3way 悲愴
なんとなく気づいてきた
人を好きになっても
愛する
自信がありません
愛し方がわかりません
もう
わけがわかりません
俺はいったい何なのか
敷き詰められた
レールの上を
ただ進むのが
嫌だし
ただの人
で 終わるのも
嫌だし
守る存在も無く
死ぬのも嫌
自己破壊して
何かに助けを求める自分も
嫌
何をすれば
いいんでしょうか
俺は
あいつが好きなのは事実
だけど何かと認めない自分が嫌いです
そんな自分を、少し痛めつけました
手の甲に十字傷をつけました
意味はありませんが
振られて苦しんでいるあいつより
ぜんぜん痛くありません
その傷は少し血が出てきて
なかなか止まりませんでしたが
すこし
気が楽になった気もしないのです
次の日
手についてきかれましたが
あえて
ハクをつけるためと
嘘をつきました
しかし
あいつの手首には
紛れも無い赤い一線がありました
苦しいなか
さらに自分を傷つけたあいつの闇は
僕のこの光では照らすこともできない
あいつにもきかれましたが
答えませんでした
むしろ
あいつに答えてもらいたかった
答えてください
あなたと同じ理由だと
すこし
違うかもしれないけど
僕は初めて女の前で泣きかけました
この悲愴めいたこの心に
彼女の言葉が突き刺さる
話はしたいけど
こんな話はしたくない
願わくば、二人きりのときに
僕は聞きません
あなたのその手首については
次の日
手の甲まで覆い被さるような
リストバンドをして
学校に行きました
できれば
この傷は
早く消えてほしい
この存在ごと
手首に傷があっても
僕はあなたを愛します
それが僕の生きる道