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ペンギン

 
ピンポーン。
インターフォンが昼寝をしていた僕を起こした。
ドアを開けると、そこにペンギンがいた。
僕はとりあえずペンギンを部屋に上げた。
ペンギンも慣れた様子で、すたすたと僕の部屋に上がり、座布団の上に座った。
僕はペンギンに紅茶を淹れて出してやった。
ペンギンは美味しそうに紅茶をすする。
僕はその様子をじっと見ていた。
ペンギンはそのまま飲み干して「美味しかった」と一言。
すると今度は懐から何か黒いものを出した。
濡れて黒光りするそれが、僕には禍々しいものに見える。
「これ、昆布。天日干ししてから使ってくれ」
ペンギンは思い出したように立ち上がって玄関へと歩き出した。
僕はそのあとをついて行き、ドアを開けてやった。
「じゃぁまた」と言ってペンギンは帰って行った。
テーブルの上には獲れたての昆布と空のティーカップが佇んでいる。
次はいつ来るんだろう。
 
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