12月23日新都社オフ会レポ(12月24日16:38更新)
新都社オフ会レポ 文藝版
さて、早速だが俺は今東京に居る。それはそうだ、新都社オフ会は東京、渋谷で開催される予定だからだ。
というわけで今日、十二月二十三日、日曜日。新都社オフ会の日が来てしまった。
だからこそ俺はこうして漫画喫茶に泊まっている。まあ、仮眠用の椅子が全部占拠されていたので30分しか寝ることができなかったんだけどね。……もちろんここは漫画喫茶、漫画と言うからには漫画を読むしかない。とてつもなく暇だったので、俺は中途半端な眠気と戦いながらワンピースとベルセルクと拳児を全部読んだ。とても面白かった。
「ぐおおおおお、ぐうううううう。ぐごっ、がっ、ぐううううううう」
ただひとつ不満があるとすれば、俺の隣に座っているオヤジのいびきが非常にうるさいという点だ。しかも椅子から転げ落ちて床で眠っている。ズボンがずり落ちている。ジュースが服にかかって悲惨なことになっている。タバコの灰もかかっている。……そのひどい有様を注意しない店員もどうかと思う。
そんなことはどうでもいい。
現在の時刻は七時四十四分、朝だ。後十五分でナイトコースの時間が切れてしまう。二十二時から八時まで1500円と、中々に良心的なこの金額は、年に数回東京に来ている俺を救ってくれる存在。しかし三時間800円は高い。
だからこそ俺は迷う……! 800円出して“るくるく”と烈火の炎と私を月まで連れてってを読み直しハチワンダイバーの新刊とガッシュの新刊を読むか、800円を交通費にして朝から適当に散歩と洒落込むか……!
そんなことはどうでもいい。
というわけで今日はオフ会です。
オフレポ漫画を描く人が居ると思う。もちろん俺は小学生レベルの落書きは描けても、漫画なんて描けやしない。だからこそ文……! リアルタイムで書きなぐるという暴挙っ……! 俺には情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さが足りなくとも、文章という速さがある……ッ! だからオフレポ小説もどきを書きます。
オフ会に来るやつは覚悟しろよ^^ 不用意なことをしゃべった瞬間、俺の携帯についているメモ帳が火を噴くぜ。
いち早くどんな感じだったのか知りたい方は、今日の深夜あたりを要チェックだ!! たぶん更新するぜ!! とか書いている間に八時過ぎてるね!! 10分毎に60円追加だよ!! 意外に痛い!! とりあえず800円払ってくる!!
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オフレポ小説予告!!
――この時、僕はまだ知る由もなかった。まさかあんなことが起こるだなんて。
犬野郎「おう、かおすカンブリア、ちょっとツラぁ貸せや」
ガム「な、なに? みんなどうしたの……い、いやっ、やめて!」
――ねとらじ界でぶいぶい言わす、犬野郎の毒舌が今日も唸るッ! そしてガムの身に何が起きたのか!?
KARISUMA「わたしは黒江との戦いを忘れませんよ……ええ、腹いせにイッパゲ、彼には消えてもらいました。私を怒らせるようなことがあれば、あなた方も容赦しませんよ……!」
Mrs.Bowjack「俺の就活は108式まであるぞ……」
――圧倒的な力を見せるKARISUMAに対し、婦人、余裕の笑み!
鬼介「俺をどうするつもりだ! や、やめろ、俺を弄るな……うわあぁあぁあぁぁあ!!」
2「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うが=なぐる ふたぐん!」
――ねとらじで散々弄られた鬼介が、リアルで危険《あぶない》! そして唐突にクトゥルフを召還し始める2《ふたぐん》改めYOYO!
VIP★りヵちゃん「わたしは……何度でも蘇るさ……!」
いし「MIXING PAINTS……? なんですかそれは……?」
――圧倒的な力を持つりヵちゃんの復活、歴史を改ざんするいし……!
卜雨「富樫だってやれたんだ……俺にだって出来るはずさッ!」
Jr「わたしは思い出になどならんよ」
――いつになく途切れることのない闘志《連載》を燃やす卜雨! 忘れるわけがない、南無駄ヒロシJr!
rusna「わたしが……文藝……? 馬鹿な、一枚絵すら描けぬ者と同列に見ないことだな……!」
MOYASARE「力を蓄えるという意味で休載になったが、ふっ、力を解き放った時に腰を抜かすなよ」
――文藝でありながらダークサイド《絵描き》へ堕ちたrusna、MOYASAREの解き放たれる力とは……!?
藤岡隊長「私が藤岡だ。……ショッカー? あぁ、奴等との戦いは一生忘れないだろう」
他六名「待っていろよ馴れ合い作家共……俺たち正義の鉄槌は、今まさに下されようとしているッ!」
――藤岡隊長の隠された過去とは? 名前を伏せ、馴れ合い作家の首を刈り取らんとする者達の正体とは!?
このオフ会、一体どうなってしまうというんだ……! つづく
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続・新都社オフ会レポ 文藝版 最終回 『全てはハンニバルに帰結し、馴れ合いと結す』
注意 先生っていちいちつけるの面倒だから敬称略するお^^
また、多少は誇張している部分もありますが、基本はノンフィクションです。俺が見聞き出来た範囲は全部書きます。
時刻は午前九時を過ぎていた。昨日に比べ天気もよく、鞄に収めてある折り畳み傘の出番はなさそうだ。
俺は今、漫画喫茶に居る。上で色々と読むといいながらも、実のところ“めぞん一刻”を読んでしまっている。……生ぬるい風呂のような三角関係は、俺の睡眠欲を刺激するに十分と言えた。
気付いたら午後三時を回っていた。
ブーッ、ブーッ、ブーッ
携帯のバイブレーション機能が机の上で発動されている。止まる。……画面を見てみれば、着信件数21件という文字。そういえば東京にいる友達と会う約束してたんだった! てへっ!
《いまどこー? さっきからずっと電話してるんだけど――》
留守番電話に録音してあった声は、間違えるはずもない友人の声。俺より一つ年上のくせに、未だに声変わりをしていないという奇跡を秘めた友人。背も160cm程しかないので、ああ、放っておけばショタ好きお姉さんに襲われること必至だろう。
俺はゆっくりとモーニングコーンポタージュを楽しみながら、三十分後に友人の待つBig funへと辿り着いた。(今回は平和島にある漫画喫茶に寝泊まりしているんだ!)
「やー、二日ぶりー」
「おう。もう一人は来れないっぽいから、適当になんかしようぜ!」
挨拶を言う友人に対し、俺は残り少ない時間――新都社オフ会は午後五時四十分から始まる――を有意義に過ごすため、さっさと歩く。とにかく何か楽しめないかと考える。
そこで目に付いたのは海洋深層水露天風呂の文字。……風呂、銭湯、シャワー。
とてもどうでもいい話になるのだが、俺は毎日起きた直後にシャワーを浴びる。そう、慣れない場所の所為か、今日はいつも以上に寝汗を感じている。俺の足はもちろん銭湯に向かった。
「銭湯かー。やることないし、僕はおっけーだよ」
「もちろんオッケーと言われなかろうと、俺は行くんだけどな。よし行こう」
この友人、実は今日、実家がある鹿児島に帰ってしまうのだ。だからこそ、俺はこうして一緒に遊ぼうとしている。急に色々と面倒になったので、オフ会直前まで飛ばすわ。
友人と別れた俺は、余裕を持って行動できるようにと、少し早く電車に乗った。平和島から品川へ、品川から渋谷へ。
オフ会についての詳細メールには、ハチ公前に集合と書かれていた。渋谷には一度来たことがあるので、そこら辺の抜かりはない。着いた。
時間を見れば午後五時丁度。集合予定時間までには、少し余裕がある。少しの余裕と言うよりは、暇を持て余してしまっていた。
仕方がないので、俺はmixiのTOPを携帯で見る。最新のマイミク更新日記を見れば、鬼介の文字――本当はそんな名前じゃないけど、わかりやすいように――がある。もちろん見た。何故なら、彼も今回のオフ会参加者だからだ。
タイトル:早くつきすぎた 2007年12月23日16:21
本文:超暇人伝説鬼介
俺より三十分以上も早く着いていますね。
正直な話、俺はこの心寒い都会で暇をつぶす方法など知っていない。漫画喫茶も映画も、四十分という時間内では持て余す。非常にデリケートな暇さ加減。
俺がその日記にコメントするに、そう時間はかからなかった。
名前:俺(俺の名前もわかりやすいよう変えてある) 自分のコメントを削除する 2007年12月23日 17:02
本文:俺も少し早かった\(^o^)/
書き込みを完了。あとは、鬼介の返信を待つだけだ。
――これは巧妙な心理トリック……! 同じ境遇の者を見つければ、その者に近づくという、言わば人間の仲間意識を利用した行動っ……!
もちろん返信が来た。
名前:鬼介 2007年12月23日 17:07
本文:どこでぃ
本文がそれだけ……だと……?
いや、確かに奴は“どこだ”と聞いているあたり、合流の意思があるのだろう。だがしかし、四文字で合流できるとは思えない……!
相手の同意を得た俺は、確実に合流しようと、どこにいるかを伝えた。
宛 先 : 鬼介
日 付 : 2007年12月23日 17時13分
件 名 : オフ
本 文 : ハチ公口の喫煙所っぽいとこ
完璧っ……! 鬼介がタバコを吸うということは前もって知っている。時間を持て余したとなれば、一度はここでタバコを吸っただろう。
わからないはずがない……まさに完璧な情報源……! 送った後で、俺は合流地点を決めても互いを認識するための方法を伝え忘れていることに気付いたのは言うまでもない。
差出人 : 鬼介
日 付 : 2007年12月23日 17時15分
件 名 : Re: オフ
本 文 : いねぇ!
案の定、そんなメッセージが届いてきた。
いねえもなにも、俺とお前は誰が誰なのかわかんないだろうが。いねえもクソもねえよ。俺はmixiでお前の写真を見たことがあるが、お前は俺の顔を知らないだろうが。
自分にも少しは否があると感じながらも、俺は返信する。
宛 先 : 鬼介
日 付 : 2007年12月23日 17時16分
件 名 : Re: オフ
本 文 : 目印がねえ。
そのままの気持ちを送った。俺は間違ったことを言っていない。……でもちょっと悪いことをしている気分になった。
送ってから数分も経たないうちに、新たなメッセージ。もちろん鬼介からだ。おれはぐだぐだになってきたやりとりに、形容しがたいイライラを感じながらもメッセージを読む。
差出人 : Yu38.
日 付 : 2007年12月23日 17時17分
件 名 : Re: オフ
本 文 : ゴーグル首につけてるよ俺
ゴーグル……だと……!? そんなバカな。デジモンアドベンチャーの主人公じゃあるまいし、そんなものをバイクに乗らない奴が現実でつけているなど、到底考えられるわけがない。
――すぐ目の前に座っていた。
色々と認めたくなかったが、間違いなく目の前――正確には左斜め前方――に、mixiで何度か見たことのある顔の男が首にゴーグルをつけていた。……マジでつけていた。
俺はそんな感じで見つけたのだが、目の前の鬼介は俺にまったく気付く様子がない。それはそうだ、俺が目印を言う前に鬼介が自分の目印を言ってきたのだから。俺は悪くない。
そんなことを考えていると、急に鬼介が立ち上がる。……正直俺は怖かった。顔つきは全然違うのだが、いつぞやに変態蔵が“鬼介に飯を届けてきた”ことを漫画化した際に、変態蔵の妄想として描かれていた鬼介像に雰囲気が似ているのだ。
パツキンで耳や口にピアスを付けているだけでも俺にとっては恐怖の象徴なのに、極めつけとして目つきが非常に悪い。とても鋭い。もし道端でぶつかってしまったら、ガン飛ばされただけで諭吉さんを何人か置いて逃げ帰ってしまうだろうと、変な考えに至るほどまでに怖い。まあ一度も会ったことがないわけだし、警戒するのは当然だけど。
だから、俺は正面を通り過ぎてゆく鬼介に声をかけることが出来なかった。よく見るとカラコンっぽいのもつけてやがる。マジ怖い。……そう思いながらも、俺を探してくれているのだろうと考えれば、むしろ俺が悪いことをしているという考えに至ってしまう。
咄嗟に通り過ぎた鬼介の背中を見れば、服に大きく描かれた“鬼”の文字。……どこの豪鬼だよお前。
しかし、いつか鬼介が自分で服に描いたと言っていたことを思い出す。……何を恐れているんだ俺は。相手がどんな姿をしていようと、新都社作家に変わりはないはずだ。
「……あ! 鬼介君じゃない?」
勇気を決して話しかけてみると、やはり目つきの悪さが目立つ。正直真顔で見つめられると小便ちびりそうです。
「あ、ごめん。俺俺、俺だよ、俺先生だよ」
「ああ! あ? ああ、ああ」
なにやら俺の身なりを見ながら、何かを納得している。俺ってそこまでイメージ違うのか。……まあ、鬼介より相手に警戒される身なりだとは思えないけどね。俺はごく普通の格好だからね。
20分後
「ピンクの鞄でサントリーのウーロン茶を持ってる奴居ないんだけど。ハチ公のすぐ目の前に居るのに誰も来ないんだけど。それらしい人居ないんだけど」
「もうすぐ時間だけど、ホントにいませんね」
ねとらじやTSで話したことがあるからだろうか、俺と鬼介は会ってから数分と経たずに会話が弾むようになっていました。今思えば疑問しか湧き上がりません。オフ会の神秘です。
「集合場所はハチ公前で合ってるもんね。主催者が遅れることってあるんかな」
「連絡してみようか」
「あぁ、そういやメールにアドレスと電話番号あったね。メール送ってみるわ」
集合時間まで残り三分。さすがになにかがおかしいと感じた俺は、すぐさまメールを送ってみる。
何故か相手に届きませんでしたと、メールが付き返された。
「メール届かねえええええ」
「あ、じゃあ俺電話してみますよ」
「あ、お願い」
俺役立たず。
電話をし終えた鬼介の言うところ、主催者もといガムその他ほとんどは既に集まり終えているという。なんでだ。なんで一時間近く早く着いた俺よりも先にほとんどが集合しているんだ。まさか変態共か。一時間以上前に待ち合わせ場所で待っているとか言う、昭和ラブコメ顔負けのことを平然としでかしたというのか。……けど、それだったら俺たちが見つけられないのもおかしい。何かがおかしい。
もやもやした感覚に苛みながら、鬼介と一緒にガムを探す俺。ハチ公付近にそれらしい人影はない。というか、居たらもう既に合流しているはずだ。
「やっぱいないし、俺も電話してみるわ」
「俺先生が?」
「このまま探しててもわからんし、なにより集合時間を過ぎちゃってる」
「まじだ」
俺はメールを開き、そこに書いてある電話番号を打つ。電話がつながった。
「もしもし?」
「あ、もしもし、俺、俺だけど!」
女の人の声。よし、ガム先生で間違いないようだ。
「どなたですか?」
「俺だってガム先生! 俺先生ですよ!!」
「……ちょっと待っててくださいね」
「あ、はい」
ガムが予想以上にテンションの低い声で、思わず俺は何かいけないことを喋ってしまったのではないのかと考える。自分で俺先生です、なんて寒いことを言った所為なのか。俺俺詐欺っぽくなってしまったからだろうか。
ちょっと待っててくださいね、と言って保留中の音楽が流れ始めた電話の向こう側に、俺は神経を研ぎ澄ませる。なんにせよ、ガムに聞かなければ俺はいいとしても鬼介までもが合流できなくなってしまうのだから。とか考えてたら保留中の音が切れた。
「もしもし、ガム先生。今どこにおられるんですか? 俺と、あと隣に鬼介先生がいるんですけど」
「……あの、かけ間違いだと思うのですが」
「え……? え? ……あ、いや、すみません。失礼致しました」
まさかのかけ間違いだった。鬼介がさっき電話した番号を見てみると、あぁ、そうだね、確かに一見一緒に見えるけど、こりゃあ5と6を間違えている。幼稚園年中組ですらこの失敗はしないだろう。
まったく知らない人に電話をしてしまったという魂を擦り削る事柄を忘れようとしながら、俺は今度こそガムに電話をかけた。
無事、ガムと合流した俺と鬼介は、知っている顔知らない顔を分別しながら慎重に他の作家と話していた。鬼介はともかくとしても、俺にとっちゃこれが始めてのオフ会だ。変な印象を与えれば、2chという匿名を武器にした暴言の数々を食らいかねない。俺の作品コメントにまでそんな被害があろうものなら、俺は……別にどうでもよかった。
そうそう、帰ってから気づいたんだけど、よくよくオフ会詳細メールを見てみれば、集合場所はハチ公前じゃなくて ハチ公口出入口前になっていた。……よくある話だ。
「もしかして、俺先生ですか? ……ふふ、いつぞやの麻雀ではお世話になりました」
(おいおいリアルで“ふふ”っていう奴初めて見た。しかもいつぞやの麻雀ってなんだよ。というか身長でけえ。175ある俺よりもこれだけ明確にでかいってことは、180は余裕で超えてるだろうな)
「あの、俺先生? ですよね?」
「すみません、俺先生で間違いないです。けど、いつかの麻雀ってのはなんだ」
俺がそう言ったところで、何者かが俺と身長でけえ奴の間に割り込むような形で近づいてきた。誰……だ……!? 顔と名前が一致しないぞ……!?
「ほら、麻雀大会した時の“新都読者”さんですよ」
正直割り込んできた奴は誰なのかまったくわからないけど、この目の前にいる背のでかい奴は新都読者、という一緒に麻雀をしたことがある人だったらしい。
「顔と名前が一致しない。鬼介君、誰が誰だかわかるかい」
「俺はまぁ、何度か会ったことある人もいるし。向こうは多分婦人」
婦人、いろは君の人か。最近では就活漫画の人、のほうがわかりやすいのかもしれないけど。
「どうも、俺です。こんばんは」
「あぁー、こんばんは」
当たり障りのない挨拶だが、これはこれで重要なんだ。ネットで知っているといっても、所詮は初対面。最低限の常識を以って行動しなければ、空気読めないの烙印を押されてしまうだけ……! ホント、オフ会は地獄だぜ……!
「はい、というわけで、これでほとんどの人が集まったようなので、場所を移動したいと思います! 私についてきてください」
「「「「「はい」」」」」
なんやかんやと複数の人と当たり障りのない挨拶を交わしたところで、ガムが移動を開始。未だに顔と名前が一致できない俺は、最初に会った鬼介君とばかり喋っていた。
でも鬼介君は夫人と喋っていました。……仕方がないので聞き耳を立てることに。
「……で、向こうのフードかぶってるのがリヵちゃん」
「「うっそ!?」」
ついつい鬼介君と一緒に反応してしまった。
少し前を歩いている、モコモコがついてるフードをかぶっている人があのリヵちゃんらしい。まじかよ。最近何してるんだよ。つい思ったことをそのまま言ってしまった。
「リヵちゃんってもう漫画描かないんだろうか」
「あー、確か受験だとかなんとか」
「受験……!? あぁ、そうか。そんなことをブログに書いてたね」
「まあ俺は学生のことなんてわからないけどな……!」
「さすが鬼介……! 俺だってわからねえ!」
なんか知らないけど、鬼介は他人と思えない。話が弾んでしまう。変なテンションで話が弾んでしまう。たぶん最初に一対一で会ったので、顔を覚えれたからだろう。
鬼介と婦人、まだ顔と名前が一致していない人、俺。そんな塊で歩いていた。前のやつら歩くのはええんだよ、もうすでにまとまりねえ。そんなことを言いながら。
そういえば、犬野郎とあんまり喋っていない。いや、今はずっと前のほうに行ってしまっているからだけど、こう、もうちょっと話が弾むものと思っていた。たぶん最初に俺が悪乗りしすぎた所為だと思う。
『犬野郎だったんですかwwwwwまじイケメンっすねwwwwwwwwwwぜってーリア充だろwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』
『だから俺はリア充じゃねーってwwwww』
向こうも笑っていたから、それは大丈夫だよね!
とまあ、そんなこんなで、俺たちは目的地である“アルカトラズE.R”に着いた。正直な話、何回か目印にしていたリヵちゃん――フードをかぶってるからわかりやすい――を見失いそうになった。
エレベーター前に着き、一旦、ガムが仕切りなおす。
「いない人は手を挙げてください!」
ひどい。
と、そこで俺は思い出す。移動中に、2の人からメッセージが来ていたのだ。少し遅れるという話だったので、俺はガムにその節を伝える。
「あ、さっき連絡ありました」
ひどい。ひどくないけど。
なんか悔しかったので、俺はもう一人のことを聞く。
「藤岡隊長は遅れてるんですかね」
「……あ、俺です」
「おお!?」
ごめんエレベーターに一番近い位置にいた。
怖そうなイメージがあったんだけど、逆にすごく温厚な顔つきをしている藤岡隊長。でも、結構いい体つきをしていたので、思わず俺は小声で
「怒らせたらライダーキックされそうだ」
と、言ってしまった。隣にいた鬼介に真顔で“え、なに言ってるのコイツ”みたいな目で見られた。そのまんま何言ってるのって言われた。俺が悪かったです。
二十人以上もいるので、何回かに分けてエレベーターに乗り込む。やばい男だけのすし詰め状態。
「うほっ……男だらけの新都社オフ会……ぽろりもあるよ……」
「男のぽろりなんていらねえwwwww」
「ぽろりって言うよりもぼろりのほうがいいかもしれない」
「何を出すつもりだよwwwwww」
鬼介は他人とは思えない……。
店に着くと、入り口で少しの間待機させられていた。待っていると、急にピンクのナース服を着たお姉さんがやってきた。
「本日は精神病棟云々。では、手錠をかけさせてもらいます」
ここ精神病棟だったんだ。手錠かけるんだ。……これなんてプレイ? しかもリヵちゃん手錠かけられてるよ。ちょっと羨ましいんですけど。
「次はお注射です」
「ほら、誰かっ。小屋やりなよー」
ガムのテンションが上がっている。そんなことよりも、今小屋って言わなかったか。小屋って言ったか。マジかよ!! 他六名の内、一人は小屋だったのか!!
小屋が注射されちゃう!!111
「すこしビリっとしますけど、我慢してくださいねー」
「……」
小屋黙ってる!! ビリってしちゃう!! というか注射でけえ!! 俺の腕の長さくらいある!!
「はいっ、嘘です♪ スタンプでした♪ では、こちらへどうぞー」
ナースさんかわいい。
どうやらでかい注射器はスタンプだったようです。手の甲に押されたスタンプを見つめる小屋。それを見つめるみんな。……とりあえず部屋に向かった。
部屋に入る直前、リヵちゃんの手錠が外された。恨めしそうな顔をしているけど、おいしい役でよかったね!
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オフレポ小説予告!!
俺「まさか、最初の選択によって、こうまで変わってくるとはな……ここは闇だ。目の前の光が眩しい」
――突如出現する、机と机の間の壁! 若さに満ち溢れた光が、俺たちの心を焼く!
鬼介「俺先生の家を燃やしてやる」
いし「マリ見ての新刊が発売されます!! 皆さん買ってください!!111」
――俺と鬼介の間に何があったのか!? 復讐を誓う鬼介!! まさに百合漫画作家の鏡、いし!!
犬野郎「あ、これ描いてください、鬼介先生。……あ、俺先生は描かなくてもいいっすよwwwww」
Jr「ロッコマンはね、三人で描いていたんですよ。わたしは、南無駄ヒロシJrの内……Jrです」
――スケブ(笑)を俺に渡してくれない犬野郎。Jrが明かす驚愕の事実!! 実は俺が知らなかっただけ!!
新都読者「オフレポじゃ、絶対に正体を書かないでくださいよ。今回はあくまで匿名ですからね。ほんとに書かないでね」
かおすカンブリア「俺先生の作品、好きですよ」
――実は俺も正体を知らない新都読者!! なんかべた褒めしてくるかおすカンブリア!!
goo「スクリュードライバー。スクリュードライバー。スクリュードライバー。触手いいよね! 産卵とか最高ですよ!!」
ト雨「……」
――スクリュードライバーを注文し続けながら、触手という共通の好みを語るgoo!! 黙々と漫画を読み続けるト雨!!
2の人「前世会に入りませんか? あなたの前世が危ない」
rusna「最近は絵ばっかりですね。……小説はちょっと」
――遅れて登場し、唐突に怪しいものをすすめる2の人!! もうコイツは文藝をやめてしまったのか、rusna!!
リヵちゃん「これね、今プレミアついてるんですよ! 古本屋とか行って探すんですけど……amazon? プレミアついてるんですよ!!」
藤岡隊長「とらのあなをやめて、私は会社を作った。30万あれば、誰でも社長になれますよ」
――リヵちゃんが熱く語るプレミアがついた物とはいったいなんなのか!? そして、明らかになる藤岡隊長の過去と目的!!
MOYASARE「実は、今回原稿を持ってきたんですよ」
婦人「ケツを触られた……」
――まさかの投稿用原稿を持ってきたMOYASARE!! そして、婦人の身にいったい何が起きたのか!?
このオフ会、最後まで油断出来ない……! もちろんつづくッ!
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注意! 俺が喋れなかった作者もいるので、多少偏った内容になっています。この作家のことがあまり書かれてないぞォォォォ!! という方は、他のオフレポを待ちましょう!
また、予告は多少台詞の改変をしてありますが、内容はノンフィクションです。もちろん苦情が来てもスルーするお^^