深夜、ウサギが通路を駆けて、跳ねる。下水道で立ち止まる。この導入部で、すでに心を掴まれていました。
他の方のコメントにあったように、舞台は戦時下の工場みたいです。女性しか出てこないし(男は兵隊にとられてる?)、『ぜいたく品』という単語からも戦時中を連想します。主人公の独白が常に丁寧なのも、女生徒って感じです。そこで怖いのは配給食を食べると「不思議と力が湧いてくる」という所です(戦時中に、国家は軍需工場で働く女生徒に錠剤のヒロポンを与えていたらしい)。ですので、ハードな設定だなあと驚きました。しかも淡々と演出されている。
服を着て蝶ネクタイをしたウサギが登場するので、いずれ主人公はちがった世界に迷いこむのですが、そこで戦時下のアリスはどのような世界を見るのだろうか…。とても楽しみです。
そして、絵が素敵!質感を表現するタッチにメロメロです。タイトルあとのひとコマ目、電車の側面の窓及びドアの表現にただただうっとり…。
『夜明けの種』に引き続き、美しい漫画を読ませてくれて、ありがとうございます!!
[10 - 1081] Re: 地下鉄路
FAも良いしなによりコメントが読み応えあっていいなと思う