イチサン。 1-6 応戦と応戦
なる、大上。植込みから勢い良く飛び出す。
目指すは黒猫の円陣
黒猫はすぐに向き直り、
二人に向かってくる。
大上、踏みつぶそうとタイミングを合わせ
踏み下ろしたとき
ガシッと受け止められてしまう。
大上:あれ?
と言っている間もなく転倒し、ほかの4匹は
手足、アタマと素早く分かれて、みこしを
担ぐようしてに大上を持って走り出す。
なる:え?え?
わーっ。どこ行くんだよ。
なる、黒猫と大上を追い、走り出す。
なる:まて。コラ。ドロボー猫!
なるが追いかける先にはミコが、一匹の黒猫
と取っ組み合いのケンカをしている。
いや、黒猫は巧みに交わして飛び回っている
のはミコだけ。
黒猫は素早く群れの中に加わる。
なる:ミコー。大上取り返して!
ミコ:おっけ。
素早い足払いで黒猫2匹をを弾き飛ばす。
大上:ゴフッ
黒猫が居なくなったのでアタマから落ち、
引きずられる。
他の2匹が担ぎ直してミコのカラダを踏み
越えていく。
なるが、追いつき、驚いたことに
大上を奪い取り、肩に担ぐ。
スゴイ勢いで走るなる。
黒猫が大上の肩にしがみついているが
構わず振りほどく。
大上、人形のように大きく揺れている。
ミコ:なる。こっわ。
なる、足元にまとわり付く黒猫に難儀してい
たが大上を大きくふりかぶって、、
なる:ミコー!いくよーっ!
ミコ:えええ!?ムリだー。
大上を放り投げた。
ミコ。ドスンと大上を受けとる。
がそのまま転倒。
大上:ゴフッ。
4匹の黒猫はきちんと正方形を作って追い
かけてきて、あっさりと奪い返される。
ミコ、黒猫と大上追う。
黒猫、フェンスへ駆け上り、そのまま走って
行く。
ミコ、フェンスへ飛び乗り黒猫を追う。
フェンスが終わり、コンクリート塀の上を
2つの影が走っていく
黒猫たちは塀を駆け降りる。
ミコ、後を追って塀を飛び降りる
塀と塀のすきまを駆け抜ける
すきまはどんどん狭くなる。
そのとき、黒猫が急に動かなくなる。
そのまま転倒。大上ボロボロ。
ミコ:止まった?
背後から声がする。
イチロー:おーい。ミコ。大丈夫か。
ミコが振り向くと塀と塀のすきまから
イチローが覗きこんでいる。
背後には胡野まいがイチローの顔を
ぼーっと見つめている。
イチローはポケットからなにやら取り出し
ミコに見せる。
ミコ:あ。傀儡箱。