Neetel Inside 文芸新都
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 通学路を十五分程歩き、学校へと到着したミライ。
いつになく教室が騒がしい。
「おはようミライ」
クラスメイトの一人が元気よく声を掛けてきた。
「おはよう。
なんかいつもより騒がしい気がするんだけど?」
「ケンイチ君が今日で学校辞めるんだって。
お父さんの勤めてた会社がダメになって。
ほら、ウチって学費高いじゃん?
だから学費払えないから辞めちゃうんだって」
「そんな……。
じゃあケンイチ君はどこに居るの?」
ミライはかなり困惑した表情だ。
少なからず彼に好意を寄せていたのだろう。
「わからないわ。
さっき学校を辞めることを伝えたら、直ぐに出てっちゃったから」
その時、ミライはケンイチと屋上でよく話をしたことを思い出した。
そしてそこへと駆け出していた。
「ちょっと、ミライどこに行くの!」
友達の声など聞こえてはいなかった。

 屋上。
天気は彼女の心と打って変わって快晴。
「やっぱりいた」
そこで一人の青年を見つけた。
シュッとして、爽やかな顔。
茶色の短髪の青年、ケンイチだ。
「ミライか……」
彼女に目もくれず、空を見上げる彼。
「学校辞めちゃうの?」
「まあな。
神様ってさ、理不尽だよな。
政治家や金持ちは不景気だとかいいつつ豪遊してる癖にさ」
第五構造体は今、とても不安定な状態なのだ。
対外関係、景気、治安が少しづつ悪化している。
「本当だよね……。
あんな奴ら、天罰が下ればいいのにね」
ミライはケンイチの隣まで行き、体育座りをしている。
「だからさ、俺今の社会に不満を持ってる人たちを集めてさ、
革命を起こそうと思うんだ」
「でも、そんなことできるの?」
ケンイチの顔を不安そうに覗き込むミライ。
対する彼は変わらず人工の空を見つめている。
「既にそういう組織があるんだよ。
俺も下っ端として働かせてもらってるんだ」
「そんなことして皆が不幸になったらどうするの?」
「そんなこと、俺がさせないさ。
英雄になろうってんじゃないんだ。
只、皆が幸せになって欲しいから、革命するんだ」
「わかった。
ケンイチ君を信じる。
頑張ってね」
「おう。
そろそろ行かなくちゃ。
じゃ、またどこか出会おうな、ミライ!」
そう言ってケンイチは学校から去った。
そしてミライは、その日は屋上で寝て過ごした。







       

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