トップに戻る
<< 前
次 >>
終電のない夜
単ページ
最大化
最大化を戻す
▼
いつの間にか雨上がりの夜。
ネオンと雑踏が乱れる大通り。
足元の水溜まりはそれらを反射し、ここをより一層煌びやかな街にする。
アルコールの効いた頭と身体には夢のように感じる。
行き交う人々はみな笑い語らい、道端に倒れている者でさえ微笑んでいる。
働き者たちの賛美歌は高らかに響き渡る。
その声をかき消すように一陣の風が吹いた。
僕は芯から凍えるような寒さに現実を思い出すと、夢の世界に背を向けて、ガード下へと足を進めた。
9
▲
秋乃シショホ 先生に励ましのお便りを送ろう!!
sage
〒みんなの感想を読む
<< 前
次 >>
トップに戻る