Neetel Inside ニートノベル
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T-9ぐらい 天国へようこそ


「すいません!これください!」

ボクはコンビニのレジに「うすぴた」というコンドームの箱をつき出した。同じぐらいの年の店員さんが恥ずかしそうに紙袋を取り出す。

「あ、すぐ使うんで紙袋はいいです!」「はぁ?」

ボクはお釣りを高い位置からレシート越しに受け取ると買った箱をシャツの胸ポケットに入れ、店の前に置いていたチャリンコにまたがり待ち合わせ場所に急いだ。

今日の朝、ビッチで有名な篠岡冥砂からとんでもないメールが届いたのだ。

「は~い、平野くん元気~?今日の正午、港の倉庫に着てくれたらメイサが天国に連れてってア・ゲ・ル。遅れちゃイヤよ」

挑発的な本文と一緒に胸の谷間のアップを撮った写メールが添付されていた。うほほ!これはオトコとしてイクしかないっしょ!?

夏休み終了直前。拝啓おふくろ様、やっと夏のいやらしい思い出が出来そうです。海岸沿いの潮風を受けながらボクはチャリンコを勃ち漕ぎした。


エロ写メと一緒に添付されていた倉庫のシャッターが見えてきた。どうやら廃業に追い込まれた工場の倉庫らしい。いや、この際、倉庫の詳細は

どうでもいい!ボクはチャリを投げ捨てシャッターの横の開いているドアに全速力で駆け出した。が、途中で携帯電話を落としたのでそれを

拾いに戻った。そうだ、せっかくだから童貞の友人にご報告しよう。ボクはあつし君に「一足先に大人の階段駆け上がってきます」と本文を書き

脱童の記念に倉庫の写メを撮り、添付するとメールを送信した。


バン!勢いよくドアを開けるとボクは暗闇の向こうで待っているであろう女神に愛の宣言をした。

「メイサ姫!排水溝のマリオこと、平野洋一が今!あなたに1UPキノコを届けに参りました!!さぁ、萎えないうちに、しゃぶれ!コラァ!!」

膝を付いて手を伸ばすと、少しの余韻の後、照明がライトアップされた。目の前に包帯を巻いた3人組がバット片手にボクを睨んでいた。

「よう、平野。相変わらずムカつく顔してんな」後ろにいたメイサがドアの鍵を閉めた。

「ここの皮膚の色、他と違うだろ?おまえのせいでケツの肉を移植しなきゃならなくなったんだぜ?」

ドゴン!フルスイングされたドラム缶から勢い良く重油があふれ出す。「天国に連れてってやるぜ。平野洋一!!!」

「あ、ああ、ああ...」ボクはドラゴンボールZの御飯のようにぷるぷる震えていた。目の前にいるのはボクが学祭のステージ爆破で

全身火傷の重症で入院に追い込んだ青木田軍団だ。「童貞のまま死ぬのってどんな気持ち?」後ろでメイサが意地悪く笑う。

畜生!またこの悪魔にハメられた!!膝を折って倒れるボクに青木田が近づいてくる。「ここならどんなに泣こうが、叫ぼうが関係ねぇもんな」

次の瞬間、ボクはつま先で蹴り上げられ、後ろのシャッターに激突した。「きゃあ!殺るんだったら、合図してよ!」両方の鼻の穴から

生暖かいものがこみ上げてくる。「病院のベッドの上で幾度と無く考えてきたぜ。お前に復讐する方法」

「おまえ弱肉強食って言葉、知ってる?雑魚が逆らった所でまた復讐されるだけなんだよ」恐怖からか、ボクの両目から涙が零れ落ちた。

青木田がボクの髪を掴んで睨み殺さんばかりの眼力で言う。「てめぇ、ヤクザ舐めてんだろ。青木田組の恐ろしさ、その身に教えてやるよ」

はは...教えてもらうのは女体で十分なんですがね...「おら!」体を持ち上げられ、思い切りパワーボムをくらうとボクは意識が遠のいてきた。


「171!、172!!」「もういいだろ、岡崎、それ以上殴ると死んじまう」「はぁ、はぁ...今日のミヤタ、ずいぶん優しいじゃねぇか」
「そろそろメインイベントの準備に取り掛かるか」「...おう」「おーい、平野、生きてるか~俺達が戻ってくるまで死ぬんじゃねぇぞ~」
「ぶはははは!ミヤタ、ちょー、優しい!!」

そうげらげら笑うと3人は倉庫の奥の部屋に向かって歩いて行った。バタン!とドアが閉じるとボクは腫れ上がった唇からゆっくりと息を吐き出した。

あいつら、ボクを殺す気だ。アバラが何本か折れてるのか、息を吸うと急にむせこんだ。げは、ごふ。赤い点がコンクリートの上に散らばる。

逃げなきゃ...でも体は柱に括り付けられていて身動きひとつとれない。一部始終を見ていたメイサが心配そうにボクに近づいてきた。

「...大丈夫?」「...うん」しゃがみこんでメイサはボクに囁いた。「死ぬ前に気持ち良くなりたい?」ボクは本能的にうなづいた。

メイサがボクのパンツを下ろすとボクの息子はあの日のように勢い良く跳ね上がった。

「はは、すごーい!こんな時に勃起してるなんてあんた、マジの変態なんじゃない!?」体は正直だ。死を目前とすると遺伝子を遺そうとする。

メイサがボクの陰茎をつかみ、くちびるを近づけた。ああ、死ぬ前に女の体温を知れてよかった。ボクが絶頂を迎えようとするとメイサは

ゴムのチューブをぐるぐるとアソコの付け根に巻きつけた。「フェラしてもらえると思った?残念!変態はちんぽ切断の刑!」

奥のドアが蹴り上げられ、断ち切りバサミを持った青木田がへらへらと笑みを浮かべながら近づいてきた。もうダメだ。失禁しようにも

ションベン一滴でりゃしねぇ。「おまえ、ウチの軽音楽部に入部する時言ってたよな。『ロック演って女の子にモテて童貞喪失したいです』って。残念だったな」

「これで文字通り一生童貞ってことだな」「まぁ、その一生も数10分後には終わるんだけどな」じゃぎ、じゃぎ。ハサミを試し引きする音が倉庫に響く。

「死ねや!腐れちんぽ野郎!!!」ハサミが下半身に向けられた刹那、2階の窓が弾けた。「誰だ!?」「助けに来たぜ!ティラノ!!」

バットを持ったマッスとあつし君が破れた窓から中に入ってきた。「ティラノくん、大丈夫~?」シャッターの向こうから三月さんの声が

聞こえる。へへ、みんな来てくれたんだな。下半身まるだしのまま、後半へ続く!!

       

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