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02 わ〜たしそれともあ〜の子〜♪

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 やはり一週間最後の授業とはそれが究極に楽なHRでもダレにダレまくるものだった。金曜日5時間目のことである。それを誰かに問うてやりたい気になるのだがそれは自重しよう、この佐藤祐樹の寛容なる精神で。
「え~、今日は来月に行われる修学旅行の班を決めるんだが、それについて発表がある。」
 教師は同じ調子で淡々と話し続けた。
「このクラスに3日後の月曜日から転校生がやってくるので、その子が入る班も決めておくように。ちなみに女子だ。後は委員長にまかせる。よろしくたのんだぞ林、二ノ宮。」
 この教師はクラスを自分でなんとかしたくないのだろうか?自主性を育てるためといえば聞こえはいいが、それは放棄なのではないか?
 祐樹は当然それを前にいる武にボソボソと話していたのだが武は聞いてなかった。いつものことだからである、祐樹が哲学っぽい話し方になるのは。
「先生からかわってこの俺林が仕切ります!班は男子3or4人と女子3or4人の6or7人班、これはさっき言ってた転校生も含まれた数だからな。」
「ん?もう転校生の数まで入ってるの?その対応の早さ、まさか・・・アンタだけ先に転校生が来ること知ってたの!?」
 副委員長の二ノ宮はビシッと林に指を差して驚く用に身をのけぞりながら質問した。
 それに答えたのは林ではなく教師矢野。
「しょうがないだろ、あまり多くの生徒には教えたくなかったんだが林に教えないと色々困ることがあったんだから。」
 その言葉を聴いてもクラス内の生徒の文句は消えるはずもなかった。
「ふざけるな~!」
「林だけ知ってるとかずるいんだよ!」
「まさか顔までは知ってないだろうな!?」
 当然林も反論する。
「うるせぇ情報弱者!知らない奴が悪いんだよ!ちなみに顔は矢野先いわく超絶美人らしいぞっ!」
「うおおおおおお!!!!!」
「先生は美人だなんて一言も言ってなんだが・・・」
 矢野の言葉を無視して沸き起こる男子の喚起の声。
「やった!生きてて良かった~!」
「やば、これ絶対俺のフラグだわwww」
「この転校生と俺の恋が始まるんですね?わかります。」
「いや、それは俺だろJK。」
 騒ぎが収まるには5分ほどの時間がかかったがなんとか治まった。初めからあまり興味を示していない男子+その他数名の懸命な努力のおかげである。

「じゃあ、好きな人と適当に班を決めてください、どうぞ!」
 林の掛け声とともに生徒は立ち上がり、数人で固まりだした。
 ちなみにこのスラスは男子17人よって3,3,3,4、4で分かれる、女子は16人+転校生で同じく3,3,3、4,4で分かれる。だから班は6,7,7,7,7になる。
「さて、俺は誰とこの学校最大の行事とも言える修学旅行をすごすべきなのか・・・」
「祐樹、お前帰宅部なんだからそんなに選ぶほどの友達いないだろ?俺と同じ班な。」
「な!勝手に決めるな!俺にだって友達100人できるかな?っていう夢をもつ権利はあるはずだ!」
「・・・それは小学1年のときに持つ夢だ。俺たちは現実に生きよう。」
 こうして話しているうちに林がなぜか近づいてきた。
「お~い武!野球部のよしみで班に入れてくれよ~!」
「ん?林、なんでおまえが余ってるんだ?祐樹じゃあるまいし友達ならあまるほど居るだろ?」
「そうなんだけど、今回はそのあまりが俺になっちゃったんだよ!」
「そうなんだけどって・・・否定しろよ・・・まぁ、それはいいとしてどういうこと?」
「それがさぁ、5人あつまっちゃって、その中でジャンケンして抜ける人決めたんだよね。そしたら俺が負けちゃってさ、やっぱ運悪いんだな俺。」
「それってさりげなく俺たちへの侮辱が入ってないか?ってか、祐樹は一言も話してないよな。いつものお前はどうした?」
 武の後ろから林に対して隠れるように祐樹は話した。
「いやさ、野球部とかそういう体育会系の人間はホラ、なんというか苦手なんだ・・・」
「それって俺もふくまれるんだけど・・・」
 沈黙・・・
 その沈黙をやぶったのはやはり林だった。
「まぁ、コレを気に佐藤は体育会系なれしたらいいんじゃねぇの?」
「ま、まぁそうだな。林の言うことも一理あるかな?」
 恥ずかしがるようにして祐樹は答えていた。「男のツンデレキメェ・・・」と自分の中で思ったがそれを祐樹はスルーした。

「男女共に班が決まったところで!みなさんお待ちかねのお見合いタ~イム!」
 お見合いとは男女それぞれのグループをくじでくっつけるのである。
「祐樹、お前が引いて来い。」
「いいだろう武、お前に俺の力を見せてやるよ!」
 そして林はつぶやいた。
「俺は・・・俺には見せないの?」
「神よ!メシアよ!大地の力よ!そしてこの世の万物よ!我に力を!ドラゴンスネイク!」
 謎の掛け声と共に祐樹はくじを引いた。結果は2班、女子3人のグループその内訳は、二ノ宮、坂本、転校生である。
「転校生キター!でも二ノ宮・・・」
 さけぶ林!だが一瞬で落ち込んでしまう・・・
「なんでそんなにイヤがってんのよ!アタシじゃイヤなわけ!?」
「イヤだよ!まぁ、なったモンはしかたねぇけどな・・・」
「そうよ!そうやって素直に納得すればいいのよ。言っとくけど、アタシもいやんだからねっ!」
 典型的ツンデレだ~!そうやって一人感動していた祐樹であった。
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