下半身が止マラない 歌詞:平野洋一
<サビ>
いけない?イかない?そんなんじゃ不感症!ヤるときゃやんなきゃいかんでしょ!
3、2、1でぶっ放そうぜ!時代はもう来た ミサイルは北
ヤらない?ヤれない?そーんなんじゃ意味ないじゃん!日本が大好きアンジョンファン!
A、B、Cでやり直そうぜ!時代はもう来た。シャクレは秋田
下半身が止マラない haaa!
<Aメロ>
性欲が止まんない フルスロットルマシンガン
煩悩 本能 欲望 一個とばしてまた煩悩
<Bメロ>
空いたパンツの穴から世界が見えた
二次と三次を繋ぐ ボクの時計の秒針
<サビ>
見てない?知らない?そんなんは認知症 病室から出ちゃいかんでしょ!
アン、デュゥ、トロワでバックれようぜ!先生もう来た 日直牧田
打てない?守れない?そいつは去年の中田翔 明るい未来にノーベル賞
序、破、Qで撮り直そうぜ 舞台は大分 ザビエル食べた?
今夜の晩飯が決マラない show U!
<Aメロ>
4時間後にはトブよ 底なしだし ピー袋
ヤベっ 赤玉 生理痛 早く返せよ ロマサガ2
<Bメロ>
めくれたスカートに不安が消えた
虹が惨事を告げる ボクはきっと世界の中心
<サビ>
いけない?イかない?そんなんじゃ不感症!ヤるときゃやんなきゃいかんでしょ!
3、2、1でぶっ放そうぜ!時代はもう来た ミサイルは北
ヤらない?ヤれない?そーんなんじゃ意味ないじゃん!日本が大好きアンジョンファン!
A、B、Cでやり直そうぜ!時代はもう来た。シャレもう飽きた?
下半身が止マラない yooo!
<Cメロ>
ムラッムラしてる欲棒 角度あっあっあっ UP!
ギラッギラしてる太陽 温度アッツ!アッツ UP!
こするだけで気持ちいいなんて アガっちゃうなんて これってなにげにヤバくね?
<大サビ>
いけない?イかない?そんなんじゃ不感症!ヤるときゃやんなきゃいかんでしょ!
3、2、1でぶっ放そうぜ!時代はもう来た ミサイルは北
ヤらない?ヤれない?そーんなんじゃ意味ないじゃん!日本が大好きアンジョンファン!
A、B、Cでやり直そうぜ!時代はもう来た。シャレもう飽きた?
<半音上げ>
いけない?イかない?そんなんじゃ不感症!ヤるときゃやんなきゃいかんでしょ!
3、2、1でぶっ放そうぜ!時代はもう来た ミサイルは北
(ヤらない?ヤれない?)そーんなんじゃ意味ないじゃん!とっても大好きあん、アン、an!
A、B、Cでもっかいスタンバイ!時代はもう来た。そうさ、僕達!
下半身がとまらない
「馬鹿か、こいつは」
パソコンの内蔵スピーカーから流れる曲を聞きながら俺はメモ帳を起動し、正確な歌詞を解読して曲をブロック毎に分けた。
とはいえ、この曲にどうやってベースをつければいいのだ。一体俺にどうしろというのだ。俺は頭を抱えた。
「どうすればいいのだ、って顔してる」妹のアイコが俺の顔を覗き込んだ。「その通りだよ」心情を見透かされた俺は椅子の背にもたれかかった。
生徒会役員の板野やよいがあいつをマークする理由がよくわかった。平野洋一は異常性欲者だ。直接的というか、ダイレクトな表現はないがこの曲で奴が歌っているのは自慰行為に対する衝動と情熱。
いや、これを情熱を呼んでいいのかわからないがあいつが性行為に対し憧れ、その欲求が満たされず暴力的にこの曲を書いたという事はわかった。
「今夜の晩飯が決・ま・ら・な・い! しょーゆー」
アイコが曲に合わせて奴の歌を口ずさむ。虫唾が走った。兄として「こんな歌を歌うのは止めなさい」と注意すべきか悩んだ。こいつの曲はなんなのだ。
2番の歌詞に関しては明らかにやっつけ仕事だ。集中力が持続しない性格なのだろうか?どうしてこんなに韻を踏む事に対して必死というか、貪欲なのか。
こういうのが最近の流行りなのかもしれない。とにかく歌詞に対してはどんなに時間があっても突っ込みどころがなくならないので俺はCD音源を音楽編集ソフトに入れ、
パート毎に分け、ボーカルの音をミュートした。最近のフリーソフトは便利だ。音域で自動にボーカル、ギター、ドラムと分けてくれる。
「何?もっと聴いていたかったのに」
アイコが読んでいた歌詞カードを机の上に置く。「時間がないんだ。期限は10日間。それまでにこの曲にベースをつけて返さなきゃならないんだ」
それを聞いてアイコがふっと笑う。「仕事ね。あなたにとって初めての」「そう、俺にとって初めての仕事。アーティストとして」
自分の口からアーティストという言葉が出て少し気恥ずかしかったが、自分が音楽的活動をしているという認識が出来て少し満足した。
歌詞とは対照的に曲の構成はシンプルでわかりやすかった。平野のギターはカッティングやミュート、短いながらも印象的なソロを使い分け、山崎のドラムはシンプルで力強かった。
伊達にバンドバトルを勝ち抜いた実力者ではないという訳か。理論くらいは理解しているようだ。俺はブラウザを起動しこの曲のコード進行を叩き、検索をかけた。
するとアニメの画像がたくさん貼られたページがヒットした。アニメ嫌いな俺は思わず「うわっ」と声を発する。
こいつ、こんな所からパクってやがったのか。「けいおん」という軽音楽部の女の子が主人公のアニメのオープニング曲とこの曲の展開が酷似していた。
平野がこのアニメのような女の子と出会いたくて音楽を始めたのかもしれない、と考えたら笑いがこみ上げてきた。
アイコがベットから立ち上がった。「晩飯の時間よ。母さんが呼んでる」「ばんめしじゃなくてゆうはん、だ」妹の言葉使いを正すと俺は立ち上がってエンターキーを叩いた。
「解読と分析は終わった。次は対策と傾向をたてる」俺はドアを開け、一人きり、階段を降りた。