Neetel Inside ニートノベル
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「さて、ナルゲン、お前がうちに来て3ヶ月になる。そろそろ」
「嫌です」
ポレスの話を最後まで聞かずにナルゲンは拒否をする。
「何度も言いますが俺は魔法には興味はありません」
「しかしだな、お前以外に頼めるやつはいないんだ」
「衛兵のリオス君なら腕っぷしがいいじゃないですか」
「奴は頭が悪すぎる」
「だったら学者のシーボルさんは?」
「年をとりすぎている、それにひ弱すぎる」
うーん、とポレスが唸る。
「それにしてもお前は不思議な奴だ。昔はあんなに魔法に興味を持っていたのに……」
「それは僕がまだ新兵の時の話ですよ。」
「直属上司の机から魔法研究の資料をくすねる熱心さはどこにいったんだ」ポレスは呆れていた。
「え?そんな話があったの!?」
2人の会話が気になったのかソファーに座っていたユニが会話に入ってくる。
ナルゲンは頭をかきながら答える。
「六年も前の話だよ」
「そう、まだわしとナルゲンが軍にいたときのことだな」
「お父さんが分隊長で、その部下にナルゲンさんがいたんだっけ?」
「そうだな」ポレスは続ける
「とんでもないやつじゃった。偵察訓練はサボるは、監視につかせれば居眠りをしだす。しまいにはわしの机から菓子と一緒に魔法の資料を持ち出すわ大変だった」
「今とたいして変わってないわね」
2人が話に夢中になっている間にナルゲンはそっと席をたち逃げ出そうとした瞬間
「まだ話は終わってないぞ」と止められるも
「とにかく嫌なんで。じゃあいってきます」と言って出ていってしまった。

「いっちゃったわね」
しばらくの沈黙を破るため、ユニの口からやっと出てきた言葉がそれだった。ポレスは腕を組み、ふぅっと息をはく。
「全くわからん。久しぶりにあったらこれだからのう」愚痴をこぼすも、そのなかには落胆、悲しみが混じっていた。
「そういえばお父さん、ナルゲンさんはどこにいったの?」
「最近凶暴化した大熊のボスの退治じゃ。」
「え?」っとユニは信じられないと言ったようすでポレスを見つめる。
「また……1人で?」ポレスはこくんと頷く。
「遊ぶ金がほしいとか言って農協組合の依頼を受けおった。」ナルゲンが1人で凶暴化した動物や危険な魔物の討伐にいくことは珍しくなかった。
「失礼だけど、ナルゲンさんって剣の腕はそこまでよくないでしょ?」ユニは心配そうにポレスに尋ねる。それもそのはず、ナルゲンは以前行われた武闘大会では1回戦敗退という微妙な実力であるしかも相手は少年であった。
「だから、そんな危険な仕事で金を稼ぐならわしと一緒に魔法の研究をしよう。と誘ったのにあいつと来たら……」
また愚痴をこぼすも、いかんいかんと呟き、ポレスは自分の書斎に戻った。1人残されたユニは、「はぁ…」とため息をはき再びソファーに腰をおろした

       

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