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一章\(^o^)/

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第一章 出会い
空は快晴。
いつの時代か、半世紀前のヨーロッパのような
風情のただよう町並み。表通りは数多くの市場や
露店が立ち並び、平民、兵士、商人、
そして貴族。子供から大人まで、無数の人々で賑わい、ごったがえしていた。
表通りから少し奥に入ったところ。
石造りでできた無数の高い建物に囲まれた
薄暗い裏路地の中、両手いっぱいに
大きな紙袋を抱えた、一人の男がいた。

町のはずれの小さな薬屋で
買い物を済ませたその男は表通りへの近道として
その道をあるいていた。
今日も何事もなかったことに感謝し、
上機嫌で歩調を速める男。
この町はいい、生活用品ならなんでもそろってるし、
祭りのように、毎日活気づいている
それになにより、まだ・・・
追っ手が来ない・・・

そんな意も解せぬ不思議な満足感を漂わせながら、
男は路地裏をぬけようとしていた。

ほのかに表通りの光が見え、
人々の行き来する音がかすかに聞こえ出した。

そのたった数秒後だった。
男は、はやる足を止めた。いや、
止めさせられたというべきだろうか

路地を少し入った四角い囲いの中で
男は目の前の光景に、その顔を曇らせた。

「あ、あんた達そこをどきなさいよ!!」

3,4人だろうか、大男達にかこまれ、
一人の小柄な少女がしどろもどろする。
懸命に抵抗したのだろう、大男の内の一人の頬は
無残にも赤みを帯びていた。
大男達は、その少女に一歩一歩じわじわと近づく。
少女は懸命に後退るも壁際に寄せられ、身動きが取れない
目の前に迫る恐怖に、少女の顔はみるみるおびえていく。

男はふと思った・・・。

「あぁ、なんて、なんて“べた”なのだろう・・・」


男のみなりは、兵士・・・いや貧相な平民軽装の上に
真っ黒な足の先まである大きなマントを頭から深くかぶり、
その腰からは左右に一本づつ、
大きさの違う細長い剣がぶらさがっていた。
背丈は一般程度、なびくマントの下から時折見せる
左腕には、肩ほどまである、指先の切れた黒色の手袋をしていた。

目の前の光景に、無償に男は泣きたくなった。
こんなこといまどきあるのだろうか、どこぞの少年誌じゃ
あるまいし、道で襲われる女の子を助ける剣士なんて・・・
いや、そんなことをぶつぶつと語っている暇ではないか
男は、やれやれといった表情で、道の隅に買い込んだ品物を置き
両足に力をいれる。

「そういうわけにはいかないんだよお譲ちゃん!
あんたの親父さんにはずいぶんと貸しがあるんだ!
俺たちにちょっとつきあってもらうぜ!へへ」
そんないつの時代の悪役かもわからんようなセリフをはきつつ
大男達はその小柄な少女に手を伸ばす。

「いやぁぁ!やめてぇぇぇ!」

少女の悲鳴があたりに木霊した。

はぁ、とため息をつく男。
そんな声を合図に男は左の腰にたずさえた小ぶりな剣を右手に取ると
鞘から抜かず、そのまま大男のみぞに柄を軽くねじこんだ。
黒色のマントがかぜになびき、男のこぎれいな顔が露見する。

「う、ごっ・・・!?」

はやわざだった

そう、まさに風

みぞうちを正面からまともにくらった大男は
男にかぶさる状態でピクリとも動かない、完全に気絶しているようだ。
男は大男を剣先で無残にほうりなげると少女の前に
高くそびえる壁のように構えた。
残りの男達は、武器を握りながらも
その男の放つ強烈な殺気に気圧され、動けない。
「消えろ」

その声が発されたとき、周りには、
男達の悲鳴と逃げる足音だけが響いていた。

ふぅ、と一息つき、いまどきこんなのってありか?
と不満を世の中の不条理にぶつけつつも
大丈夫かい?とさわやかな笑みを後ろになげかけてみる男。しかし
そこにさきほど少女の姿はなかった。

「あれ・・・?」

そこには少女のものと見られる髪留めだけが
虚しくおちていた。

男は、泣きたくなった。
助ける前とはまた別の理由で。
男はマントを深くかぶりなおした。



「うん、決めた。あいつにする。」
石造りでできた高いビルの上。
長い白銀の髪が風になびく。
ビルの屋上から投げ出された細く美しい足。
豪勢な漆黒のドレスを着こなし、
さきほどの少女に適当なチップを渡す
ひとりのこれまた小柄な少女。
首からさげられた大きなペンダントは
吸い込まれそうなほどの妖しさを放つ黒。
とても清楚で上品な立ち振る舞いを感じさせる
その少女はうつむき加減で歩く男を背に、
一言つぶやいた。
「決めた・・・。あいつを・・・・
あいつを、私の守護者(なんかあとで名前でもつけっかな)にする」

3, 2

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