4.「社説は」
それを知ったのは、昨日付の新聞の社説からだった。
『記憶転換法施行から4年…未だ世論揺れる
当時の政権においても、異論が多々あった記憶転換法(以下、法)が施行されてから4年が経つ。
読買新聞社が「現法案はこのままでいいか?」というアンケートを1万人に回答して貰ったところ、
「いい」が23%。「なんらかの改正をすべき」が45%、「廃止にすべき」が28%、「未回答」
が4% との回答を得た。
技術的な進歩により、生体から生体、または生体から機械への記憶の転換(学名:ミューティ
レーション)
が可能となって久しく、当時のアメリカ大統領ロンダは「死から開放されるということは、人
類が持ってして生まれた絶望を断ち切ることができ、またそれによって希望を生むことができ
る」と高らかに演説した。
日本の世論もそれに同調した形を取ったが、今振り返ってみればそれは皮肉な結果となって
しまったというのが、いまの現状だろう。
あるテロ支援国家では、末期のガンに犯された首席が、この技術を流用し現在も腐敗した政
権を執り続け……』
…
『格差はここにも及び、富めるものは生体ドナーを利用することができるが、そうでないものは、
機械に体を任せなければならず、あまつさえ貧困層は、死を享受するしか…』
…
『最も安全といわれる生体ドナーにも、倫理的な禍根が残る。利用するドナーは、移植すらでき
ない貧困層を使っての移植のため、…』
…