Neetel Inside ニートノベル
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洗い物が終わって、早めに寝た僕は、いつもよりちょっと早めに起きて海に行く準備をする。僕より早く寝たはずのあゆみはまだ起きてこない。海で遊ぶための道具を僕は外にある物置から出そうとうっすらを明るくなり出した空を見ながら思った。懐中電灯を持って、倉庫を漁るときの気分はなぜかどこか知らないところで宝探しをしているような幸せな気分に浸れる。僕の趣味で集めたスポーツ用品ばかり入っている倉庫なのでお宝なんでどこにもないんだけどね。
キス釣りのための投げ釣り用品、ビーチパラソル、ビーチボール、浮輪、砂のお城を建てるためのバケツとスコップ、あとは大きめのクーラーボックス。確か水着は昨日あゆみが準備してくれたはずだから、このくらいあったら小萌も文句は言わないだろう。
一通り倉庫から遊び道具を出した後、少し奮発して買ったカメラが倉庫にあることを思い出して、僕はもう一度倉庫の中で懐中電灯を付ける。外はもう明るかったが、気分的に懐中電灯をつけたかったのだ。カメラは奥でほこりをかぶっていた。
クーラーボックスの中をざっと洗った僕は、一旦家に戻ることにする。玄関を開けるとリビングの明りがついていて、あゆみが起きているんだな、おもったら小萌が眠たそうに眼をこすりながら「おとーさん。おはよお」と言ってきて、ウワー可愛い。ピンクのウサギちゃんが描かれているパジャマも可愛い。一晩中惚気られるくらいに可愛い。
「おう。小萌。おはよう。ゆっくり寝れた?」
「うん!海楽しみだね!」
「そうだね。小萌はもうちょっと寝てていいよ。お父さんは準備してるから。」
「小萌も手伝うう!」
「そっか。ありがとうね。じゃあ、釣り竿を雑巾で拭いて、ほこりを落としてもらおうかな。」
「わかったぁ!」
「よし。任せだぞ。あ、お母さんはまだ寝てるの?」
「ううん。トイレ。」
「そっか。分かった。」
「うんこ!」
「なはは。小萌はあんまり汚い言葉言っちゃダメ―。」
「はーい。」
この子が大きくなったら美人になるだろうなぁ。反抗期来てほしくないなぁとか思いながら僕はあゆみのためにコーヒーを入れる。
きっと美味しい甘いコーヒーができることだろう。

       

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