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第五章「コメントを貰うための具体的行動(下)」

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 読者について少しおさらいしておきます。
 読者は親切な存在ではなく、気紛れで、移り気な人達です。大量に作品が更新される時間帯に新都社を開いた人なら、一作読むごとに感想を付けたりせず、すぐに別の作品を読みに行くかもしれません。仕事の合間にちらっと見ている人は、コメントをつけに一旦TOPに戻ることすら煩わしいと思っているかもしれません。あまりにあなたの作品に感動してしまったあまり、下手なコメントをつけると作品を汚しかねないと思い、気後れしているのかもしれません。
 また、毎日新都社を見て、新都社内で人気作家になることにやっきになっていると見失いがちですが、たまたまあなたの作品に辿り着いた、新都社外の読者というのも僅かながらいることでしょう。そういった人達はコメントシステムを理解していないので、〒マークとコメント送信欄を見ても、何のことかわからず感想を書くことを躊躇してしまうかもしれません。
 あなたの作品にコメントをつけてくれるかもしれなかった、そんな人達を逃がさないための方法などを記していきます。


<自サイト>

 基本中の基本となります。Neetel内でアップ出来る容量は限られているので、長期連載となれば自然とオーバーしてしまいます。その度に新規登録して続きを書いても、見た目のコメントは積み重なりませんから、ランキングで目立てなくなります。
 また、作者コメントが書けるスペースが限られているため、後で述べる「催促コメント」を書きにくくなります。スキルがない、面倒臭い、やり方が分からない、という人も、少しずつでいいから調べて試していくとよいでしょう。面倒臭がっていては人気作家にはなれません。努力なしでコメントは増えません。
 各話、最新話、あらすじ、人物紹介、コメント返信など、わかりやすく配置されていることが重要です。人気長期連載作などを参考にするとよいでしょう。新都社へのリンクも忘れずに。
 各話の最後にコメント送信欄があるとないとでは大分違ってきます。いちいちトップに戻ってコメント送信してくれる優しい読者が多数いるとあてにしてはいけません。


<コメント催促>

「コメントなんていらないよ」「コメントが欲しくて漫画描いてるわけじゃない」「むしろ変なこと書かれるくらいならコメントなんてしてもらいたくない」という方も中にはいるかもしれませんが、やはり作品を公開したなら反応が欲しい、コメントどんどんつけてください! というのが大方の人の本音ではないでしょうか。だけど読者にその想いは伝わっているでしょうか? 「この人はコメントがつかなくても気にせず更新出来る人だし」「書こうとしていたのと同じようなコメントついてるからもういいか」「読者はどうでもいいと思ってそうな作者だなあ」などと思われているかもしれません。
 露骨にコメントを求める姿勢を取るのが躊躇われるなら、「コメントくだされば励みになります」「感想いただけたら嬉しいです」といった定型的なものでも構いません。あなたの作品を最後まで読んでくれた方の中には、何かしらの形であなたを応援出来たら、と思っている人がいます。しかし「あまり熱心なコメントを送っても引かれるんじゃないか」とか、「この作者は我が道を行くタイプだから、助言もエールもいらないんじゃないか」と独り合点してしまうかもしれません。そういった人達がコメントを送りやすくする方法、それが作者コメントによるさりげないアシストです。
 これを非常に上手く活用しているのが、鯔木先生のアヤトリバトル漫画『峰騎士早瀬』です。各話の最後に
「感想などありましたら。浴衣の下は素っ裸に決まってんだろこの野郎ッ、でもなんでも待ってます。」
「感想などありましたら。キャラクターの私服描いてるのにファッションセンスのかけらもねえじゃねェかこの野郎ッ、でもなんでも待ってます。」
といった作者コメントが付記されています。「コメントをする気はなかったけど、せっかくテンプレが用意されているんだから……」という、逃げ腰の読者の裾を捕まえ、「ただ『面白かった』とだけコメントするのもなんだな、コメントはやめようか。いや、せっかく『こういうコメントしたらいいじゃない』って書いてあるんだからそのまま送るか」という、「一言コメントでは物足りない」系の読者の敷居を低くし、「元々コメントする気だったけど、作者が用意したテンプレコメントなんてつけてやるものか!」という反骨精神の持ち主からは、作者への愛ある早漏呼ばわりコメントなどを引き出しています。このタイプの先駆者には、『孔雀ヘッド』のいはさき先生がいます。執拗なジョジョパロでコメントを催促しています。
 ただし、これと似たようなことをシリアスな作品でやると、雰囲気を損ない、反感を買う結果になるかもしれないので注意してください。


<読者を疲れさせない、気持ちを切らせない、離れさせない>

 作品を読むのにはエネルギーが必要です。目で絵を追い、台詞を読み、状況を理解し、女性キャラの胸の大きさを確認し、作中に描かれていないバックグラウンドまで想像し、カップリングするなら誰と誰かを妄想し……などなど。単純に、読みやすい絵より読みにくい絵を読む方が消耗します。台詞は少ないよりも多い方が。更新量は少ないよりも多い方が。
 せっかく精魂込めて仕上げて更新しても、読者がそれを消化するのに精一杯だった場合、コメント送信まで気力が持たないことがあります。
 ただし、読むのに膨大なエネルギーを要しながらも、最後まで読み通してくれた読者は、それだけ作品の虜になっているということなので、継続して熱心な読者となってくれることがあります。その域にまで達するには作者の並々ならぬ執念が必要なため、生半可な覚悟で進める道ではありません。

 また、更新毎に綺麗に話が完結していると、読者の気持ちもそこで一旦作品から離れてしまい、コメントに結びつかないこともあります。少なすぎない更新量で、続きが気になるところで切られた方が、コメントをつけやすくなります。一話20ページで完成したからといってすぐに全部あげるより、場面の区切りごとに6、7、7ページといった具合に分けて更新した方がコメントが付きやすいようです。一ヶ月に40ページより、一週間に10ページずつの方が、注目も集めやすくなります。ただし、アクションシーンなど、ページ数を使う割に話の進まない話では区切り時に注意してください。
 しかしあまりに更新が頻繁すぎると、それを快く思わない読者・作者を増やすことになります。age更新するごとに、一つの作品が最新更新欄から消えてしまうことを忘れないでください。

 作者ブログや、twitterなどのコミュニケーションツールを活用すると、読者が作者と直接繋がれてしまうことで満足し、肝心の作品のコメント増には繋がらなかったりします。特に、作者像を幻滅させかねない発言で読者を離れさせると逆効果になります。全ての読者が「作者が嫌いでも作品が面白ければいい」というスタンスでいるわけではありません。人気作家と呼ばれる人達が必ずしもそれらを熱心に利用しているわけではないということも覚えておいてください。
 交流のある人達からコメントが貰えるだろう、というのは浅はかな考えで、以前なら普通にコメントをつけていた人達でも、「知り合いになったから馴れ合いコメントを付ける、などと思われないよう、以前より厳しく作品に接しよう」となりがちです。
 作者自身、作品に取り組むより、仲間と交流する方が楽しくなり、創作活動が疎かになる、という一面もあります。気晴らし・息抜き・馴れ合い・友達作り・麻雀なども結構ですが、それらに没頭しすぎると、せっかくあなたの作品を楽しみにしてくれていた読者まで離れてしまいかねません。交流が悪いこととはいいませんが、更新が滞ってそちらにうつつを抜かしていては読者に怒られます。

(ブログ関連で付記。
 作者ブログなどで稀に「更新しました」とだけ書かれていて、作品が何なのかさっぱりわからないものがあります。作者名で検索してくれる親切な読者の反応を待つより、自分からわかりやすく作品へのリンクなどを張っておいた方が良いでしょう。たまたまあなたのブログを訪れた、新都社外の人にも読んでもらえるきっかけになるかもしれませんし)


<その他>

・あなたがネット上で既に有名人だったり、友人がたくさんいたりしたなら、その立場を活用して、読者の母体を増やすのもいいでしょう。ただし作風によっては、これまでの人間関係が壊れる可能性があります。
・読者コメントで「プロを目指しています。忌憚ない批評をお願いします」といったことを書いておけば、批評家魂に火のついた読者から遠慮のない意見を引き出せます。
・「>>100の書く展開にする」といった、アンカー指定で作品の行方を読者に委ねるといった方法もあります。これは無茶振りにも耐えられる実力が必要です。
・書籍化、プロデビューなどで注目を集める。
・最後に、これは基本中の基本すぎて案外忘れられがちですが、作品が面白いと、自然とコメントも増えます。


 コメントを貰うための努力を特にしなくても、大抵はどんな作品にも一定数の読者がつき、僅かながらであってもコメントはつきます。人気作家になるのは簡単なことではありませんから、安穏な位置に安住しているのもいいかもしれません。
 しかしコメントは力になります。時には傷つけることもあるかもしれませんが、あなたを支えてくれます。向上心や対抗心を湧き起こらせ、作品の質の向上に繋がります。
 ここで紹介した以外にも、コメントを貰うための行動は数多くあるでしょう。「どうすればコメントを貰えるか」について思索を巡らすことは、「どうすれば自分の作品は面白くなるだろう」にという考えに繋がります。

 読者にあなたの作品が届くよう、コメントという形になるよう、面倒臭いことであっても積み重ねていきましょう。
「あなたを人気作家に押し上げるのは、あなた自身です」と、この章の始めの方で書きました。さらに付け加えるなら、あなたを高めるのも、あなたを救うのも、やはりあなたです。読者に媚びるのではありません。あなたの作品を生かすために行動しましょう。


 次回は多分「文藝・ニノベで人気作家になるために」
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