一人の男が悲観に暮れている。
冷えたピザ、気の抜けたコーラ、ぼやけたテレビ。
薄汚れたソファー、盛大ないびきをかいてる太った女。
それが男の周りにあるすべてだった。
男はそのすべてのものに不満をもっていた。
すべてを捨てて新しい生活が欲しかった。
しかし、男はそれらを捨てる気力も勇気もなかった。
結局、彼はいつもと同じように暗い部屋でテレビを眺め続ける。
そうすれば何かが変わるとでも言うように。
テレビでは輪郭がはっきりしないタレントがくだらない話をして笑っていた。