Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

3月10日/メーダ・プリマヴェージの肖像

かちりと立った足。白い背景と重なって、強固に根を張ったように。
こちらを見据えるきらりとした星屑。
幼いのに、確固とした意志をこちらに向ける少女。
その上半身はピンクの壁紙から浮かび上がるように、生命を感じさせる。

どうやら、美術館で絵を見ているらしい。
この絵は見たことがある。メーダ・プリマヴェージの肖像。
実際には見たことがないけれども、目の前にあるのが本物なら、私がいるのはメトロポリタン美術館。
私はこの絵にあまりいい印象を持っていなかった。
一見鮮やかだけれども、よく見ると仄暗い色彩。
クリムトの絵にありがちな、隠喩的ななにかがあるような。
ただ、目の前にあるのはピンクとグレイの色彩の絢爛。
こんなに美しいものだったなんて、という印象だけが頭の中に。
筆致が全てを浮き上がらせ、それぞれが意味として絡み合う。

       

表紙
Tweet

Neetsha