3 アンテグラル | 黒杜玖乃

大学の研究室の先輩、砂川日和麗(すながわひかり)をめぐる物語。
美人で天才肌で変人の砂川先輩、「僕」藤堂、そして経済学部の津島。

物語はこの友人津島が暗号の謎かけを持ちかけるところから動き出す。
ネタバレをすると、この津島は砂川先輩に好意を抱いきその切っ掛けづくりのため、この謎を持ち込んだが謎はあっさり破られ、その意図までも見透かされ恋物語自体は終わる。

「令和」を用いた暗号の謎解きはそれ自体良くできて、ミステリ短編として楽しい。
だが、私の関心を強く引いたのは、やはり終盤、砂川先輩と「僕」とのやりとりだろう。
「令和」とはどのような時代になるのか、『全』か『個』か。
それまで何気ない背景として描写されていた東京オリンピックの談議も通じて
砂川先輩の、おそらく筆者の「令和」への受け止めが展開される。

その主張は作中の人物の歳相応に「若い」とも感じるが、それがまたよい。
何より、こういった優秀美人ぼっち先輩。ポニーテール万歳。

以上です。