この光景は何回見ても納得がいかない。
何であの二人はお互いにいがみあっているのに……それなのに何で――
「はぁ……いつ見てもこの、幼女大全集は素敵ねぇ~♪」
「そうね。それについて異論はないわ」
「あんたは思考が子供だけど、幼女好きという点については評価してるのよ」
「ふんっ、あんたはただのひねくれ者じゃない」
こたつで、ぬくぬくとしながら言い合いをする二人。
何で敵同士なのに一緒にこたつに入ってるのよ。
敵同士なら戦いなさいよ。
ほんと、意味が分からないわねこの二人は。
「ねぇ、なんなのよ? 敵同士なら戦いなさいよ」
バカ話をしている二人に呆れながら話かける。
「あのね、小夜子ちゃん。確かに私達は敵同士だけど、同時に幼女好きの同志でもあるのよ」
「だからなんなのよ」
それが戦わない理由にはならないわよ。
「ふふっ♪ 可愛い幼女ね。たまにはこんな風に語らうのもいいんじゃないかしら」
よくないわよ。おかしい、絶対におかしいわ。
「小夜子ちゃん……」
「なによ?」
何真剣な顔をしているのよ。あんたにそんな顔は似合わないわよ。
「拳で殴るだけが戦いじゃないのよ。時には言葉で語るのも必要じゃないかしら」
「……それは、そうだけど……」
二人の場合は、その話してる内容がおかしいのよ。
何で幼女について話し合ってるのよ。
まぁ、二人の共通点といったら幼女が好きって事だけど……
ほんと、酷い共通点だわ。
「あーあ、早くたくさんの幼女に会いたいなぁ」
「そうね~♪」
はぁ……本気で勘弁して欲しいわね。
気持ち悪いどころの話じゃないわよ。
いい年齢の大人が幼女について話合う。
まったく、酷い光景ね。
「あ~こたつはいいねぇ~」
「そうね~幼女の次くらいにいいねぇ~」
「…………」
あ、あんた達……実は仲がいいだろ。
絶対に敵同士じゃないわよ。
どう見ても仲のいい友達じゃない。
はぁ。
もうやってられないわ。
なんなのよこれは。酷いどころの話じゃないわよ。
どうして、この変態達は警察に捕まらないのだろう?
真っ先に捕まえるべき変態なのに。
それなのに、こうして気持ち悪い会話をしてるなんて――
「世界は今日も平和ね……」
あの二人は狂ってるけど、それでも世界は平和なのね。