2017年10月22日作品感想
「7つの美徳サバイバル」http://takisugikogeo.web.fc2.com/
滝杉こげお先生作品。
滝杉先生の作品は、主にニノベ小説の方で、過去にも多く感想を書いてきた。
本作も去年感想を書いた(http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18928&story=7)が、許可タグをつけて早い時間に更新して頂いたので、私自身が決めたルールだから優先して感想を書くことになるのは仕方がない。
仕方がないが、はっきり言ってそんなに乗り気じゃない。
順番を飛ばして別の作品を扱おうかと思った。
滝杉先生は毎回感想企画に合わせて更新を合わせてくださるのだが、その対象となった作品はどれも完結していない。消すか投げている。それも私の感想が出されてからそんなに経ってもいない時期にだ。
私の感想が筆を折らせたのなら申し訳ないし、もしそうなら感想を書かない方がいいのでは?と考えてしまう。
でもまた更新を合わせてきたということは、滝杉先生にとって私の感想が何らかの役には立ったのか、喜んでもらえたのか、もしくは物足らなかったのか。何なのか分からないが、書いて欲しいのだろう。では、ちょっと心が折れそうになっているが、今回頑張って読んでみた。
ご覧の通りの低画力だし、これまでの作品を読む限りでは大して面白くもない上に投げばっかりの作者の作品なら、万が一にでも完結したら読もうというぐらいに考えていて、連載を追いかけてはいなかった。
いや、新都社だし投げばっかの作家の作品でも、面白ければ読むけどね。
のごみ先生やキムチ先生の作品は読んでる。
前置きは以上。
低画力とは言ったが、最低限何をやっているかは大体分かる。新都社漫画だし、話を見せたいのならこれで十分ではある。引き合いに出すと失礼かもしれないが「格闘の丼」的なテイストを感じる。それに、小説では殆ど誰にも注目されていないと感じる作家なら漫画を描くのはメリットが大きい。滝杉先生の作風も、小説より漫画の方が読みやすくて良いと感じる。
話の方は、異能バトル物として中々盛り上げてくれている。価値観(美徳)の多様な参加者が、美徳に沿った異能の力でデスゲームをする内容。運営の神はうさん臭いし、参加者同士の駆け引きも見どころがある。
面白かったのは「忠義」の主人公と「友情」の参加者による会話の部分。主人公は兜をずっとつけていて表情が読めないし、「友情」もずっと作ったような笑みを浮かべるだけで表情が読めない。台詞の調子と、僅かな表情の違いに気づかないと感情が伝わってこない。低画力ゆえのポーカーフェイス。これは一周回って緊張感があって面白かった。
滝杉先生の書いていたニノベ小説「「欠」能力者バトル」と割と共通したところがある。ただ、「「欠」能力者バトル」は、コロコロ連載漫画のような子供向けっぽさと物語の起伏の無さと文章力の低さを感じてしまい、浅いし長いしで正直読むのは苦痛だった。
恐らくだが、「「欠」能力者バトル」の時と、本作では書きたいものの根っこ部分は同じなのだと思う。そして本作では、見た目に反してより複雑で大人向けとなっており、意外な読み応えがある。「望む過去を手に入れられる」というデスゲーム優勝者への報酬も一風変わっていて面白そうだ。
そういう意味では、滝杉先生の成長を感じられる。
中学生レベルから高校生レベルにはなったと思う。
後は、トーナメントは七人による決勝戦も始まっていない予選段階だ。このペースだと完結までまだまだかかりそうである。前に感想を書いたのが連載が始まったばかりの一年半前だ。それだけかかってこの程度の進捗ではやはり完結は望み薄かもしれないが…。
滝杉先生の作品は小説・漫画色々と見てきたがこれが一番良い。ぜひ投げずに完結にこぎつけて欲しいところだ。
また、滝杉先生に言いたいことはこれで言いつくした。
もし他の作品で更新を感想企画に合わせてこられても、感想は書かない。
もし書くとすれば、本作を完結させた時としよう。
以上です。