[幕間話]
国家社会主義独逸労働者党―…
NSDAP(ナチス)時代の独逸陸軍に於いて、
"超人"を研究する兵器開発部門があった。
その開発室室長Gerhartは終戦直後、
戦犯静粛から逃れるために隠遁し、
国際地下政党"Dogra Magra"へ
客席の研究員として身を潜めていた。
当時の地下政党は殆どがNSDAP時代から
秘密警察に屈服せず抗戦を続けてきた一派であり、
その一派に対する配慮の為とネオナチ清掃の為に
戦後の混乱に乗じて新たに設立された親NSDAP派組織の
探求が非常に困難であったことをGerhartは察していた。
元来より時間の掛かる超人研究は
"Tiger"や「Acht-Acht」に代表される
戦車主義大砲主義の隆盛に伴い、
本国から不当に低い評価を受けていた為、
数体の被験体を除いて
戦時に制式採用されることはなかった。
正当な評価を望む気持ちと
冷戦や来たる核戦争への不安が
戦後も彼の研究意欲を燃やし、
兵力不足に悩んでいたDograMagraを
大いに助けることとなる。
数年足らずの内に
実用可能な幾つかの開発が成された。
特に特殊甲冑Giga gier(略称Gg)の
装着を前提とした鉄人計画と
調合麻薬Mega Tonic(略称MT)の
服用を基礎とする即席計画は
他に完成した数種類の計画案に較べて
安価であり実行が容易であることから
政党本部の支持を受け、
DograMagra私設軍に於いて採用された。
各一個中隊を預けられた両計画は
鉄人の隊を"鉄虎隊(Iron Tirger)"、
即席の隊を"黒虎隊(Schwarz Tiger)"を名乗り、
共に"人虎隊(Were Tiger)"として総括された。
またMega Tonicを用いて
戦意と身体能力を増強した者が
Giga gierを装着して紛争場へ出撃すると云うことは
肉体的苦痛と精神的負担から主流とはならなかったが、
数十人に一人程度の割合で両立する者があらわれ、
その圧倒的な戦闘力を効率的に活用する為、
遊撃隊として人虎隊とは別系統の指揮による
"戦虎隊(Schlacht Tiger)"と云う精鋭小隊が一個編成された。