょうど過ごしやすい気温なので。
 何やら、本スレの方では面白そうな企画が持ち上がっているようですね、一枚絵で短編書く方なら鹽竈でも参加できそう。やってみようか…ニノべ短ページ漫画化については是非ともソルトの作品をなにとぞなにとぞ…!この場を最大限利用して宣伝してやるぞ!!
 というわけで今回もそこそこ多めの七作品!頑張って書くぞぉ。
 三月初めの更新作品はこちらです。

 ・『はまたん(電子書籍版)』
 ・『約束の地へ』
 ・『DG』
 ・『デェーとティー』
 ・『かわりもの』
 ・『ねじまきグラフ』
 ・『私と僕のバトル・ロワイヤル』
 
 頑張って書くぞぉ…と意気込むのは良いのですが、いやこれトップバッター。どこまでだ!?一体鹽竈はどこまで読んで感想を書けばいいんだ!?ゼロは俺に何も言ってはくれない、教えてくれ五飛…じゃなくてえろ…はまらん先生ぇ!!
 まぁ全部読めばいいだけですか。前から一ヵ月くらい掛かりますって保険かけてあるしね!平気平気、余裕余裕!(完全完璧なフラグ)

   「はまたん(電子書籍版)」   作者:はまらん

   【作品内容】
 えろ…はまらん先生の短編小説集。どこまで読めばいいのかわからなかったので、いつも通りいくつか読んで、その感想を挙げたいと思いまする。いやはやわざわざ感想日に更新するが為に三秒で考えて五分で書いてもらって申し訳ないですな!


   『ゴッド・オブ・デス・イン・マイ・ルーム』

 カナちゃん可愛い。女の子で死神とかいうと絶対脳内で銀髪になるのはなんでなのでしょうか。確実に死神のバラッドや星空のメモリアの影響がでかい間違いない。知らない人は是非見てプレイしてくださいまし。
 なんとなく途中でオチが見えた感ありましたね。考えてることが似てたのかな大助君と。
 冥界での暮らしもそこそこ楽しそう。結局死んでも生きてる時とさほど感覚の違いはなさそうだし、良いことしとけばそれなりの生活できるし。これで冥界の美少女ときゃっきゃうふふ出来るのならもう死んでも言うこと無しです。
 どうでもいいけど『死ぬまでの残り七日間、僕は死神と恋をする』みたいなキャッチコピーのエロゲありそう。…あれこれ感想になってます?


   『狂いて歩むは修羅が道』

 タイトルで何事かと思いましたが、思いの外普通の陸上競技のお話でした。
 競歩。あれほど見ていて楽そうでいてその実めちゃくちゃ辛い競技も中々ないと思います。鹽竈も陸上部だった手前少し遊びでやったこともありますけど死ぬほど辛いです。走った方が同じ辛いでもまだマシに思えましたね。
 興味が無い、くだらないと見下す。けれど勝ちたいが為に全力を尽くす主人公。理由や経緯はともかくここまで力を出し尽くせる土屋は単純に努力家だし態度はあれだけど実績を叩き出している以上は尊敬に値する人間なんじゃないかなと感じました。顧問の先生もいい味出してました。
 競歩のもどかしさが良く伝わって来る良いお話。全力出したら走るに決まってるじゃねーか、は中々的を射た名言のように思えます。


   『ゆめおち』

 おそらく冒頭のシーンがラストの後に繋がるのでしょうか。ちょっともの悲しいお話。
 現実の世界での孤独な生活が辛すぎて、精神の側に依存してしまった感じ?現実なのにほとんど感覚が夢と紛うほどに薄れている辺りからして相当追い込まれてたみたいです。
 彼女は失われる前の技術で埋め込まれたプログラム。ですけど、最後には会えたのでとても良かったと思いました(小並感)。
 ロボットにも心があるなら魂は宿るとか何とかって話もありますし、必ずしも生命体であることや肉体たる器が存在していることを前提としなくとも魂は存在したりしなかったり、だから死後に再会できることもあったりなかったり。この手の仮説は個人的には賛成したい側ですね鹽竈は。そっちの方が夢があるし、希望もある。


   『それから』

 人類すげぇ。って話。
 一体どこまで発展に発展を重ねているのでしょうか人類。宇宙の端にぶつかるだけでなく神らしき概念に触れるまで行くとは。
 短気な人多過ぎるわりには仲良くなるのもとても早い。戦争しといて何親し気に隣で罵倒し合ってんだよアリェロオロンさん。
 でもロマンのある話ではありますね。宇宙ってどこまで続いているのかわからないし、本当に生命のある星が地球以外には沢山あったりして。映画の中でしかありえない出来事も、いつの日か現実になる時が来るのかも、とか思えてしまいます。


   『五分で書いたやつ』

 鹽竈はファミチキの方が好きです!!!
 いや特に理由はないんですけど、辛いの苦手なんですよね喉渇くから。カレーは辛口でも好きなんですけどやっぱり飲み物は欲しい。ファミチキもレッドはあんまり食べませんし。
 未来完了形とかいう言葉、この小説で初めて聞きました。僕も今度自作品で使お。


   【ざっくり感想】
 膨大な量の官能小説を読み切った鹽竈としてはもう文章とか触れる部分無いんですよね。いや本当に完成していると思います。味もあって読み易い。
 キャラを作るのもお上手で、短編でも人物の人となりがよくわかって面白い。
 だからこの先生さんに言いたいことは二つだけです。
 早く女中シリーズとアンアンの続きをお願いします!!
91, 90

  


   「約束の地へ」   作者:藤沢

   【作品内容】
 お待ちしておりましたこの競馬小説。最新二話の感想となりますのでやや短めなものになってしまうのをお許しください。


   【人物】
 此度のスポットライトを浴びたのは主人公朝川とその後輩、五島とアリス。
 妻帯者である朝川は、妻が身籠って大変な時期でも自らの仕事に実直に勤しみます。
 自身が感じている通り、この辺りは故人である庄田を思わせるほどの競馬マンと化していますね。しかし独り身だった庄田と、妻を持ちやがて父となる予定の朝川とでは大きく事情が異なってきます。ここ大事にしないとヤバそう…。
 それと同時、五島はアリスと共に久方ぶりの乗馬において彼にとって小さくない確かな恐れ?トラウマ?と真っ向からぶつかることに。
 確かに騎手がどれだけしっかりしていようと、人馬一体となる競馬では人間の力のみではどうしようもない事態もあるわけで、そう考えると落馬による事故はどれだけ場数を踏んだプロでも有り得る話なわけですね。恐ろしいことです。
 五島には頑張ってアリスとの恋路を成就してもらいたいものです。唯一共に馬を駆れる仲というのは今後も大きなアドバンテージとなりそうですし。
 ところで今って確か文芸ニノべのコミカライズ企画が動いてましたよね?だっ、誰か早く狂気の笑みを浮かべ馬に跨り駆けるアリスちゃんの一枚絵を早く!


   【文章】
 相変わらずの安定した文章力。
 朝川の競馬に対する心意気、五島の乗馬に対する抵抗、アリスの未だ揺れたり振れたりする若い精神性などが上手いこと描写されていてとても良いと思われます。
 そしてなによりも登場人物の皆が皆、競馬だけでなく馬までをもちゃんと愛し慈しんでいるのが素晴らしいですね。本気で競馬というものにのめり込んでいる人間だけがその場にいて、それぞれがしっかりとその世界を見据えて進んでいるということがとてつもなく頼もしく感じます。


   【ざっくり感想】
 今回までの時点で朝川の疲労度がマックス値に達しそうで少し不安。仕事も大事だけど家族も大切にしてくださいね。でも生真面目だから仕事の方も頑張り過ぎて結果的に庄田と同じ末路を…とかいう展開にならないとも断言し切れない状況だからなぁ……。
 駿馬メンバーの今後にも期待を寄せつつ、競馬のメインたる騎手や名馬達のこれからも気になります。今だと安斎騎手とザラストホースか。
 競馬においては予想の当たり外れというものはありますが、明確な勝ち負けというものがありません(よね?)。だからこそ、今後どういった展開で人物や状況が動いて行くのかが毎回楽しみでもあります。
 次回は弥生賞ってのに向けての動き出しか、あるいは開始か。なんにしても落ち着いた日常回からの次が気になる段階となりました!

   「ドラゴンゴール」   作者:にんじんおとこ

   【作品内容】
 修行から戻った男の描く物語がついにここに!いやぁ待ちましたよ数ヵ月!でもこんな逃げることも出来たコメント欄での有言を本当に実行してくださったことにはおおいに感謝です!ありがとうございます!
 しかしそれにしてもなんだかとっても見覚えのあるタイトルですね!作者さんも斬新なお名前でして!にんじんおとこ…人参……キャロット…カカロッ、あれこんな時間に誰か来たようですねちょっと出てきます。


   【ざっくり感想】
 ニートで文無しのお気楽男、後藤は金目当てに天下一武道会に出場して賞金を狙います。
 …のはずが、何故だかジーコを倒す為にドラゴンゴールなるアイテムを集めることに。ほんとに何故だかはまったくわかりません、作者さんもわかっていないようです。戦闘民族故の気性の荒さが関係しているんですかね?
 意味不明ながらに出だしは中々で、ワクワクが押し寄せて来る感じです。泣いてる場合じゃない。
 まず最初の相手はアルシンド。…?おいコイツどっかの兄貴によく似てる外見してるけど鹽竈の勘違いかな?なんか一度倒されてからメタル化しそうな顔してるんだけど。
 とりあえずここでアレシャンドレ波を習得。わっるい顔してるなー後藤。
 次がロドリゲス。あ、悪魔だ…!コイツも見覚えあるぞ!しつこく三回くらい出てきて最終的にバイオっぽくなるヤツだー!
 ここでさらに瞬間移動をマスター。普通にサッカーでは反則だと思います。
 その次にエニィアマ。果実食ってパワーアップするヤツですねわかります。
 馬鹿デカいボールを前に冷静なツッコミで少し笑いました。結構常識人だった。
 ついにここで原口元気玉を覚えていよいよ手が付けられなくなってきますが、同時にジーコが登場、まだドラゴンゴール全部集めてなくない…?しかもジーコ人ですらなかった、神龍だった。
 ここでまた笑ったんですけど、「願いを言え、サッカーを教えてやろう…」って別に願いを叶えてくれるとも言ってないし勝手にサッカー教えさせられるとか無茶苦茶じゃないですかww
 そんなシェンロ…ジーコも元気玉の直撃でどっかの皇帝みたいな断末魔と共に退場。完璧レッドカードだと思いましたがやった後藤本人はケロッとしてます。この人絶対穏やかな心持ってないよね…。
 結局その後も武道会では勝てもせずに終わった後藤に、ハゲた子供達が彼を師事して居所を見つけハッピーエンド、なのかな?
 とまぁ作品としてはこんなところでしょうか。言いたいことは大方内容説明と共に吐き出したと思います。あとは、そうですね。
 ハゲ多過ぎじゃない?この世界は頭髪薄いのがデフォなの?
 このZ戦士は相当原作(?)がお好きなのですね。メタモル星人とかいう単語も久しぶりに見ました。
 あと驚くべきはこのトップ絵や挿絵、作者さんが直々に自作された絵らしいですよ!ヤバくないですかこの類似度!普通にそっちの方面でも才能が垣間見えたのですが!
 なんだかんだで楽しく読めましたね。いえいえ謝られることはありません、非常に面白おかしく和ませて頂きました!続きも楽しみにしてますね!!(さらに追い込みを掛けていく)
 
93, 92

  


   「デェーとティー」   作者:混じるバジル

   【作品内容】
 説明不要!の四文字で済ませたいところです。今回はチラ見スタの続きとフレンズとアルヒロ没案を読み申した!


   【ざっくり感想】
 チラ見スタまさか続きがあるとは思っておりませんでした…。横山の意地と信念のドキュメンタリーが奇妙な感動すら誘う謎の展開に鹽竈困惑の一言です。普通に良い話っぽく終わったけどアンタ普通に犯罪者予備軍みたいなもんだよね?
 いやぁ、でもこれから春先になると薄着になる女性も増えてくるのでしょうなー。そうなればチラ見をせずにいられぬは男の性というものでしょう。なんだかんだ馬鹿に出来ない男性の心理を顕著に記した貴重な短編小説なのではないかとマジに感じたりしました。
 鹽竈も学生時代は女子の制服に浮き上がったブラ線の可視不可視で友達と一喜一憂したりしてました。ええ馬鹿です。底辺高校だったものでね!
 アルヒロ没案も中々に酷い(誉め言葉)。でもあれですね、このレベルでなくとも一度くらいは作中メンバーで馬鹿やるイベントストーリー作るのも面白そう。
 所々に混じるバジル先生の本音が零れ出ているのが見て取れてしまう。でも確かに悪魔の数はちょっと増え過ぎた感ありましたかねぇ…自分の番で出来るだけ間引きたかったんですけど、物語上結構きつかった。でもどんべえ先生は一瞬で悪魔を四体葬るという劇的な展開を見せて今後が予想つかなくなったり。
 ちょっと感想の本筋から逸れましたか。ともかく非正規英雄の方もコメントとか色々よろしく!!というわけで宣伝しておいて。
 あとはフレンズですか。これ法廷で大勝訴を収めたあの替え歌作者と同じ方向性だから感想自体かなり困るものがあるんですけど、最後の実話でちょっと涙腺緩みました。そういうことがあるから怖いですよね……自分も外で鹽竈です!!とか名乗るのは絶対に控えます。
 前の作者コメントを見るに、もう感想日に更新されることはないそうで、非常に残念なのですが…ネタ切れとかでしょうか。また更新されるのを首を長くしてお待ちしております!この感想もいつまで続くかまったく未定なのであれですが…。
 ちょっと短めになってしまいましてすみません。次までに自分も混じバジ先生に対抗できるくらいの下ネタストーリー考えとくか!…どんべえ先生がオナホで頑張るだろうからやっぱりやめておこう、鹽竈は穢れを知らない純情可憐なキャラで通すと決めてるし…(大嘘)。

   「かわりもの」   作者:若樹ひろし

   【作品内容】
 日常ファンタジー三回目の感想となります!更新一話分のものとなるので短め!でもさくさくと読めるのでお手軽な分おすすめし易い一作ですね!


   【人物】
 主人公豊がついに無職のヒモに!…なりかけていますが、まだいい大人としての意地が残っている様子。でも方向性が駄目だった!もうアキコがみそかを差し置いて正妻ポジションに落ち着きかけている…。
 豊は話の内容を見る限りどうも只者ではない?何かの組織、それもリーダー格であるらしきことが仄めかされています。その組織は給料出ないの?
 そして茜もやはり訳ありで、しかも茜本人ではなかった。みそかの同胞らしいですが、どうやらみそかは本来の役目を記憶ごと忘れている感じ。監視者ということは、所属しているその組織とやらが彼女らにとっての脅威足り得る何かということでしょうかね。
 今後みそかや茜の立場は豊にとって敵対するものになるのかどうか。そもそもがこの変身能力の大元が何かも分かっていないですし、いまひとつこの先の展開が読めませんね!


   【文章】
 前回と同じくさほど読み辛さは感じません。とても良いと思います!
 …って答えると一行で終わってしまうので、強いて一つだけ。
 場面転換をもう少し分かり易くするといいかな、とは個人的に感じました。一行空けて点を一つ挟むだけだと若干区切りとしては認識しづらい部分が強いです。一見して分けてあるなーと理解できる程度に行を空けるか、何らかの区切りのラインとしてマークを挟んだりするといいかもです!


   【ざっくり感想】
 豊の立ち位置からしてあまり友好的ではなさそうな刺客の出現によって、物語にやや剣呑な雰囲気が。
 しかしこうなると本当の一般人は現状アキコだけになるんですね。彼女がこの先二つの勢力(?)によってどう振り回されていくのかという部分も見物かも?
 今の時点で謎が多過ぎて言えること少ねぇ…。豊の所属する組織、みそかや茜(偽)の正体。変身能力を得るに至った研究とは一体?
 うーんせめて一つくらいはそろそろ明かしてほしいところですね。謎が多いのもいいですが、多いまま登場人物間で訳知り顔で展開が進んでいくのも読者としてはもどかしい。ちょっとずつ、勿体ぶりながらも確実な謎の氷解がされていくことを望みます!
95, 94

  


   「ねじまきグラフ」   作者:黒兎玖乃

   【作品内容】
 いやはやお久しぶりでございます。かつてこの方には小説の感想を書いて頂いたことが何度もあり、そのおかげで投げずに続けてこれている部分が大きい程です。まさか自分が貴方の作品の感想を書く側になるとは。人生わからんものです。

 『特別』であることに意味を見出しながらも堕落怠惰な生活を続ける高校二年の少年、深山霧島。
 数少ない友人との会話(という名の情報交換?)の中で、彼は自身が求める『特別』に近い何かを持っている少女、『保健室の妖精』の噂を知る。
 
 現時点の内容としてはざっくりこんな感じでしょうか。


   【人物】
 霧島は昔に何かあった感じ?現状に納得しておらず、変わらなければならないという想いに突き動かされ、そうするだけの忌まわしき過去がある…のかな。
 そのわりには作品内で言及されているように、あまり行動を起こそうとはしていないのが気に掛かります。これも理由があるのかどうか。あとたぶんこの子アイシールド21読んでるだろ、あれめちゃくちゃ面白いからここで宣伝しときますね!
 深山の友人二人、健介と千尋も一癖あるキャラ。健介が一度作中で健吾と表記されているけど、頻度から見ても健介で合ってるはず。
 健介は普通に良いヤツそうです、一番青春してるんじゃなかろうかこのスポーツマン。アメフトやってるってことは体付きもがっしりしてるイメージ。ふんぬらばっ!とか言うのかな今後。
 千尋は結構いそうでいないタイプ。しょっちゅう本ばっか読んでるのに社交性あるとかあんまり見ないキャラ性ですよね?女の子だけど、健介や霧島と恋仲になるポジションではなさそう。あくまで友人関係でいそうな。
 やっぱり今のところで一番気になるのは仔猫で妖精な女の子。序章で霧島が会ってるの明らかにこの子だろうけど噂通り忘れているみたい。唐突に名前を訊ねられたのは何故だろう、妖精さんに気に入られたのだとしたら、もう霧島は望んでいた『特別』になってるんじゃないかな。


   【文章】
 この項目で真っ先にこれ挙げるのアレなんですけど、凄く気になったので。
 霧島達の通ってる高校って上郷高校でしたよね?序章の清里高校とは一体…。これ何かのミスリードに繋がってたりするんだろうか……。
 上記のような、気になるんだけれど今一つはっきりした答えが描写されていない部分がわりかし多くて多くてとてもむずむずします。
 視点が霧島の一人称で進んでいくので、捉え方や感じ取り方が諸共霧島のそれを基準に描写されていくのですが、そもそも霧島という人間がちょっと歪に感じます。
 歪んだレンズ越しに見る歪んだ景色はやはり正常な景色と違う部分が多いというか、斜に構えている高校二年生の主観が、正確な情報伝達を阻害しているように読んでて思いました。
 基本的な情報は霧島視点なので彼を中心に語られるものがほとんど、ということで読者側が得られる世界観や人間関係、人物描写などもそれ以上は知ることが出来ません。
 神視点で語られる作品と違い、一人の人間を通して作品世界を把握しなければならないので、どうしても見えるものが狭められてしまうのが一人称視点の難儀なところかなぁと個人的には思いますね。


   【ざっくり感想】
 …………あー、恥ずかしい。
 感想を書いてもらっていた側が、こんな偉そうなこと書くことがここまで精神に来るとは。これまでのもそうですけど、指摘しているポイントは基本的に自らへブーメランでザクザク刺さってるからなぁ…。
 まぁ…今更なんですがね。こういうスタンスというか、臆面がない恥知らずな感想書きに好評を頂いている部分もあるようですし、真摯に読んで感想を書く側としてもお世辞とかおべっかとか使いたくないのも確かなので!なので!
 というわけで、やはり今作品においてもっとも気になったのは主人公・霧島という人間、キャラクターそのものでしょうか。
 『特別』でいないと生きてる実感がしない、とまで言っているわりにはそれらしき行動を取らない。千尋が話題に出した、好奇心くすぐられる特別な少女の噂に対しても、時と場合によりけり、気分じゃない、といった具合に話を蹴ったり。
 致命的に願望に対する積極性が欠けている、と言いましょうか。言葉や心情に実績が伴っていないのが現状なので、どうもこの男は本当に『特別』を求めているのか?という疑問が浮上してきてしまいます。
 このひねた人間性がこの作品でのネックやキーになったりするのかな。とりあえず仔猫みたいにちっちゃい女の子の出番早く見たいです。あだ名は手乗りキャットでいいですか。
 

   「私と僕のバトル・ロワイアル」   作者:折羽

   【作品内容】
 バトロワだ!大体ロクな終わり方をしないことに定評のあるバトロワだ!!
 今回の作者さんは初めての方ですね。あんまりこういう作品見ること少ないので、出来れば投げられることなく最後まで書いてほしいですね!
 初回は最新話、第一回放送までの感想で!


   【人物】
 流石に一クラス分ものキャラクターとなると多い、三十人はとっても多い。そしてバトルロワイアルという性質上、登場から退場までもとても早い。既に四人死んでますしね。
 主人公の希はまあ良くも悪くも主人公。バトルロワイアルに対し消極的でありながらも生の執着は人並みにあって、正義を好み悪を憎む。うん正統派主人公。今後人を殺さなくちゃいけない場面でどういう態度に出るのかも見物かもです。
 とりあえずはバトロワ名物の『頭おかしいクラスメイト』枠として新島絢子ですね。つい忘れがちになりますけど中学生でこれですからね。腐った国の内部で育った子供達だから異常な精神性を持った子が比較的多くてもまあ頷ける話ではありますけども。絢子はラスボスに近いポジションな気がします。
 山守くるみはそれなりの訓練も受けている上に使命じみた責任感を持った、革命を目論む女子。この子も確実に長生きするわ…。希との合流までに死ななければいいですけど。
 あとは貴人ですかね。主人公の親友ポジは良い場面で親友らしく死ぬか、終盤までは共闘して生き延びるのが大体の定番って感じですけど、このバトロワではどうなりましょうか。今んとこ開始から一度も出番無いからなんとも言えない…。
 あとは、これ…この手の作品では禁句なのかもしれないですけど、全然中学生らしくない…。
 心の成熟具合が並の高校生すら凌駕している。おかしい。もし中学生時代の鹽竈がこんな事態に巻き込まれたとしても、確実にこんな覚悟や考えは出来ないと思います。
 まあ、禁句ですよね。でも中学生だもんなぁ…。せめて高校生ならとは思いました。


   【文章】
 どこかで書いてた人でしょうかね、あるいは別名義の方?って思うくらいに上手い文章をお作りになられる人です。人物描写、背景説明、状況展開その他諸々も読んでてすいすい頭に入るし、読み易い文体となっております。
 多過ぎるが故のキャラクター外見などは正直どうしようもないかなと。主要なキャラ以外は髪型や体型くらいを描写しておけば、それで充分な気もしますし。でもそうするとクラスの中で誰がより長く生き残るのかが分かったりするから、難しいところなのかも…。
 バトロワ特有のなんだよこの国頭おかしいんじゃねえの、という素朴で核心的な疑問に関しては、頭のおかしい国を舞台とすることで解決されていました。その発想は普通に無かった。
 今のところは、自分としても見たことのある展開という感じです。これ系のテンプレートをなぞっている状況、とも言えますが。
 希の行動、くるみの判断や策謀がどこまでプログラムに通じるか、という部分に物語の期待や展開が寄せられていきそうです。


   【ざっくり感想】
 爆発する首輪、脱出不能の孤島、デイパックと武器、クラスメイト。
 これでもかというくらいに定番の要素を詰め込んだまさしくタイトル通りのバトルロワイアル。タイトル通りすぎて、ちょっとマンネリ来てるんじゃないかなーということも無きにしも非ず。
 こちらも、良くも悪くも正統派過ぎるバトロワという感想が端的に示される内容じゃないでしょうか。見たことある展開が多過ぎて、なんとなく次の展開も予想が付いてしまいます。今の生存者の中でもテンプレ通りならば確実に死ぬと断言できるの何人かいますし(当たるかどうかは別として)。
 もう少し新鮮味が欲しいなとは思いました。優秀な友人がいて、異常なクラスメイトが跋扈して、苦悩しながらもクラスメイトと対峙し殺害していく主人公。重要な要素がもう見慣れたそれで塗り潰されて行っている感が強いです。
 個人的には、やっぱりくるみの一転攻勢逆転ホームラン大革命を期待したいところです!
97, 96

  


 わりと早めに終わったぞーばんざーい!
 コミカライズ企画で歓喜したり文章化企画で賑わったりと、今月は結構充実していたんじゃないかな新都社。鹽竈的には退魔のFCでもう昇天しそうな勢いでございます。
 次は二十二日の水曜日にしましょうか。月一のつもりが少し余裕が出来ましたし、次の感想も間を空けてみようかと。
 また次もたくさんの更新があることを願いつつ、鹽竈は今月も強く生きます。新年度からが正念場なのですがね!
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鹽竈 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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