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03 俺の歌を聴けば〜簡単なことさ〜♪

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 夜、自分の部屋でのんびりと漫画を読んでいると滅多に鳴らない祐樹の携帯電話が鳴った。
「ウゼェ・・・この私の神聖なる読書(漫画)の時間を汚すとは・・・それは私の読書(漫画)に対する冒涜であるぞ!まったく・・・・・・」
 ピリリリ・・・
 ・・・
 ピリリリリ・・・
 ・・・・・・
 ピリ・・・ピッ・・・
「もしもし?武?せっかくのお前からの電話だから出ないのももったいないと思い出てやったぞ」
「出だしからウゼェ・・・まぁいい、いちいちツッコんでたらキリがない、本題に入る。相談があるんだが・・・」
「却下だ!どうせお前のめんどくさくてねちっこい恋の話なんだろ?それはもう聞き飽きた。まぁ、それが誰か教えてくれるって言うなら別だけどな」
「そうだけど違うんだ。いや、違わないから聞いてくれ!」
「意味がわからんな・・・」
 話が本気になるので武は姿勢を正して話し出した。
「あのさ、今日修学旅行の班決めたじゃん」
「決めたな、案外面白い班になったもんだ」
「うん、それでさ、居るんだよね、班の中に、うん。そのさ、俺のさ、なんというかさ、好きな子が・・・」
「ごめん、『さ』が多すぎて意味わからん」
「・・・わかってるだろ」
「うん」
「・・・」
 ピッ!ツー、ツー、ツー
「ごめん、ふざけててもいいから俺の話し聞いて。ね?いいでしょ祐樹君?」
「私はいっこうにかまわんッッッ!!!」
「・・・なんか漫画読んでたの?」
「うん」
「まぁいいや、それでさ、班に好きな子がいるから協力してもらいたいわけなんだが・・・どうだ?」
「めんどくさいな・・・俺はできる限りは協力してやるけど、無理な要求までは呑む気は無いぞ」
「それでもいい!なんでもいいから協力してくれ!」
 武が必死に頼み込んでくるから祐樹は同情とか色々で同意してしまったが、本来こんなめんどくさいことはゴメンだ。俺が他人のために動いてそれで失敗したからって恨まれるハメだけは避けたいからだ。
 恋するゆえに他人を妬むなんてのはよくあることだ。もしも相談にのって俺がヤツの代わりに接触しているときに俺の美貌にヤツの片思いの人がホレてしまったらどうする気なんだ?武はそこまで考えているのか?恋の相談に乗ってる側がホレられるなんてのはよくある話だぞ(2次元)
 むろん、これは祐樹の妄想であったわけだがそれは現実となる可能性も・・・無い

 祐樹は電話を机の上に置き、星の瞬く空をゆっくりと見上げた。
「キレイだな・・・神戸みたいな都会ではこんなにキレイな星も見えないんだろうか?」
 そう、ここは田舎。兵庫県姫路市の山間にある回りを見渡せば田んぼだらけのところである。関西圏であるが比較的標準語を話しているのはハルヒが関西弁を話していないのと同じ理由である。なんかめんどくさいしイヤだろ?
「そして俺たちが修学旅行で行く沖縄の星はどうなんだ?この空のように美しいのか?ふ・・・そのときになれば判るさ・・・」
 向きをかえ、廊下に出る。すると前にはアゴの下ほどの大きさの人間が居た。
「おにぃちゃんまた一人で語ってたの?キモ過ぎ・・・頼むから人前でそういうのするの辞めてよね。私が家が頭おかしい家の子だと思われちゃうから。ってか、早く修学旅行行って私に存在を感じさせないでよね。おにぃちゃんが居ると気疲れするから・・・」
「やぁ、わが妹。親しき仲にも礼儀ありだ。もう少し言葉を慎みたまえ・・・」
 祐樹はよほど頭にきたのか口と頬をヒクヒクさせながら話していた。
「はぁ?言葉の使い方間違ってない?ってか、その話し方もやめて、ウザイから・・・」
 去っていき自室に入る妹。それを見送る俺。つくづく妹と違う部屋でよかったと思うぜ。都会の兄妹はあれだろ?土地が高いからマンションに住まないといけなくて、だから一緒の部屋なんてことも少なくないんだろ?俺は田舎でよかったぜぇ~、だってちゃんと二階建てで庭付きのすばらしい家に住めてるんだからよ。
「まぁ、今日のところは妹を許してやろう。寛容な精神でなっ・・・!」
 これを読んでる読者諸君に教えてやろう。俺は妹がいる、妹が居ると妹がウザすぎて2時限の妹キャラがダメになると言ってるがそんなことないぞ!現実は違うんだ。むしろ妹キャラ大好きだぞ!普段はツンドラ系の妹と接しているからデレデレの妹が超がつくほどかわいいのだ。うちの妹ももうすこしデレてくれれば・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・うっ!・・・・・・ふぅ・・・また今日もやっちまった(賢者モード)
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