Neetel Inside 文芸新都
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一日を終えて自分のベッドの上に座っている。
テレビに映るニュースを流し見しながら頭をタオルで包み乾かす。
2月上旬、外の空気は寒いが部屋は暖房が効いており湯冷めの心配は無い。

人口の温風を浴びながらぼんやりとニュースに耳を傾ける。
隣県の殺人事件。国会での議員のセリフの取り沙汰。
聞いたこともない国の経済不況。

身近な話題は何一つない。
全国ニュースで取り上げる地域はどうでもいい東京の話題ぐらいしか触れない。

当然興味は移る。

ベッドを降り立ち、横の机の椅子にどっかり座りパソコンの電源をつける。
起動と同時に立ち上がるチャットのアプリケーションの通知音が鳴る。




+ 
  今日はやっちまったな
  生徒指導室の空気はうまかったか?
                   +


星野だ。
僕のクラスで唯一の友人であり、校外でも付き合いがある数少ない友人。
嫌味も心地よいもんだ。
ああ旨かったよ。とりとめもない返事を返す。



  愛ちゃん慌てて可愛かったぞ
                   +


うるさいバカ。
その通りだったので言い返す気はない。
全く先週僕と同じ事をやらかして捕まった男に嫌味言われるなんて。
でも、なんとなくそういう繋がりもあるわけで僕らの仲はますます色合いがあるのか。
恥ずかしい呼び方を許す程度には仲が良い。

一人思案の時は暗い気持ちになるが人とやり取りしてる時は頭が空っぽになって気持ちいい。


ずっとチャットに没頭し満足したあと、
勉強を進めずに僕は寝てしまった。

       

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