Neetel Inside ベータマガジン
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「フライハイ」   てるまふ 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17676

こちらも初見の作家さんです。作品の雰囲気からすると初めての投稿でしょうか。
作品ジャンルは空戦青春。同じく戦争・軍事関連作品ですと新都社文芸作家ではヤーゲンヴォルフ先生がその雄として誇る存在と認識しております。リスペクトでしょうかディスパイズでしょうか。どっちゃでもええかw
文芸・ニノベ作品では戦争・軍事作品に関心をもつ読者も多々見られますので本作にもその期待が寄せられているようです。



■死の淵で意識が昏睡する主人公・誠。再び目を開けたときそこにいたのは銀髪で紅色の目をした少女。


冒頭三行、主人公の理想や意志のようなもので読み手の気持ちを掴んでくれるのに好印象。
視点は昏睡状態の誠の見る世界。彼がどんなふうに臨死体験をしているのかねちねちと書かれています。これも悪くないでしょう。作家さんの書きたいものがこういう意識の部分なんだというのが伝わります。
沢山のものを一度に見せるのではなく描くシーンをある程度限定されていて世界観には入り易いです。


昏睡状態から少し意識が回復してきているのでしょうか。ちょっと難しい表現をされようとしているふうに見えましたがその辺どうだろう。意識回復と昏睡の間を行き来するような感じととれば良いのでしょうか。なんやようわからんなあ~で終わってしまいそうな気配が少しありました。しかしこれもいいでしょう。痛覚が芽生えているという事は目覚めが近いと解釈できましたので。
覚醒後の会話文でパッと光が作品内に光が入ったような感じがします。登場したのが女子キャラだったからでしょうね。そうでなかったらラノベの域に入り難かったかもしれませんね。男かー!ってなえたかもw


■今回更新分の総括
1~2を通じて見えてくるのは死の淵から目覚めるまでの誠の不安定な意識。瀕死状態の彼の意識世界やふわふわした夢のような世界、目覚める前に感じ始める肉体感覚。拙くはありますが伝わってくるものがありました。
ただ惜しむらくは文章力。これが拙い。未熟です。非常に惜しい。言い回しの奇妙さ、言葉の誤用がちらほら感じられる箇所がありました。書き慣れていないんだろうなと思います。まだまだ書くという下地をこれから積んでいく感じがしました。頑張ってほしいです。
主人公の誠、人称が「ぼく」というからには傭兵としてはまだ少年兵。ぺーぺー身分と見受けます。作中表現からもまさかチート設定はないだろうと。チートならそれはそれで面白いけど。冒頭3行と少女をみてびっくりしてるあたりそれはないもよう。
主人公の成長ぶりを見せてくれるのでしょうか、短くまとめた短編になるか…そこはわかりませんが楽しみにしたいと思います。


■以下気になった表現

重複表現が二か所。

「重圧が圧し掛かる。」→「重圧がかかる。」あるいは「重圧が伸しかかる。」
重圧は重い圧がある状態。圧としてすでにかかっている状態なので後続に「圧し掛かる」は要らないかと思いました。

「怒涛の勢いで襲ってくる」→「怒涛のように(ごとく)襲ってくる」
怒涛はすでに勢いがある様子なので後続に「勢い」がくると違和感を覚える。



誤用と誤字。

血で塗りたくしたような → 血で塗りたくったような
ち漬ける → ち着ける


構文、文節の妙。
「その様はスポットライトに当てられた舞台の様で、ぼくは車のハンドルにも似た操縦桿をぎゅっと握り締める。」

文章はおかしくない。文意も通じる。言いたいことはよく分かる。しかし違和感を覚えました。
前文「その光は闇に染められた海面の一部分だけを照らし出していた。」を受ける後続文とするなら読点「、」で一文に繋げず句点「。」で切って二文に分ける方が読み心地がよいと感じました。
人それぞれでしょうけど、個人的な感想です。


以上この作品に関する18日更新分の感想はここまで。

       

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