一旦扉を開けて出ると、外付けの廊下に出て隣の部屋のドアを叩く。
すると中から返事が返ってきて、開いた。
「誰ですかぁ?」
「私よ、彩芽」
「えぇ!? フライヤさんっ!!」
寝ぼけ眼をこすっていた彩芽が驚きふためき、飛び上がる。
そしてすぐに覚醒すると冷静になってから話しかける。
「なぁ、なんですかぁ?」
「食料品がなくってね、朝ご飯、食べさせてもらえないかしら」
「あぁ……その程度なら構いませんよぉ」
そう言ってフレイヤを部屋へと案内した。
こうして二人は一緒に朝食をとることとなった。
「そういえば、今日は休日よね」
「そうですねぇ……」
「久美が午前中から来るって言ってたわ」
「そうなのぉ? じゃどうしますかぁ?」
「特に何もしないわ、あなたたちはもう一流だもの」
「そう言って貰えてうれしいですねぇ」
「フフフ」
二人は談笑していた。
ほんわかとした優しい時間が流れていく
この時間は永遠に続くかと思われた。
ところが、あっという間に幸せな時間は終わってしまった。
突然バガンッという廊下に何かが大きなものが落ちる音がした。それを不審に思ったフレイヤは、いったん箸をおいて立ち上がると、扉を開けて外を見る。すると誰かが倒れ込んでいるのが分かった。
一目見てそれが魔法少女だと分かったフレイヤは、急いで彼女のもとに駆け寄ると、体を抱きかかえて様子を見る。
するとそれに気が付いた少女は弱々しく顔を上げると小さなかすれた声で話しかけてきた。
「あ……あなたが………フレイヤさん……ですか?」
「ええ、そうよ。あなたは?」
「お…………お願いします!!」
そう言って少女は縋りつく。
両の手をギュッと握りしめると必死の表情でこう言った。
「私を……助けてください!!!」
こうして銀麗咲夜は無事にフレイヤのもとへとたどり着いた。