「ご主人様チンポ、復ッ活ッ! ご主人様チンポ、復ッ活ッ!!」
 朝からハイテンションな声が耳に入ってきて何かとマルカが瞼を開くと、そこには手拍子をしながら上機嫌になっているハル。
 そしてその股間にさも当然のように顔を埋めている満月の姿があった。
 「……おはようございます」
 「おはようマルカ。ほーら愛しい愛しいご主人様のチンポだぞ。しゃぶるか?」
 「いいです」
 「しゃぶってくださいよ!!」
 「はいはい、わかりました」
 未だ寝ぼけまなこのマルカは、満月が舌を這わす陰茎に顔を寄せる。
 烏賊のようなむっとする匂いの中に、満月の唾液の香り。既に一回射精した様子だ。
 「おはようございます、マルカ」
 「おはようございます、満月さん。朝からお疲れ様です」
 「私はご主人様にご奉仕するのが生き甲斐ですから」
 丹念に肉棒を撫でていた舌を、離す満月。
 代わりにマルカが、ぱっくりと咥え込んだ。
 (……間接キスだ)
 フェラチオそのものよりも、満月の唾液の残りが口に入ることに興奮を覚える。
 その液体を舐めとるかのように、丁寧に肉棒を舌でなぞった。
 (ほのかに、満月さんの味がする)
 「お、なんか上達してる。偉いぞマルカ」
 その感覚が気持ちよかったのか、ハルはマルカの頭をわしゃわしゃと撫でた。
 艶こそないものの、すっかりストレートヘアーになった短髪がくしゃりと散らばる。
 「ご主人様のペニスで講習をしようかと思いましたが、覚えが早いようですね」
 「そうだな。あまり満月に近づいてもどうせ満月以上にはならないんだし、若干拙さが残るくらいがいいかも」
 ペニスを離した満月は、ハルの小脇に抱えられている。
 メイド服から露出した豊満な乳房を鷲掴みにされ、感触を愉しまれていると同時に、自らも愛撫を愉しんでいた。
 「マルカもさー、ちんこって基本突っ込まれるだけで実物をゆっくり観察する機会なんて無かっただろ」
 「そう言えば……そうですね」
 一旦口から離し答えるマルカ。
 「俺のを色々弄ってみていいぞ。チンポトモダチ、コワクナイ」
 「……それ、ご主人様がしてほしいだけですよね?」
 「ったりめーだろ」
 「……ありがとうございます。ではおちんぽで遊ばせていただきます」
 堂々と言うハルに、マルカが呆れた顔をする。
 「マルカがなんか冷たい……」
 ハルの呟きを無視し、マルカはハルのペニスをまじまじと観察し始める。
 昨日しっかり休んだせいか海綿体は固さを取り戻し、マルカの顔面と向かい合うかのようにそびえ立っている。
 「ところで俺のちんぽって大きい?」
 「ビッグサイズです。ご主人様のもの以外で私は満足できません」
 「はははういやつめういやつめー」
 「…………」
 満月はそう言うものの、マルカにとってそれはせいぜい平均サイズだった。
 小さいと言うわけではないが取り立てて大きい、と言うわけでもない。
 「……とっても大きいです」
 マルカは処世術を身につけていた。
 「今すっごい気を遣われたような感じが……」
 「気のせいですよ、ねぇマルカ?」
 満月の発言には僅かに圧力が含まれている。
 「はい、気のせいです」
 マルカはにっこりと笑って大嘘をついた。
 「……なんか君たち昨日の一件から仲いいよね」
 昨日の一件とは、例のマルカと満月の緩い同性愛の事である。
 ハルは録画してあった一部始終(マルカが指を舐めるところまでしっかり撮影済みである)をじっくり拝見していた。
 (これは永久保存ものだわ。今度残月にも見せてやろうっと)
 ホクホクとその甘酸っぱいエロスを楽しんだ。楽しんだ、のだが。
 「はい。愛を育み合ったので」
 「またやりましょうね、満月さん」
 「マルカがしたい時に言ってくれれば、いつでも愛してあげます」
 「えへへ、約束ですよ」
 「…………」
 (満月に寝取られた気分だ)
 と言う半分冗談……にして半分本気の言葉を口にしようとしたが、満月が気に病みそうなのでハルは黙っておいた。
 自分に惚れるなとは言ったが、まさか満月に傾くとは想定外だった。
 (このまま二人が俺を差し置いて常時レズレズしだしたらどうしよう……まあ、満月が俺を放っておくはずはないが。問題はマルカだ。
 どうにか惚れさせることなく上手い具合に俺のちんこだけ好きにならないもんか……)
 繊細にして面倒なメンタルのハルが考えこんでいると、マルカはペニスを弄くりだした。
 指先で亀頭を擦ると、ハルの腰がピクンと跳ねる。
 「敏感なんですね、ここ」
 「うん亀頭はね」
 続いて傘の部分を弄り回す。ハルの声が漏れる。 
 「ご主人様、可愛いです」
 「あれ、マルカってひょっとしてS?」
 ほくそ笑むような黒い表情……とまではいかないものの、わずかに微笑むような素振り。
 少なくとも、嫌そうには見えなかった。
 「ち、違いますよ! 自分から進んで色々触る機会があまりなかったから……」
 少し頬を染めて反論。
 続いて、裏筋をつつっと撫でる。ハルがあふんと気持ち悪い声を出す。
 「どこ弄っても気持ちよくなるんですね……」
 「たりめーだサドロリ! ちんこだぞ! なめんな! なめてもいい!」
 「知りませんよ! 私はサドじゃないです!!」
 と言いながらも、今度は茎を手でしごく。
 手の中でハルがびくんびくんと脈動するのに、何か愛しいような楽しいような、変な感覚が芽生える。
 「なんか面白いですねこれ」
 「サドだ! この子隠れドSだ! これまで男達に散々弄ばれた恨みを俺で晴らそうとしてやがる!! ちょうどいい性欲馬鹿見っけみたいに思ってやがる!!!」
 「思ってないですよー!!」
 本人は気づいていないが、言葉とは裏腹にその表情は非常に楽しそうなものだった。
 満月はハルの口から制止の言葉が出ないため、主人が快楽攻めさせられても黙っている。
 「ありがとうございます! ありがとうございます!!」
 舐めますね、と一言断って手コキにフェラを付け加えたマルカに、制止どころか礼を言い始めるハル。
 どっちがご主人だかわかったものではなかった。