天つ空なる人

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作品情報

作者:らくらく
ジャンル:バトルファンタジー漫画

概要

2008年から月刊コミックニートより連載していた、らくらく作の漫画作品。 全24話、連載期間は約半年程を予定していたが、第9話で作者の生活に余裕が消えたので投げられた。 ただし作者としては完結を諦めた訳じゃなく、また何時の日か「天つ空なる人を描きたい」と発言している。

あらすじ

東京神田神保町にやってきた女子高生、天空はるかは異世界からやってきた謎の犬スーヤに気に入られ、高速で空を飛ぶ能力と片腕が大砲に変化し様々な特殊攻撃が出来る能力で相手を倒す対戦ゲーム「アマツソラ」に参加することになる。何故彼女は選ばれたのか、そしてこのゲームに優勝すると進呈されるとされる「特典」とは何なのか?様々な疑問を抱えながらもはるかは対戦相手を次々と撃破してゆく。そして全ての真実と自らの運命を告げられた時、彼女の世界は大きく変わることになる。

主な登場人物

天空はるか (あまそら はるか)
 本編の主人公。赤い大きなリボンが特徴的で白く長い髪をツインテールにまとめている。高校二年生で、突然起きた「ある事」に酷く傷心していた時にスーヤと出会いアマツソラに参加することになる。ゲームに参加する以前より精神的に不安定な状態が続いていたが、スーヤと羽音とのふれあいの中で少しずつだが精神的に回復の兆しを見せている。ゲームに参加した理由は「キッカケは何でもいいから自分を変える要素が探していた」から。もともとどちらかというと強気な性格をしており、また頭脳もそれなりに優秀ではあったため、戦闘ではその好戦的な性格と思考力をフルに発揮している。初期装備は「ハイスピードブースター」で約3秒間だけ通常の約3倍の速度である時速150キロで空を飛ぶことが出来る。その強力な推進力故に発動中の3秒間は直線的な移動しか出来ない。使用可能となるチャージ時間は10秒間。ちなみに作者の過去作品である「ろき☆すた」にて公開された本作の新連載予告では設定は中学2年生となっており、外見も全然違った物となっている。
スーヤ
 はるかをアマツソラに誘った異世界から来たらしい犬。もともと人間界に興味があったらしく、この世界の事情に妙に詳しい。はるかの家に厄介になってからはごく普通に家事をこなしている。様々な魔法が使えるので小型犬の外見をしながら殆ど人間と同じような生活が可能となっている。例えば幻を見せる力で宅配便の荷物の受け取りまでこなしているらしい。はるかのことを『俺の玩具』と表現しており、性的な悪戯を日々繰り返しているようだが、実の所はるかの事を今一番気に掛けているのは他ならぬスーヤである。何故か「秘密」という言葉を使う時に奇妙なリアクションを取りたがるという癖がある。
明知羽音 (みょうち はのん)
 はるかより先にアマツソラに参加している高校二年生。はるかが羽音の試合を見た翌日に、偶然にもはるかの学校のクラスへ転校してくる。それ以来はるかとは友人であり、互いに試合のアドバイスや戦法を考えあうといった『協定』が結ばれている。前髪の作画が安定せず、エピソード毎に全く違うように描かれていることも珍しくない。現在確認されている特殊武器は「ブレイジング・カシオペア」で一度に5発同時に敵を追尾する砲弾を撃つ事が出来る。1発につきダメージは5%。チャージ時間は7秒間。パートナーの犬の名前は「ナンタル」
上郷智江 (かみごう ともえ)
 はるかより先にアマツソラに参加している高校一年生。現在確認されている特殊武器は「チャージ・ショット・ガンマ」でそのチャージした時間によって威力と弾の大きさが変化する。5秒でダメージ10%。10秒で20%。15秒で30%。パートナーの犬の名前は「ボート」
広瀬紺海 (ひろせ こんみ)
 はるかの初戦の相手。10歳の小学生の女の子。初戦なので特殊武器は「チャージ・ショット・アルファ」のみ。1つ1%ダメージの弾を一気に30発放出する。短距離・長距離共に隙がない優秀な武器であったことと、更にはるかが「ハイ・スピード・ブースター」の活用の仕方を把握出来ていなかったことで、試合開始直後から一方的な試合展開を見せるが、はるかの『地形』を生かした戦法に対応出来ず、形勢は一気に逆転されてしまう。パートナーの犬の名は「テツ」。
貞宝颯太 (ていほう そうた)
 はるかの2戦目の対戦相手。24歳男性。一つ目の武器は「コンバインボール」。あともう一種類何か武器を装備しているはずだが現在不明。野球が好きだったらしく対戦場所である東京ドームの地形を完全に把握している。パートナーの名は「テスト」。なお「コンバインボール」の元ネタはハーフライフ2というアクションゲームである。

ゲームのルール

概要
「アマツソラ」は人間の世界とは違う何処か別の世界からやってきた謎の犬達が人間達に空を飛ぶ能力と魔法の力による特殊な攻撃が出来る能力を与え、参加者同士で試合をして最後まで勝ち残った者が勝利となるゲームである。目的としては犬達の世界のリーダーを決めるものとされている。優勝した人間が取り憑いている犬がその世界のリーダーとなれるらしいが、スーヤの話によると犬達はそれほど成りたいという程の物でないらしく負けたらそれいいや程度に思っている。スーヤもはるかを何としてでも優勝させようという気もないらしい。更にその世界のリーダーが誰であろうと人間界には全く影響しない。つまり、人間界にとってもその犬達の世界でもこのゲームは割とどうでもいいものと言える。

ゲーム参加資格と優勝特典について
アマツソラに犬が人間を参加させるためにはその人間の「ある条件」を満たしていることが必要である。この「ある条件」とは犬達にしか分からない情報らしく現段階では何であるのか不明。ただし、この「ある条件」は参加している人間には機密事項という訳ではなく、犬達はいつでも自由にそのことを参加者に教えても良いことになっている。優勝するとその人間に進呈される「特典」についても同様に現在不明だが、遅くとも優勝する前には教えられる。ちなみにこの「特典」が気に入らなければ参加者は受け取りを拒否することが出来る。

ゲームの進行について
ゲームに参加した人間は、その時点からまず24時間のインターバルを於いて、それから12時間後から24時間後までにゲーム運営者が決めた最初の対戦者と対戦する。ゲームが始まるまでは、参加者は犬から与えられた能力は一切使えず、またゲームに関して一切口外禁止となっているため(ただし、ゲーム参加者同士ならば問題ない)それまでと変わらない普段通りの生活を送ることになる。ゲーム開始5秒前に参加者の前にはドアのような物が出現し、それを潜るとゲームの試合会場に辿り着く。ドアがその時間になると突然その場に現れるものであるが、出現する時間にはその場の時間の流れが止まることになっているため、その場がパニックになることはない。試合会場は別次元空間であり、一見この世界と同じように見えるものであるが、開催者の配慮により試合の進行と妨げに成りそうな物、主に人間や動き回っている乗り物等は消去されている世界が用意されている。試合の勝者は敗者からその試合で使用していた特殊武器を手に入れる事が出来る。そして再び24時間のインターバルを於いてそれから12時間後から24時間後までに次の対戦者と闘うことになる。敗者はその場でゲーム失格となり、ゲームに関する全ての記憶を消去され、参加者がゲームの存在を知る以前の生活へとそのまま帰される。これをゲームに参加した人間達が最後の一人になるまで行われ、優勝者が決定される。ゲームからの離脱はいつでも自由であり、その場合は敗者と同じ扱いとなる。ちなみに、この勝ち残りルールだとゲーム参加者は本来一斉にゲームが行われている必要があり、このゲームのように参加者がバラバラに途中参加しているのはゲームとして不公平となっている状況となっているが、犬達はそれほどその問題を重要視していない。スーヤ曰く、優勝するまでに1戦か2戦勝ち数が違うことくらい運営サイドにとっても能力を与える犬にとってもどうでも良いらしい。

試合のルール
会場へと続くドアが出現したら参加者は直ぐにそのドアを潜らないと失格となる。そのドアを潜った瞬間に参加者は犬達によってデザインされたユニホームに自動的に着替えられている。ユニホームを着ている人間は本来ならば致命傷となるような物理的圧力の全てから参加者を守られる物となっている為、例え崩壊した超高層ビルに生き埋めとなっても一切肉体は傷つかない。痛覚もその殆どが排除されるが、0だと攻撃を受けたことに気が付かない可能性があるため、ほんの些細なレベルで残されている。またそれを着た人間の病気空腹怪我睡眠不足までも一切参加者から取り除かれ万全の体調でゲームに望めるよう配慮されている。ただし精神的なのものに関しては一切干渉されない。試合開始時刻の前に両者は自分が所持している特殊武器から2つ選んで装備することが出来る。ただし初戦は1種類しか持っていないのでそれで闘うことになる。原則として辿り着いた場所で試合を行わなくてはならない。試合開始時刻と同時に何処からともなく『The die is cast. Action for the Target. Are You Ready? Attack!!』という場内アナウンスが流れ、試合開始となる。その瞬間から両者の視界には両者の名前と2つの棒グラフ(体力ゲージ)とパーセンテージが表示される。最初は100%であるが、特殊武器で攻撃、あるいは何かしらの原因で参加者の肉体に負荷がかかると数値が減ってゆく。ダメージとなる例として「飛行中に建物にぶつかる」「電線に触れた際に起こる電気ショック」等、その場で起こったありとあらゆる事がダメージの対象となるが、殴る蹴る、もしくは銃や刃物等の特殊武器を全く生かしていない攻撃は全く意味がないものとなる。表示されている体力ゲージのどちらかが0%になるとゲームオーバーとなり、その者の負けが決まる。ただし両者同時に体力が0%となった場合はノーコンテスト(無効試合)となり、両者はゲームに残留することになるが、相手の特殊武器を手に入れることは出来ない。時間は無制限であるが、試合から長時間逃げ出したと見なされると失格となる。

漫画に登場する実在する場所

解説
この漫画で出てくるゲームは実在する場所を舞台にしている事が多い。ただし、それを元にちゃんと背景が描かれているかというと全くそうでない事が多く、例えば第一話1P1コマ目も作者がいい加減に描いているので神田にはあのような場所は存在しない。
明知羽音VS上郷智江編
東京都千代田区神保町と第一話で解説されているが、正確には靖国通りの駿河台下交差点付近が第1話、そこから約200メートル程離れた同じく靖国通りの神保町交差点付近が第2話の舞台となっている。羽音が盾として使った信号機は現場に存在する。
天空はるかVS広瀬紺海編
東京都千代田区の秋葉原中央通りが舞台である。作中に登場する「秋葉原クロスフィールド」(ダイビル)も東京都千代田区外神田1-18-13に実在する。
天空はるかVS貞宝颯太編
東京都文京区後楽の東京ドームが舞台である。両翼100m中壁122m左右中間110mという実際の球場規模を意識した描写となっているものの、作中でホームベースの上下を間違えるという失態をやらかしており読者の失笑を買っている。

余談

作者である「らくらく」は今作の連載開始を前作「ろき☆すた」最終回と同時に公開した「新連載予告」にて07年9月下旬と予告していたが実際には第1話が公開されたのは08年2月29日と大幅に遅れた。作者の言い分として第一話を設定の見直しと共に2度に渡って描き直したことと私情が重なった事が原因としている。
また、この新連載予告にて「ろき☆すた」のキャラクターが「魔法少女リリカルなのはだね」と発言しているが、作者は実のところなのはシリーズを余り詳しくは知らず、どちらかというと意識しているのはロックマンシリーズだったりする。

この作品のタイトルである「天つ空なる人」は古今和歌集にある短歌「夕暮れは雲のはたてに物ぞ思ふ天つ空なる人を恋ふとて」(詠み人知らず)から来ているが、この短歌における「天つ空なる人」は身分の違いから手の届かない遥か高みにいる異性の事であると解釈されているが、作者は「死人」という意味だと勘違いしてこの漫画に名付けている経緯がある。今後この漫画で「天つ空なる人」という単語が出てきた場合は「死人」を意味することになるが、一般解釈とは全く異なる使い方をしている事に注意する必要がある。

連載していた当時のサイトのデザインはツナバン♥らぶみくす(ういんどみる)というエロゲーのサイトを豪快に真似したものとなっていた。言うまでもないがこのエロゲーと天つ空なる人とは何ら関連性がない。

現在作者は「天つ空なるひと」というサークル名で2次創作をメインとした同人活動を行っている。この作品のタイトルである「天つ空なる人」からその名前を取っているが連載再開の目処は未だ立っていない。なお、この作品についての意見は一切受け付けていないとのことなので注意。

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