Neetel Inside 文芸新都
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僕の高校は進学校だ。
生徒数約900人
一学年辺りおよそ300人、そして7クラス編成。
そのうちひとつのクラスは特別進学コースに乗った生徒たちということになる。

僕はそれ以外の六クラスのうちの一つのクラスの生徒というわけだ。
だからといって劣等感を感じてるわけではないが、自分の凡骨さを実感する。

なんの部活をするでもなし。
体育系の部活動が活発なうちの学校は広々としている上、
周りを囲むものは飼い慣らせる程度の自然ぐらいなものだ。
お金さえあれば拡張していける。

町並みを若干見下ろせる高台にあるため学校からの帰りの景色は悪くない。


その広々した学校の敷地内を僕は歩いていた。
購買にあるパンの自販機を求めにテクテクと。

隣には星野がキョロキョロしながら歩いている。


「愛ちゃんさあ、いっつも思うけど自販機でパン買うより学食くおうぜ」
星野はやれやれといったように腕を頭の後ろで組んでいる。

「食堂は空気が嫌いなんだよ。」

「まあ・・・そりゃ分かるけどパンばっかりだと飽きるだろ~」

「飲み物との組み合わせ変えてるから平気だよ。」
 正直、これは強がりだ。

「せめてコンビニで買ってきたほうがいいだろうに愛様ときたら」

「その呼び方はやめろ」


うだうだ話しながらパンを購入し終えると僕らは1,2年生の校舎の屋上へやってきた。

こっちの方が好きだ。
開けた青い空を見ながらどっかりとフェンスの近くの段差に座り込む。

食堂はなんというか混沌としている空気が嫌だ。
弁当を見せ合いながら談笑する女生徒の円卓や、一人で隅で食べている生徒。
同じ部員同士でうるさく集まる男子生徒たち。

時間から解放されるために僕は屋上で昼を過ごす。
冷めたチキンカツを頬張る。
うんやっぱり美味しい。

       

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