トップに戻る

<< 前 次 >>

クマ

単ページ   最大化   

ある日 父のかわりにクマが帰ってくる。

クマは自分の事を父だと言い張る。

母は困惑しながらもクマに帰ってくれと頼む。

クマは「ここが私の家なのに・・・」

と言ってひどく哀しそうな眼で母と僕を見つめる。

母はその目に堪えきれなくなったのか結局クマを家に入れる。

深夜、両親の寝室から母の喘ぎ声が聞こえる。

そして獣のおぞましいうなり声も。

僕は耳を両手で押さえ込んで眠りにつく。

朝になるとクマはいなくなっていた。

「父さんならもう会社に行ったわよ」

そう言う母の顔はいつもより活気に満ちていきいきとしていた。

その日 父は人の姿で帰ってくる。

母は少々、残念そうに「おかえりなさい」と言って父を出迎える。


59

爆竹マンハッタン 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

<< 前 次 >>

トップに戻る