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6 過去の過去 (補完のみ、読み飛ばし可)

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話が裸の王様から進んでいない。

ちょうど、宴会で不愉快になって実家に帰ろうとした私が途中で

ムラムラ来て風俗でレイプ気味のプレイをしてストレス発散したところで終わっている。

これから「ぐんたいぐらし!!」らしい話を期待している人々にとっては、

我慢汁が出すぎて最早 今更フィニッシュしても気持ちよくない段階に

なってしまっているかもしれない。


今回する話も、正直、そこから全く進まないし、ただの無駄話かもしれない。

別に飛ばしてくれても構わない。

だが、どうしても誤解だけは招きたくないと思い、この回を設けた。

書き手として感情を挟んで失格なのだろうが、どうか耳を傾けてほしい。


 英語が不得意なのに~という意見があった。否定はしない。

元々 わたしはポルトガル語専攻だったし、英語は第2専攻だ。

だが一応、どちらも町やお寺を案内出来るぐらいには話せるし、

今の仕事でもメニューを説明したり、値段が税込か否かと言った話ぐらいは出来るレベルだ。

そんなレベルなの~と言われればそれまでだが、

実質のところわたしが出来る外国語のレベルというのはその程度のものだ。

論文レベルの言語は日本語だろうが英語だろうが理解しづらいと思う。


確かに軍人なのに何故通訳官に~


これが謎理論と言われたらそうかもしれないだろう。

なぜならば、実際は手順が逆だからだ。

つまり、元々軍人→通訳官になりたいではなく、

通訳になりたい→紆余曲折ありーの→軍人ということである。


元々わたしは通訳関連の仕事に漠然と付きたいなぁと思っていただけで

ろくに就活もしなかったクソ人間だ。

要は知識だけは中途半端にあるだけの、どちらかというと頭でっかち寄りの人間だ。

まだ頭でっかちなだけならまだマシだったろうし、

そこまでの努力をしてなかったわたしがクソだっただけだ。


元々、ポルトガル語はニュースで在日ブラジル人の出稼ぎ労働者の話が

出ていたことがあったことで将来性のある言語だとオープンキャンパスでも

言われていたため、専攻した。ちょうど、わたしが受験した大学では英語学科の

合格基準が厳しく、ポルトガル語学科の方が基準が緩いということもあったので

これはチャンスと思い、入学したのだ。

卒業後、わたしは現実にさらされる。

この日本において実際に通訳の仕事に就いている人間など、

ほんの僅かに過ぎない。


わたしのような半端者あるいは、それ以上の者はその道を断念し、

一般企業の就職や公務員試験へと切り替えていた。

わたしは周りの就活ムードに精神を病み、大学を志望した原点である

ブラジル人労働者の支援をする仕事に就きたいと思い、人材派遣会社に就職したいと思っていた。

実際に派遣会社の社長に会い、貴重な時間を割いてもらいお話に伺ったこともある。

だが、現実は厳しく食べていけない、お金稼ぎだけではとても無理だと言われた。

そして何より、今や派遣切りが相次ぎ、ブラジル人労働者は帰国ムードの真っ最中で

需要も減少してきており、いつこの会社も潰れるか分からないとのことだった。

わたしのスターバックスの抹茶フラペチーノ(ベンティサイズ・チョコチップ入り)のように

甘い就職観は物の見事に崩壊したわけだ。

その業界での就職を諦め、わたしは他の民間企業への就職を考えようとした。

だが、わたしにとってはどんな仕事も魅力的には思えず

周りの「5~60社回った」という言葉に耐え切れなくなったわたしは

公務員試験へとシフトした。当時、わたしは勉強すればたとえ人格に難有りでも

合格すると思い込んでいた。救いがたいアホだったわけだが。

そしてわたしは、警察官を志望した。

ちょうど、東海地方の県警ではブラジル人の多い地区での勤務で

ポルトガル語を話せる警察官が求められていた。


そのために、わたしは祖父の実家があった三重県を受験した。

だが、案の定 結果は不合格だった。

私より上がザラに居る世界の狭き門で、わたしは挫折したのだ。

わたしは思考を切り替え、地元の府警を受験したが

浅はかすぎるわたしの思いは見抜かれていたのか

当然結果は不合格。わたしは2年もの時間を無駄にした。

家族には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

いよいよ、わたしの精神状態もどん底に陥っていた。

日雇いの引越しのバイトでは、チンピラ口調の社員の罵声飛び交う中で

軍手をはめ、屠殺場へと運ばれる豚のようにトラックに乗せられる自分を

遠くから眺める自分に気付く毎日……

パチンコ屋の深夜の掃除のバイトでは、爺さん婆さんたちと混ざって

掃除をし、タバコだらけの臭いを身にまとい帰宅する毎日……



「何をやってんだ俺は…」と思っていた。

大学で得たのは中途半端に得た語学力と、ブラジルやポルトガルの知識だけだ。

いざ、日本で就職するために役立つわけではない。

必要なのはやはり人格だったということに気付く。


警察官試験のために専門学校に通い出し、面接対策に明け暮れる

毎日をしていた時のことだった。

ちょうど、学校の掲示板に貼り出されていた自衛……軍人募集の張り紙を見つける。


わたしはそこで軍隊の広報局に足を運んだというわけだ。

わたしに対応した広報官は如何にもオフィスワークながらもそれなりに

軍人らしいほっそりとした男性だった。

「すごいねー 君 英語とポルトガル語もしゃべれるんだねー」

「……ええ まあ」

「最近、我が軍も語学に長ける人材が欲しくてねー……通訳官という道も開けるよー」

「……通訳官ですか。」

「そうそう、せっかく勉強したから生かせるって!!

せっかく学んだ外国語を生かせるチャンスだよ!」

「でも、わたしは……体力もないですし……務まるかどうか不安です。」

 それに……望む部署に配属されるわけでもないんですよね?」

「それはあるけど、希望出せば異動もできるしねー」

「……希望は通るんですね。」

当時、わたしはどん底だった。

学んだことを生かすことの出来ない自分に失望し、

どうして手に職の就く大学や専門学校に進まなかったのかと自分を悔いた。

そして、そのせいで今は臑噛りの穀潰しのクソ人間として家族に迷惑をかけてしまっている。

わたしは広報官の言葉に、引き寄せられるがまま軍人という道を歩むことになった。

広報官は、やる気と覇気の無い筈のわたしを合格させるために

無料で受験会場まで送迎してくれたり、面接対策までしてくれた。

普通ならば有り得ないことだ。

採用する側の企業が合格させるために手とり足とりサポートしてくれるようなものだ。

それまでやる気のなかったわたしは、必死になって試験に向けて合格するために頑張った。

そして、見事合格した。




今となっては、その広報官はクソスカウト淫獣のキュゥべぇだったのかと思う。

実際に入ってみてこれほどわたしに向いていない仕事は無いのだと思い知らされた。

一般部隊に入り、わたしも自分にこの部隊は向いていないと思い、

何度も転属希望を班長(伍長)たちに伝えた。だが、返って来た言葉はこれだった。

「伍長にならんと無理やしなぁ~」

わたしは心底 騙された気分になった。

そんなの聞いていない。


どうして、そんな嘘までついてわたしをスカウトしたのか

あの広報官は何故そんなことをしたのか。理由は今では分かる。 

広報官は人材を如何にスカウトしたかが成績になる。

事実、採用シーズンが近づく度に「いいか、スカウトしたら見返りはあるからなー」と

曹長たちに言われたものだ。


要は、わたしは他人の成長の肥やしにされたというわけだ。


アホで 抹茶フラペチーノ並に甘い思考力を持っただけのわたしだったが、

その時、わたしは世の中の理を悟った。

結局のところ、世の中は自分の成長になる肥やしを見つけることだと。



軍人時代、採用シーズンが近づくとよく通りがかる駅の掲示板に張り出される

アニメや漫画テイストの広告を多用した「軍人募集!!」の広告を見るたびに

わたしはこう思ったものだ。

他人を自分の成長の肥やしにするためには

日頃から見下している一般人のチンコ(あるいはマンコ)ですら舐めるのだなぁと。



- /人◕ ‿‿ ◕人\「ぼくと契約して軍官になってよ!!!」


ほむらちゃほむほむの格好をしたわたし 「だまされないでー! みんな、広報官に騙されてる!!」




とまあ、脳内で自分の現状を自虐的に笑ったものだ。

もし、これを見ている人が将来やる気があり、

軍人という道を志そうとするのならばマジで考えてほしいと思う。

だが、「考えてます」と言ってきたところでわたしが言える言葉は

ただ一つだ。 

「いつか分かる時がくる」



長くなったが、補完を終わる。


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