高校生編 (10) 物干し竿頭部強打事件

 夏期講習が始まり、しばらく経った日の朝のことだ。
その日も無論登校日であったのだが…
母に名前を何度呼ばれても、私はベッドを抜け出さなかった。

勉強尽くしの生活に耐えかねなくなり(N君の嫌がらせは依然続いていたが、友達ができ、少し学校生活を楽しめるようになってきたこともあって気にならなくなってきていた)。1日ぐらい学校をさぼっても良いか、そういう気持ちになったのである。

 しかし、母は私のその行動を許そうとはしなかった。
 私の部屋に駆け込んできた母に、私が「今日は学校に行きたくない」と告げると…

 母は「1日でもさぼり始めたら、不登校に繋がる。」と叫んでかけ布団を剥ぎ取り、それでもああだこうだ言って起きようとしない私の腹を何度も蹴った。
 しかしながら、私は頑なに学校に行きたくないと言い続け抵抗した。

 そんな私の態度を見て、ついに母の堪忍袋の緒がはじき飛んだらしい。
 一旦母は、私の部屋から出て行った。
 私はそのとき、やった。今日は学校休めるのか、と一安心したのだが、そうではなかった。

 再び現れた母はアルミ製の物干し竿を手に持っていた。
 そして、もう鬼そのものの表情で私の頭をその棒で思いっきり叩いたのだ。

 私はあまりの痛さに思わず涙が出た。幸い頭皮に小さい擦り傷(半日血が止まらなかったが)ができた程度で済んだのだが、あの時は母の表情も相まって死ぬかと思ったものだ。

 母は物干し竿で叩いた後、そのような状態の頭を抑え泣いている私に何をしたかというと、「早く学校行く用意しなさい!!」と怒鳴りつけたのだった。

 死を感じた私はこれ以上暴力を振るわれる恐怖に負け、渋々母に従い教科書をカバンに詰め始めた。しかし、まだ叩かれたばかりの頭はじんじんし、集中できずかなりのスロースペースでの作業となった。
 すると、時刻がいつもの出発時間を超え、母が「早くしないと遅刻する」とまた私に怒鳴った。(私の内申点を気にしているから遅刻は絶対にさせたくない。)

 その後、ちょうどタイミング良く父が家に帰ってきた。
 母は私を学校に送るよう父に言いつけ、制服の一式を渡し、私はパジャマのまま車に乗せられ、出荷。the end

頭が痛む中登校することになった。

この物干し竿頭部強打事件以降、私はいまだに母が怖く逆らえないでいる。