Neetel Inside 文芸新都
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3月29日/細切れの3印象

ギリシア彫刻のように美しい青年と連れ立って歩いている。
どうやら彼とは仲が良いらしく、どこかで食事をとる予定だ。
入り組んだ繁華街を歩き小路の隙間の、さらに階段を上がった場所にあるエスニック料理店へ。
中は異様に広く、中3階まであるらしい。ただ、生憎満席で入れない。
踵を返す前に店内を見やると、カウンターの端では曽祖父が一人食事をしていた。


大きな講義室で朧げな何かについて討論中。スクリーンには誰かの写真とグラフ。
所与としての現象への信憑性がどうとか、間主観性がどうとか、取り留めもないことを私は口走っている。
とりあえずはその場を乗り切り、ホテルのフロントのような場所でパフェを食べることに。


大きな川のふちに座り込んでいる。
ゆったりと流れるそれに指先を差しいれると生ぬるく、でも不快ではない。
立ち上がって、足首まで踏み入れる。
足元の流れの中では色々なものが通り過ぎている。
季節だとか、音楽だとか、何かの理由だとか、多分そういったものが。
それに安堵しながら、川の中心に向かって歩き出す。

       

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Neetsha