Neetel Inside ベータマガジン
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「彼女のクオリア」
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文芸・ニノベ作者インタビューでも取り上げられ、今をときめく東京ニトロ大先生。
前回の感想(10月7日ニノベ作品感想その2)の時も書いたので面白いというのは今更説明不要でしょう。
ただ、その時はまだ2話のところまででした。
今はもう5話です。
1・2話では現代社会の闇を凝縮したような魔界・足立区に生きる将来の希望も何も無い少年少女達が描かれていました。
正義感が強くて検察官という将来の夢があったが、小学生で自殺した彼女。
その自殺した原因は語られていなかった。
中学生になって日々惰性で生きていた主人公は、悪ふざけでアイスケースの中に寝っころがり…。
別の世界線の足立区へ移動した!?
あの自殺した彼女が、中学生となって現れた!
というところまででしたね。
最初は救えなかった彼女を救おうと未来改変しようとするストーリーなのかな?と思っていましたが…。
予想を良い意味で裏切ってくれました。

第3話 M.R.I.
ツイッターでニトロ先生に直接感想語ってしまっていましたが…あらすじを。
主人公の回想が語られる。
彼女が自殺した原因が示唆されている。
もしかしたら彼女が自殺したのは主人公のせいかもしれない。
それから主人公は、日々をゾンビのように惰性で生きる事を選択する。
アイスケースに入って悪ふざけしたのもそのため。
別の世界線に移動したと思しき主人公は病院で検査を受ける。
視床下部が消失したように確認できないという。
一方、1・2話でも少し語られていたボイジャーに関するニュース。
ボイジャーから発信される電波が2つになったという。
狂っているのは主人公ではなく世界なのではないか?
そんなミステリー度が増してきた第3話でした。
面白い。

第4話 スーパーノヴァ
公明党のポスターが出ていた事にちょっと反応してしまう(笑)
足立区って公明党強いのかな…?
私の地元の尼崎市も公明党強いんですよね。
何なんでしょうね、この悪名高い東西の暗黒街の共通点は!!!www
さて、物語は謎がどんどん深まっていく。
同級生・幸田の死。
札付きの不良のシモジマに連れて行かれたのに、逆に撃退したらしき彼女。
シモジマこえぇ。彼女レイプでもされんじゃないかとひやひやした。
彼女の意味深な言葉と眼。
それに加えて2つのボイジャー。
更に更に、今度は何十光年も離れたところで超新生爆発が起こるという。
主人公の君津はメンタルヘルスクリニックで診察を受けるが、それは2回目だった。
1回目はごく最近、幸田が自殺した時に受けていたが覚えていない。
記憶と実際の現象が乖離している。
自分の認識は正しいのか?
ミステリー度がどんどん深まっていきます。
文章も緊迫した様子。
このあたり、主人公の不安感も相まって、エヴァンゲリオン劇場版をちょっと思い浮かべる。
彼女はどう見ても綾波レイ(笑)
でも幸田と森田どっちが自殺したのかははっきりして欲しい(笑)
森田は幸田が自殺したのを語っていた友人のはずなのに、森田が自殺したと書かれていたので…。
一瞬、キン肉マンのジェロニモ状態になりました。
いや、単なる誤字なんだろうけど。
そういう細かいところ以外は本当に秀逸。
謎が多いので何度も繰り返し読みたくなる。


第5話 スリットのむこう
2つのヴォイジャー、スーパーノヴァ。
更に今度は群発地震まで。
着々と世界崩壊への序曲が奏でられています。
もう世界を滅ぼす気満々じゃないですか!!!
…と半ばそうじゃない事を祈りつつ読んでいけど、そっちの予想は裏切らない。
彼女を襲うシモジマの彼氏。
やっぱこのあたりのDQN描写マジぱねぇです。
でも彼女はそれも撃退する。
君津に向け、彼女が語ったのはユングの力、そしてもう1つの宇宙について。
そこから5話の最後までの流れは圧巻です。
断片的でバラバラだったピースがどんどん組み立てられ、はっきりとしたカタストロフィへの警鐘となっていく。
宇宙と宇宙の衝突が起ころうとしている。
消失した視床下部、その消失部分が広がって脳下垂体まで消えている。
クオリア、即ち感覚。
君津はもう1つの宇宙にそれを置いてきたのだ。
アイスケースに戻らねばならない。
そんな感じで次回に続く。
この話は一体全体どうなってしまうのか…。
6話ではもう宇宙の衝突が起きていてもおかしくない。
単語と短文の羅列が多用されているためか、展開の速いバトル物のように疾走感が凄い。
時々、何が起きているのか分からなくなるので、やはりエヴァンゲリオンの映画を観ているよう。
それも新劇場版Qになってきた。
殆どあらすじしか書いていませんが、実際読まないと雰囲気は伝わりません。
気になる方はとにかく読みましょう。
次回もサービスサービス!?

       

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