遠い町で暮らしている僕のちんちんから手紙が届いた。
「結婚しました。そちらには戻りません」
とても簡潔な別れの手紙だった。
僕はちんちんを失った。
15歳を迎えた男子はちんちんを旅に出す。それが古くから伝わるこの村の風習だった。旅に出て強く鍛えられたちんちんは、たくましい子孫を残すことができた。
だけどそんなのは古い男臭さが現役だった昔の話で、現代では旅に出たちんちんは行き倒れになったり、自由を謳歌しすぎて帰ってこなかったり、僕のちんちんのように、旅先で出会ったまんまんとくっついて帰ってこなかったりする。
ちんちんを失った村人は当然子孫を残せない。多分僕らの世代でこの村は滅びる。
「やはり戻ってこなかったか」
しなびたちんちんの持ち主である村長が溜息をつく。
「旅に出すべきではなかったのではないか」
僕が15歳を迎えた朝に、「ちんちんを旅に出さないという選択肢もあるんだぞ」と村長は言ってくれた。
「でも僕はちんちんを自由にしてあげたい。やりたいことをさせてあげたいんです」
僕はそう言い張ってちんちんを旅に出した。そしてちんちんは恋をして楽しくやっているようだ。
「だがお前はこれからどうするのだ」
僕はそっと村長に寄り添い、マッチョの名残りを残した彼の肉体を撫でた。
「よせ。くすぐったい」
しなびていたはずの村長のちんちんが、むくりと起き上がるのが見えた。