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第三廻「ノート、そして…」

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 翌日の朝。
俺が高校に登校すると、石原と山城の二人が何かのノートを持って俺の方に歩み寄ってきた。
嫌な予感が胸をよぎる。
分かっていても辛いものがあった。
もっとも、そうでないと意味がないのだが。
「吉崎。この小説、お前が書いたんだろ?」
 石原が笑いを堪えながらノートを見せてくる。
俺は唾を飲み込むと、その内容を軽く黙読した。
昨日俺が告白した女の子、持田由実と俺を主役とした“エロ小説”がつらつらと書かれていた。
それは間違いなく俺が書いたものだ。

バレた。

 顔から火が出るような思いになりながら、教室を飛び出した。
あんなものを見られた日には、ショックで立ち直れなくなってしまう!
いや、もう見られてしまったのだから、話は遅いのだ!
 走る、走る、誰もいない場所まで走った。
人目の付かないような、使われていない教室に駆け込んで、叫んだ。

「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

体が、心が、バラバラになる感じがする。
すべてが消えていく。
俺のすべてが。
そうして、一瞬にして俺の存在はその場から消えた。

文字通り、この世界から、完全消滅したのだ。
3

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