小説1・第3話
榎本:「お前、デートに誘われたのかよ! もしかして、北条もお前の事好きなのかもよ」
一樹:「本当かな?1回だけでそう決められないだろ? それと由衣も付いて来るんだ。」
榎本:「まあ、1回だけじゃそうと決められないけどさ。 つか普通、他の女誘うか?」
一樹:「由衣が付いて来ると言い出したんだ。 恐くて断れないしさ。」
榎本:「徳山先輩は逆らうと恐ろしいからな」
そして、当日
一樹:「お~い」
沙織:「こっち、こっち」
一樹:「待った?」
沙織:「ううん、私も今、来たところ」
一樹:「(かわいい... 俺は北条がとても可愛く見えた)」
一樹:「それにしても由衣、遅いな~」
由衣:「ゴメーン、待った~?」
沙織:「おはようございます。徳山さん」
一樹:「今、来たばっかり」
由衣:「どう?似合う?」
一樹:「(こっちも馬鹿にできないぐらい。可愛い。)」
一樹:「う、うん似合う」
由衣:「そう?ありがと!」
由衣:「一樹の服装、まるで電○男みたいだねー」
一樹:「(オイオイ、それを言っちゃダメだろー)」
沙織:「そろそろ始まりますよ」
由衣:「そうだね。行こっ!一樹」
一樹:「あ、ああ」
こうして、俺たちは、映画館に入った。
しかし、この映画は、少女漫画原作であまり興味が無かったのだが面白すぎてつい、他の2人より見入ってしまった。
沙織:「橋本くんったらー、私たちより見入りすぎだよー」
一樹:「ハハハ、面白くって」
由衣:「北条さん、ちょっと来て 一樹、ちょっと待ってて」
一樹:「えっ?う、うん」
由衣:「北条さん、一樹の事好きでしょ?」
沙織:「えっ、そ、そんな事は...」
北条は、顔を赤らめた。
由衣:「わかるのよ。一樹の対する表情で」
由衣:「私も一樹が好き。だから、絶対に負けないから」
由衣は、北条に挑戦状を叩きつけた。
北条はただ、あ然とするだけだった。
由衣:「おまたせー」
一樹:「おせーぞ」
由衣:「ゴメン、ゴメン」
そして、映画館を後にした。
由衣:「じゃあねー」
一樹:「じゃあなー」
沙織:「さようなら」
ポツッポツッポツッザー
沙織:「どうしよう。傘忘れてきちゃった」
一樹:「俺は、折り畳み傘持ってるけど... どうしよう...」
二人とも顔を赤らめた。沈黙の時間が流れた...
沙織:「する?」
一樹:「えっ、いいの? じゃあ」
まさか、北条がそんな発言をするなんて思いもしなかった。 もしかして、由衣に対抗しているのかな?
バサッ
カツカツカツカツ
沙織:「(ギュ)」
北条が手を組んできた。 俺は、北条との距離が近づいたことを感じた。
そして、この時間がずっと続けばいいと思った。
沙織:「じゃあ、また明日ね!」
北条は、今までに無い笑顔を見せて、帰って行った。
<第4話へ続く>