Neetel Inside 文芸新都
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1月5日/知らない知っている部屋

以前住んでいた部屋で目を覚ますと、すでに別の住人が入っているのか、様子が変わっている。
数年間ここにいた、という実感はあるけれど、一方で私の知らない風景。
お洒落な用途不明のオブジェや観葉植物、壁を壊したのか間取りも違っている。
ただ、棚をつける時に失敗して壁にできた傷や、絵の具を落とした床などは変わっていないから、私を安心させる。
とりあえず、髪から靴下まで、全身が濡れているので着替えとタオルを探すことに。
そこで気付いたのが、現在の住人はインテリアの造詣は深いようだけれど、それ以外には無頓着なのだということ。
床やキッチンにはゴミや埃が溜まっているし、臭いもするような気がして嫌な気分に。
やっぱりここのタオルだとかを使うのはよそう、と思う。
そういえば部屋も妙にジメジメしているな、とバスルームの方を見やるとドアの隙間から蒸気が漏れ出ている。
体が濡れているということは、私がシャワーを浴びたりしてそのままなのだろうか。
ドアを開けると異様な湿度と、カビだらけの床や壁に驚き、ここは長居するべきではないと足早に立ち去る。

       

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