聞こえてきた謎の声を無視していいのだろうか
僕がうなづくと、女の子は僕に背を向けて歩き出した。
僕はそのあとについて行った。
「ねえ、きみって違うところから来た人でしょ?」
女の子が僕の方を振り返って言った。
もちろん日本語じゃなくて僕にはもともと分からないはずの言葉で喋っているんだけど、意味は伝わってくるのだ。
「うん、ええと……」
僕は言いよどんだ。
どう説明すればいいだろう。
と言うか、僕の身になにが起きたんだろう。
学校で急に意識を失って、ジャングルの中で目を覚まして……。
「うふ。見たこと無い服装だからすぐに分かったよ」
楽しそうな表情で女の子が言う。
「うん」
僕はとりあえず言葉を返した。
「僕がいたのはここから遠いところだと思う。ここはその、近所じゃなさそうだ」
「気がついたらここに来てたような感じ?」
女の子は行く手を遮る細い枝をかき分けながら、そう聞いてきた。
僕はそのあとについて行った。
「ねえ、きみって違うところから来た人でしょ?」
女の子が僕の方を振り返って言った。
もちろん日本語じゃなくて僕にはもともと分からないはずの言葉で喋っているんだけど、意味は伝わってくるのだ。
「うん、ええと……」
僕は言いよどんだ。
どう説明すればいいだろう。
と言うか、僕の身になにが起きたんだろう。
学校で急に意識を失って、ジャングルの中で目を覚まして……。
「うふ。見たこと無い服装だからすぐに分かったよ」
楽しそうな表情で女の子が言う。
「うん」
僕はとりあえず言葉を返した。
「僕がいたのはここから遠いところだと思う。ここはその、近所じゃなさそうだ」
「気がついたらここに来てたような感じ?」
女の子は行く手を遮る細い枝をかき分けながら、そう聞いてきた。
「うん、そうなんだよ」
僕は驚きながらも返事を返した。どうして分かったんだろう?
「たまにね、そういう人が現れるの」
「それって……!?」
僕が詳しく話を聞こうとした時、僕は誰か、第三者の声が聞こえるのに気がついた。
「あたしも詳しくは知らないけど、遠い国の人が、突然この辺りに現れるってこと、たまにあるらしいの」
女の子はそれに気づいていないのか、普通に話を続けている。
「待って……なんか、声聞こえない?」
彼女の話もとても気になるところだったが、僕は話をさえぎった。
「声? ああ。気になる?」
「少し気になる……」
正直に答えた。
すると、彼女はニカッと笑って、
「じゃ、あの声の方に行ってみようか」
そう提案した。
この感じだと、僕がわずかに聞こえると感じた声の正体を、この女の子は分かっているのだろう。
そしてそれは僕らに危害を加えるものではない、と言うことなんだろうけど……。
なんだか、女の子はその声の方に行くという選択肢に、乗り気になっているようだった。
「うん、行ってみよう」
僕は答えた。