「拝啓クソババア」   豊穣  誠 作
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感想を書くのは初めての作品です。
作家さんはなんと高校生。
若いって凄い。可能性に溢れている。眩しい。ぴちぴち。
中年はしんどいです。死にます。
思い起こせば高校生の頃私は……(ガチ遠い目) 
あ、失礼。脱線しそうになりました。
とりあえず文章とかまともに書ける人ではありませんでしたー。
せいぜい友達の書いた小説を読ませてもらうくらいでしたー。
しかしそんなのがあったおかげで読書に興味を持ったというのはある。
そしてかくかくしかじかで現在に至る。
面白いものだ。


■各話ごとの感想
一話
1~9
彼女との痛恨の別れを経験した主人公・啓介(苗字なんだっけ?)のもとへ、懐かしい馴染みでる伊角光太郎が訪ねてきた。
母親からのDVの経験。なにやら重い主人公の生い立ちに痛みを背負って生きています的なアピールを感じます。タイトルがクソババアなので何かその辺と関連があるのだろうかと思った。
友人の光太郎が訪ねてきて一緒に母親が搬送された病院へ向かうことになり、途中のコンビニでよそ様のご家庭の教育方針に水を差す場面。後始末考えない向う見ずなところ、ダサかっこよかったです。
実際によそ様のご家庭に介入できたらいいのでしょうけど色んな所に迷惑かかるよね。
私はそんなのできない派。

二話
1~8
米原に到着した啓介と光太郎は、小さな小料理屋に入る。そこには板前になった昔の友人がいた。
地元へ帰って昔の友達に偶然出会えるっていいものですね~。ありませんわー。羨ましい。
中年になると消息不明、下手すりゃあの世の方もいるのです。読んでいてなんとも言えない気持ちになりました。昔の友達との再会できる人はそんな時間も大切にすると良いでしょう。
そして、看護婦、怖いこと言うてる!


構文の妙
「お袋の俺の望む結末には程遠すぎる」→「俺の望むお袋の結末には程遠すぎる」
日本語としては通じます。多分普通に読んでいて気にはならない範囲かと。
しかし前からの文のつながりを考えると後者をとって欲しい。

第三話

中途半端をひたすら嫌がる啓介です。
韓流ドラマにむかつく啓介に笑います。当事者は死活問題なのだろうけど(ゼリー)、これくらいなら母親との小競り合いもなんだか微笑ましく映ってしました。関西弁の喧嘩がいいですね~。郷愁をそそられる。
DV経験者としては珍しいことではないのですが、過去に受けた暴力に関しては鮮明で、その時に使われた凶器のディテールとか妙にくっきり記憶に残っていますよね。いまでは親子の懐かしいスキンシップだったということにしておけるので私も大人になりましたw



■今回更新分までの総括的感想
たらたらたんたんとした文章。なにか読ませてやろうという強い意志や、凝っているというのは感じない。けれど、自然体で飾らない心地よさがありました。一回に更新される文章量は少なめで、その中で書きたいことをのびのびと書かれているのではないでしょうか。
序盤の彼女との啓介の携帯電話でのメッセージのやりとりには、文字でしか伝わらない儚さを感じられます。
男性と女性と恋愛における重点の置きどころの差異を見ているような気がした。そういうところには臨場感がある。
かたや友人とのさらっとした会話文が地の文に没している箇所。文章作法からどうということは別として、見せたいと思う会話文は改行されている。なかなか粋で好感が持てました。
現時点での自分の年齢や経験から大人を描くとき、どんなことに気を配っているのだろうと普通に気になります。同じ起こった事柄でも、理屈だけで理解できる部分と、実際の経験で理解してきた部分の違いってあると思う。そこの納得をどう消化しながら書いているのだろう。気になる。経験のない事柄については想像の域で、それは取材で得た知識を年配の作家が作品に書くというのと似ているかもしれない。ただ、そこに現実味を入れたり、人の心を動かす要素を入れたいとき、説得力を持たせるにはどんな工夫をしているのだろう。淡白な文章からははまだ少し感じきれなかったときがありました。
作風と言ってしまうと評価は上がる。けれどそればかりではこれから作品を書いていくには課題が多いかと思う。しかし可能性は多分に感じられるところを高く評価したい。
これだけ手堅く上手な文章を書ける作家さんなので今後がますます楽しみです。
連載今後もがんばってほしいです。
期待!



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。