「事実は小説より…小説なり」   のば 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17739

二回目になる感想です。
順調に更新はされているよう。
今回合わせてこられたのも意図あってでしょうか。
練習の場に使ってもらうのも大いにけっこう。
上等です。お役にたちましょう。
私で良ければ。


■前回までのあらずし
神がいるけどその神はポンコツジジイ。そんな神だから世界は投げやりに、何度も作り変えられてきた。インストーラーと呼ばれる者たちは世界の間違いを神に指摘し、やりたいように世界を歪ませていく。おかげで世の中は二次元娯楽の物事が平然とのさばる環境となってくり返される。


■各話ごとの感想

・インストール・イン・ストーリー
2~4
突然世界はアメリカ西部劇の世界へ様変わり。主人公・蓮川は同じクラス?の美少女・荒川とその世界で騒動にぶち当たる。
ろくなことが起きないのはろくな世界ではないから。仕方ないですね。全く深刻な感じが伝わってこないのに好感が持てる。主人公は大変なはずなのに、そういう空気を全然匂わせない面白みを感じました。葛藤なき苦境。作風にはあっているのではないでしょうか。「小説より……小説」というタイトル文句はすっかり意味をなしてないようだけど。
西部開拓時代、列車の速さは1800年代と1900年代で違うようです。そういう意味で列車に馬が追いつけても不思議でなかったり、飛び降りることも気合いで何とかできたりというのはある。これだけ色濃く作品のベースに西部劇を敷くなら、細部へのこだわりも見せて欲しい。少なくとも本作の舞台に使っている西部劇はそういった掘り下げをされたうえでの映像作品でしょう? 甘さというか、ぬるさばかりが見えて残念感しかない。


>『 』使いの妙
更新ナンバー2で、設定説明の下りで使われる『 』。
どれもこれもの単語に使ってしまうと、本当に重要な言葉が埋もれてしまいます。物語の中で本当に重要な言葉や単語は何なのか、特別な語句だけ使うべき。作家さんが客観的に見えてないんだろうと感じる。


>言葉使いの妙、誤用
「ニュートラル」→「ノーマル」(意味:普通、正常、標準)
作品の設定では作家さんが「世界を歪めてしまう~」と書いているのに、この言葉を使うのには矛盾しか感じない。ニュートラルは「物事がかみ合ってない状態」や「中立」のはず。そういう意味合いで作家さん使ってないと文脈からは読み取れる。だからこれは誤用と判断。

>文字の堆積→文字の堆積物
堆積は堆積物がそうなるまでの過程をいう。ここで使われる場合、「ガラスケースに入れられたような形で」と形状を完成させいるので「物」をつけることが必要。
本文の「白い光柱をそのまま遡るように空へと吸い込まれていく」のように動いている状態につかうのであれば、変だけど「空へ堆積していく」と言えないこともない。そもそも重力に引かれてある地点に積もっていく現象のことだから。


・使いの妙 と( )使いの妙
>4・4、8人→両側に4人ずつ合計8人 / 右に4、左に4の合計8人
>勢い(おい脚力)→勢いの脚力
意図が分からん。


>瞬間の判断→咄嗟の判断


>残滓をわざと持たせておく→残骸を置いておく
いきなり文芸的な言葉を入れてくるのも突飛過ぎて違和感しかない。


蛇足表現
>余程急迫した不都合に迫られているのでしょう。
「急迫した」か「迫られて」のどちらか一つ消したほうが好印象。
人によっては重複表現(二重表現)ととる。

・ウェスタン・ドリーム
1~2
騒動の中、蓮川はいつかTSUTAYAで見た奇妙な男に遭遇する。
やっぱり緊迫感には欠ける。騒動のシーンも困っている感じがまるでないw 文体はニノベの有名どころ作家さんの文体を取り入れているようにも見える。だけど所詮それどまりな感じ。のば先生独特という雰囲気が感じられるともっと面白いだろうけど……。ここまでの量を更新されているのにそれはないです。どこか物足りない。せっかく面白くなりそうな作品書いてるのになぁ……。
三本束の魔力を打ち出すところも描写不足で情景分かりにくい。
魔法で「空気を燃やす」は科学的な酸化反応っぽくみえるから、「火の玉を作る」だけで良いのでは?蛇足感しかしない。火は、そこにある時点で蓮川の魔法で燃えている状態と分かる。


表記の統一
「ハット」「帽子」
カタカナと漢字、イメージが違うのでどちらかに統一する方が作風にはあうと思います。ここでなら「ハット」でしょうか。「テンガロン」とも書いても良い。雰囲気や世界観を重視するなら。


■今回更新分までの総括的感想
前回感想を書いたときよりは、少し作品が読みやすくなっていると思います。やや理路整然と物事を追うように書かれているので、把握しやすく、感情移入もしやすいと感じました。まだ文章力での荒はありますが、経験不足で流せるレベル。以前より物語の内容把握ができるように、露骨とも思える説明的な下りが何度も作中に入る所が見られました(露骨すぎて笑えた)。感想を意識されたのでしょうか? 舞台も西部劇に置かれたせいもあるのか、分かり易いです。細かな西部開拓時代のつっこみを入れられる箇所はあるのですが、そこは目をつぶってもよいでしょう。気になるのが本作のタイトルです。「事実は小説より…小説なり」これ、「事実は小説より…二次元娯楽映像(アニメ・映画)」ではないでしょうか? 小説という感じではほぼありませんね、今のところ。読んでいると、少なくとも主人公の読書量や作家さんの押し出してくる世界観に「小説かこれ?」という疑問しかないのでw 神の存在も、非常に希薄になっている。ここまで来ると、始めからいなくてもよかったのでは? と思ってしまう。「神」って便宜的に言葉としてあるだけのようで、存在意義を全くなしていないようにも思えました。
ですが作家さんの発想には面白いものがある。発想がいいのは誇るところ。経験を積めばいいものが書けそうなセンスは感じる。あとは矛盾のないよう物語を作りこむ。妙ちきりんな言葉使いをなくす。などをすれば、もっと読者を獲得できるんではないでしょうか。つっこみどころが多くて今回ちょっと疲れました。
ニノベは文芸に比べて、作品の作りが軽めもよいのですが、決して手ぬるい安直な作品であっていいわけではありません。その辺の隙が本作にはまだ感じられるので、お勧めというところまでいかないのが残念です。
がんばってほしいです。


■作中印象深かった箇所
・腰のホルスターに手を伸ばし、(改行)ない。
普通、読点の改行はないものですが、この部分はまあ、良い効果になっていたと思います。どっかで見た気もするけどw その後に続く6行、情景描写への移り変わりが心地よい。笑った。
・「たとえば、中世風のファンタジー小説を『インストール』したとして。―中略―『圧政に苦しむ農家の長男』くらいの役回りになるだろう。つまりはそういうことなのだ。」
こういう下りがあると、世界を作るのは結局のところ神ではなく、インストーラーになる。だから神はいらないと感じる。この設定だけあればこの話し十分じゃない? と思う。そこで原点にもどり、この物語での神がいる意味って何?ということになるとタイトルに「小説」という文句を掲げているから神の目線が欲しいんだろうなと推測する。でも本文にはその重要性は感じない。意味わからない。という無限ループ気分悪い。




以上この作品に関する17日更新分の感想はここまで。