4月5日/無題
数年前に焦がれていた人と、電車の中で邂逅。
一言二言を交えて、どこかへと一緒に行くことに。
しばらく彼の後ろを歩いていたけれど、ふとした時に姿を見失い、そのまま離れ離れ。
周囲は何もかもが曖昧で、自分の態度も曖昧。空はうるさいくらいに真っ青で。
なんだか外にいるのが申し訳なく思えて、どこかの地下室へと降りる。
そこで本を整理していると、子供連れの軽薄そうな2人組が声をかけてくる。
無視していると断りもなく本を何冊も持って行こうとしたので呼び止めれば、
本なんてどこにもなく、相手の手にも自分の手にも、あるのはがらくただけ。