第八幕:秘密結社I・S・C
「でもね、あのマダム・カガミは、本当にヤバい人よ…」
と、小夜子は声音を変えます。
「どんな人なの、ってうか、どういう組織に所属しているの?」
寛幻はもっともな質問をぶつけます。
「あの人はI・S・Cという秘密組織の中心人物よ」
「あいえすしー…? 何の略かな?」
「…International sperma collectors…つまりは男の子のね…珍しい精子を求めて世界を暗躍しているの」
「そんなのを…集めてどうするのかな?」
「優秀な人物の精子を高く売ったり、何かに活用したり…」
にわかには信じがたいことですが、その淫靡な言葉に寛幻は妙な気分になるのです。
そんな美少年の微妙な感覚を察したのか、お姉さまは少々悪戯っぽい口調で囁く様に言うのです。
「ところで…寛ちゃんも…採取されちゃったみたいよ」
これには寛幻も端正な貌を真っ赤にして、俯くばかりです。
(ああ、やっぱし僕…夢精しちゃったんだ…っていうか、あれがオナニー…それも小夜子さんお前で!)
初の自慰行為を、あのマダム・カガミの手で遂げさせられ、恍惚の表情をお姉さんに見られたことへの屈辱感がふつふつ湧いてきます。しかも、あろうことか、後ろ目に小夜子嬢の艶めかしいわきの下や、乳房の横側が見え隠れし、またまた寛幻の性感を弄びます。すると、自然に11歳の健全な男児のシンボルがまたまた元気になってきて…。
「ま、まあまあ、仕方ないわよ。男の子だもん」
と、お姉さんらしい砕けた口調で気遣う小夜子さん。この危機的な状況で、少しでも寛幻の恐怖を和らげようという配慮かもしれません。
「ぼ、僕たち、いつまでこんな風に縛られたままなのかな? 一生囚われの身、とか?」
「わからないけれど…I・S・Cは、お姉さんが何か秘密を握っているって疑っている以上、簡単には帰してくれないでしょうね」
「だとすると、小夜子さん、またゴーモンされるのかな?」
覗き窓から睫毛を震わせながら拝んだ、小夜子嬢の折檻シーンを思い返し、さらに股間を熱くする寛幻。
「寛ちゃん…お姉さんがあの人たちに責められている姿を見て、コーフンしちゃったんでしょ?」
改めてモッコリさせてくれた御本人様から指摘されると、下腹部がわだかまります。が、事実なので仕方がありません。
「もう、エッチなんだから!」
と、ぷんと咎める様な声で怒った『疑似演出』をしてくれるところも、この知的で優しい令嬢への憧憬を刺激します。
「ごめんなさい…女の人のピンチって…興奮しちゃって…それも小夜子さんが…あんな目に遭わされてるんだもん…」