Neetel Inside 文芸新都
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5月17日/見張塔からずっと

あてもなくどこかの街をぶらぶらと巡る。
商店街や大通、人ひとりがやっと通れるような家と家の間を彷徨う。
いつか来たはずのその風景は、雑然とした異国情緒に溢れていて。
どうやら、日本ではないらしい。
ビルの屋上から屋上へと渡り歩けば、ひときわ高い塔が目に入る。
そこからあたりを見下ろすけれど、地平線の果てまで街は続いていて、全貌はつかめない。
では、と目線を上に向けると雲ひとつない快晴。
たくさんの人が、どんな風にかは分からないけれど、空を飛んでいる。
何か理由があるのだろう。
私は見ているだけ。
無力感にうちのめされていると、どうもお腹が空いたので、カレーを食べることにする。
カレーライスではなく、本格的な、ナンがついてくるやつを。
街にはカレーの専門店がいたるところにあり、10軒ほどを逡巡。
その中から雨と風と☓☓☓と、という名前の店を選ぶ。
ただ、結局のところ、どこにも持ち合わせがなく、そのまま素通り。
空っぽのお腹をかかえて、またぶらぶらと歩き回る。

       

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